4話 犬を探して
朝起きると、小さな来客があった。
「何の用だ?」
「朝早くすみません。仕事の依頼です。とりあえず、私の家に来てもらえませんか?」
ヒースケを起こし、2人で女の子の家に付いて行く。
物凄い豪邸だ・・・。
厳しいセキュリティを超え少女の家に入る。
紅茶を出す少女。
「実は・・・私の愛犬マリーちゃんが行方不明なんです」
「んで俺らに探して欲しいってわけか」
「お願いできますか?」
おいおい、頼むとこ間違ってるぜお嬢ちゃん・・・
ひそひそとヒースケが小さな声で話しかけてくる。
「兄貴…この家犬の匂いもしないし、犬飼ってる痕跡ないっす…」
「ちょっと待てよおいどーゆーことだ」
ヒースケは耳をピーンとさせる。
「ご近所に狂暴で雑食性で碌に躾もされてない犬型魔界生物が一匹いるっすけど…。」
「マジかよ…この住宅街のど真ん中でか!?」
俺は厄介なことになる前に犬を捕まえることにした。
「お嬢ちゃん、マリーちゃん無事に取り返してやるよ」
「ヒースケ、犬の居場所分かるか!?」
「うん!!」
「世間様を騒がせる事態になる前にとっととふんづかまえるぞ!!」
「居たっス、あの犬っス!!」
「よ~しよしいい子だ、おいでおいで~・・・」
「兄貴、なだめるの上手いっすね!」
「ガブッ!!」
うおっ、首筋に噛みついてきた!
「よし、でも何とか捕まえたぞ、とっととマリーちゃんをあの子に返してやろうぜ!」
「無事に…捕まえましたよっと…」
「マリーちゃん!」ペロペロッ。
良くこんな化け物に食われないで生活出来てるな…と感心しつつ謝礼も貰い家に帰る2人だった。