二つの魂魔王降臨
南の大陸近辺にある島。
城内。
バリバリ。
ムシャムシャ。
魔王が食べているのは人間だ。
魔王は立ち上がり。
「まだ足りぬ」
魔王は歩き出す。
老いた化け物は魔王に問う。
「魔王様どちらに?」
「村を滅ぼし人間を捕食だ」
「お気を付けて」
魔王は再び歩き出した。
南の大陸に上陸した魔王は村を発見した。
魔王は炎を吐き村を焼いた。
残ったのは人間の死体だけだった。
こうして南の大陸の村一つ魔王によって滅んだ。
ムシャムシャ。
「焼けた人間美味いな」
老いた化け物は不気味な笑みで。
「それはそれは」
魔王は命令した。
「人間の死体をここに運べ!」
「はっ!」
と老いた化け物は返事するとスケルトンを8体召喚した。
老いた化け物はスケルトン8体に指示を出し、
スケルトン8体は拡散した。
ドサドサと次々に人間の死体置かれる。
魔王は立ち上がり人間の死体に近づき、尻尾を腹に刺した。
人間の死体にドクンドクンと卵を産み付けた。
魔王は老いた化け物に命令した。
「城に居る我の家臣を呼べ」
「畏まりました。如何ほどでしょうか?」
「任せる」
老いた化け物は頭を深く下げるとその場から居なくなった。
魔王軍の侵攻が始まった。
魔王軍が侵攻して1週間。
多くの村や国が侵略された。
そんな中、コカ大国が魔王軍に抵抗していた。
コカ大国は人間と獣人が暮らす南の大陸一大きい国である。
将軍が弓隊へ指示を出す。
「射てー!」
何千という矢が魔王軍へ目がけて飛ぶ。
グサグサと次々に魔王軍の兵士に矢が刺さる。
矢が刺さっても魔王軍は進行を止る気配が無かった。
「もう一度だ」
弓兵は構える。
将軍が再び弓隊へ指示を出す。
「射てー!」
再び矢が刺さりようやく進行が鈍る。
バタバタと魔王軍の兵士は100体以上倒れる。
やがてコカ大国軍と魔王軍はぶつかり、白兵戦になった。
コカ大国軍は魔王軍の5倍以上だったがジワジワ魔王軍が圧し始めた。
赤い兜を被った将軍が魔導隊へ指示を出す。
「魔導隊放て!」
いくつもの赤い玉が魔王軍へ飛ぶ。
透明なシールドで防がれた。
「なに」
思わず赤い兜を被った将軍は声を漏らした。
透明なシールドで防いだのは魔王軍の魔法使いだった。
この日の死者。
コカ大国軍5000に対し魔王軍1300だった。
兵士は将軍の命令で死体を全て焼いた。
兵士1人が将軍へ報告した。
「全て焼き終わりました」
「ご苦労下がってよい」
兵士は立ち上がり敬礼をした。
「はっ」
兵士は下がった。
将軍や兵士は日が明けるまで体を休めた。
「うわーーー」
「いやーーー」
と男女の悲鳴が魔王城に響いた。
人間や獣人の悲鳴を聞き、魔王はニタニタ笑っていた。
魔王は尻尾から人間や獣人、男女関係なく卵を産み付ける。
卵が孵化すると体内から人間や獣人の臓器や肉が喰われ激痛が走る。
激痛が無くなった頃には死んだ。
翌朝。
魔王軍は昨日、落とせなかったコカ大国へ再び侵攻した。
その頃コカ王国は。
続々と近隣国から援軍が集まっていた。
コカ大国軍と合わせると昨日の倍になる。
コカ大国軍を改め連合軍となった。
初めは連合軍が魔王軍を圧していた。
老いた化け物はスケルトンを大量に召喚する。
地面からスケルトンが現れた。
スケルトンの登場で戦場が一変する。
人間と獣人が死者が増えてゆく。
魔王が動き出した。
兵士の報告を聞いた大将軍は。
「魔王が最前線に」
「そうか。下がってよい」
兵士は下がった。
「魔王を討ち取る」
と大将軍が発言すると、側近が止める。
「危険です」
「分かっている。だがこの機会を逃せば魔王を倒せぬ。このままでは我が連合軍は全滅する」
「分かりました。ですが私もお供します」
「ついてこい」
大将軍は側近と兵士数人連れて魔王の下へ向かった。
大将軍、側近、兵士数人は魔王は取り囲む。
側近と兵士数人は魔王に切りかかる。
「待てー!」
と言う大将軍の声も虚しく側近と兵士数人は全員殺された。
大将軍は冷静に判断する。
「強い。この剣では駄目だな」
剣を鞘に納め大将軍は別の鞘から剣を抜く、剣には冷気が纏っていた。
魔王に剣を向ける。
「魔王!お前を倒す」
魔王は声を出さずに笑っていた。
大将軍は雄叫びを上げる。
「うおーーー」
大将軍はほぼ同時に四つ斬撃を放つ。
「四連斬」
すかさず大将軍は突進する。
ぽたぽたと血が流れる。
何が起こったか解らなかった。
痛みを感じ視線を向ける。
尻尾がお腹を貫通していた。
大将軍は血を吐く。
「ゴホッ」
大将軍は魔王を睨む。
魔王はボソッと言う。
「たわいない」
魔王は大将軍を尻尾に刺したまま地面へ叩き付けた。
ドースン。
音と共に地面が凹む。
大将軍はグシャと潰れ、骨は粉々になっていた。
魔王は尻尾から大将軍を引き抜き放り投げた。
ドサ。
大将軍は地面に落ちまったく動かなかった。
大将軍は死んでいた。
大将軍を失ったコカ大国は呆気なく滅んだ。
その後、人間と獣人は抵抗できず数日の内に魔王により南の大陸を侵略された。
「ふはははは。人間共たわいない」
魔王の笑い声は魔王城に響いた。
丁度その頃、聖剣を手にした者が居た。
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