93話 ヘタレすぎ乙wwwww<<自己紹介乙wwwww
俺はイグニスの家に着くまで俺は『光属性・全』を読むことにした。
まあ俺も元日本人として「ながら歩き」テクは高いのだよ。フッフッフ。
いや、走っているが。『ウィンド・ブースト』を掛けてバリバリ走ってるが。
それはおいておいて、早速『デコラーレ・ピュリファイ』の項目を見よう。
269ページを開き、俺はサッと目を通す。
ん?なんか危険に記述を見つけた。
『デコラーレ・ピュリファイ』は対処する呪いの大きさによって消費魔力が変わります。
……………………。
OhhhhhmyyyyGOOOOOOODDDDDD!!!!!!!
道理でさっき図書館で使った時に魔力の消費が感じられなかった訳だ。
危なかったー。
もしイグニスの母さんに『デコラーレ・ピュリファイ』を使う時に
「魔力が足りなかった、ごめん☆(・ω<)」とか洒落にならん。
よし、魔力を練っておこう。
先生に聞いておいて良かった。
後は、イシス様の加護で魔法が強化されるから大丈夫だろう。多分。
隣で並走しているイグニスにはこの動揺を悟られないようにしないと。
俺は平静を装って更に『デコラーレ・ピュリファイ』の記述を読み進める。
良かった。
何も他に俺の不利になることが書かれていない。
俺が内心ホッとしていると、イグニスに「着いたぞ。」と言われた。
のわ、図書館とほとんど大きさが変わらねえじゃねえか。
こいつ金持ちだったのか?
貴族で、しかも金持ちで、魔力の才能があっても捨てられない。
あれ、メッチャ勝ち組やん。
俺と正反対だな。
…………………。orz
「入るぞ。」
イグニスはそう言いながら門を開ける。
門を開けるとそこには執事(?)がいた。
「お、お坊ちゃん!!!今日を帰宅が早いですね?」
執事だな、これは。
一瞬で取り乱した感情を戻すとは。俺の怒りの吸収並みのスピードだ。
「ああ。少し急用があってね。
今から父様に会えるか?非常に重要な話がある。」
「畏まりました。ご主人様は書斎にいらっしゃいます。」
「助かる。
ロイド、少し待っててくれ。」
俺は頷いておく。
あれか、庶民が勝手に家に上がり込むのはダメとかそんなのか?
多分そんな感じだろう。
俺はそう考えて今まで下げていた顔を上げた。
すると、執事さんと目が合う。
「「………………。」」
気まずい空気が俺等の間に流れる。
「すみません、このようなことを聞くのは失礼だと存じておりますが、
どちら様で…………?」
「え、えーと。先ほど図書館でイグニス様と仲良くなったロイドです…。」
「遂にイグニス様もお友達が出来ましたか。それは良かったです。
それで、イグニス様のおっしゃる重要な話とは………?」
「僕の光属性に関する話だと思いますが…………?」
「なんと!それは真でございますか!?」
「は、はい。」
「ああ、遂に奥様に救いが…………。」
ちょっとまて、何か涙ぐまれた。
凄いな、光属性。やっぱ俺チートの権化だったわ。
これで治せなかったらどうしよう。怖い。
よし、魔力を練るスピードを上げよう。
うおおぉぉぉぉぉぉ……!
俺が超スピードで不純な魔力を取り除いていると門が開いた。
「ほう、貴様が話に出てきた光属性か?」
え、何このオッサン。メッチャ凛々しいんだけど。
いやあ、久しぶりだ。こういうオッサン。
俺の周りにいるオッサンとか酒飲み惰眠家、大抵血まみれ巨人、武具に熱い漢みたいな感じだからな。
「父様、この少年です。」
待て待て。イグニスメッチャ口調変わってるぞ!?
何だこのオッサン、厳しいのか?
「そうか。
ならば少年、単刀直入に一つ問おう。
私の妻を救えるか?」
いやいやいや、怖いんだけど。
一回も試したことすら無いのにそんなこと断言できるか!!!
やばい、俺のヘタレ魂がゴングを鳴らしてる。
なんて言おう。ここで曖昧なこと言うと駄目なパターンだよな。
俺の頭が次々と答えを考えるが、それらは全てヘタレすぎる答えだった。
畜生、思いつけ、俺の頭。
いや、閃いた。
「正直に言いますと、わかりません。」
「そうか、ならば去るがい「ですが。」
……………なんだ?」
「一度見せて貰えませんか?
僕にとっての懸念事項は呪いの強さ、です。
ご存知かもしれませんが『デコラーレ・ピュリファイ』は呪いの強さによって消費魔力が変わります。
そして、僕の魔力総量は非常に低いので、解呪できない可能性があります。」
結局はヘタレな答えになってしまうが、これで駄目なら俺は無理だ。
ゴクリ、と唾を飲んでオッサンの言葉を待つ。
「む、私の望んでいた答えとは違うがな………。
まあ、変に堂々とする輩よりはマシだ。
良かろう、私の屋敷に入ることを許可する。
ただし、私の監視付きだが。」
こ、怖えぇぇぇぇぇぇ。