表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/407

84話 人間型ATM(引き出し専用)

防具を買ってから1ヶ月が過ぎた。


最近煙玉の需要がようやく下がり始めたお陰で、俺はもう既にブラック企業

状態にはならずに済んでいる。

といっても一日30個は売れるのだが。

だんだん金銭感覚も狂ってきたぜ。


そんな俺だが、今日もいつも通り貴族やら商人やらに届け出をし

現在ギルドでグランさんに報告をしているところだ。


「ロイド。凄え言いたくないんだが、お前ら『イレギュラーオルフェン』は

もうEランク昇格試験受けられるようになったぞ。」



「ひゃい!!??」


やべえ、変な声出た。

おいこらチャンネー軍団、「かわいー」とか言うな。

誰だってビビるだろ。いくら何でも早すぎねえか!?


「ホント、お前どうなってんだ?あのクソギルマスと同じくらい昇格が

早いんだが。」



ごめん、今ちょっと傷ついた。

あのギルマス(m9(^Д^)プギャー)と俺に共通点があったとは。



「因みに昇格試験への条件って何?」


「クエストを150個達成、そのうち60回以上が討伐系であることだな。」


「あれ?ギルたちってそんなに討伐してたのか?」


「ああ。中々に凄いコンビネーションだったらしいぞ。

攻撃は全てシュウが無傷で耐え切り、ギルが全部一発で屠ってたらしい。

何でももう既に少し『豪気』が使えるって聞いたが、本当か?」



あいつらもチートだったか。

つーか前に「『豪気』使えるようになったぜーーーーー!!!!」て

叫んでたな。


「前に「『豪気』使えるようになったぜーーーーー!!!!」て叫んでたから使えるんじゃないか?」


「流石は加護持ち、てことか。

とりあえず、昇格試験は受けるか?」


「内容は?」


「模擬戦だな。まあ、勝つ必要はねえ。

Eランク相当の力があることがわかりゃあいいんだ。」


「じゃあ、受ける。その前にちょっくら武器の調達行ってきていいか?」


「ご自由にどうぞ。勿論パーティで受けるよな?」


「当たり前だ。じゃあ武器の調達が終わったらここに来ればいいんだな?」


「おう、そういうことだ。あ、『必ず』今日中に来てくれよ。」


「了解した。じゃ、行ってくる。」



何故グランさんが『必ず』と強調したのかはわからないが、とりあえず

ギルとシュウを連れて『サイクロプスの巣窟』に行こう。










「シュウ、ギル!起きろおお!!!!」



俺は家に帰るなり昼寝している二人を起こした。

勿論『アンチスリープ』で。

や、やだー。まさか暴力で起こすわけ無いじゃないですかー。

え、ギルマスを起こそうとした時(ryだって?

ふっ、あれは幻覚だ、うん。



「なに?何かあったの~?」


ああ、まだ寝ぼけてるな、こりゃ。


「聞いて驚くなよ。何となぁ、俺等はどうやらEランク昇格試験を受けていいらしいぞ!」


「「やったーーー!!!」」


よし、完全に起きたな。


「んで、どうやら昇格試験は模擬戦らしいから、武器の調達に行こうぜ。

金はたんまりあるしさ。」


2億メルくらいあるからな。

2000万円だぞ、2000万円。



「確かにこれも結構ボロいしなぁ………………。」


「僕の盾もヒビ入ってるしね。」



おいおい、よくそれで使う気になったな。


「つーことで、『サイクロプスの巣窟』に行くぞ!」


「いやー、もうちょい重い大剣がほしいな!」


「僕もなにか良い攻撃手段がほしいな。」



いや、ギル。その大剣以上の重さってどういうことだよ。

それって俺が魔手を2本使ってやっと持てるくらい重いはずなんだが。
















「おっさ~ん!また来たぞ!」


「その声はロイドか!要件があれば地下に来い!」


「了解!」



俺等はいつも通り地下に行った。









ガシャン、ガシャン。


地下ではおっさんが武器防具の並べ替えをしていた。


「おう、ギル坊とシュウ坊も一緒か。どうした?」


因みにおっさんは俺以外の男子には「~坊」と呼ぶくせがあるっぽい。

何で俺は違うんだろうか。


「今日模擬戦するからよ、この二人にいい武器を見繕って欲しいんだ。」


「そういうことか。なら前回通り手にとって感じてみろ。」


ギルとシュウは言われたとおりにそれぞれ大剣、盾に触れていく。


「そういやおっさん、シュウが何かしら攻撃手段を持ちたいと言ってたんだが、何かないか?」


「確かシュウ坊は大盾一つで戦う感じか。

うーむ、大盾を叩きつけるだけじゃあ確かにキツイな………。


っ!そういえばいいのがある!ちょっくら待っててくれ!」



おっさんは良い物を思い出したのか工房に戻っていった。

流石おっさん。何でもあるんだな。








数分しておっさんは戻ってきた。

おっさんの手にあるのは真ん中にでっかい棘のついた大盾だ。

シュウがすっぽり隠れるくらいの大きさだな。


「おっさん、それは?」


「これは『槍付き大盾』名づけて『パラディンシールド』だ。

これはスイッチをいれると槍が固定されるんだが、スイッチを切ると

槍が衝撃をうける度に大盾の中に収納されるものとなっている。」


スイッチを切ると手品のナイフみたいになるのか。

あれだ、切腹をするフリでよく使う奴。


「つまり、攻撃するときはスイッチを入れて、防御するときはスイッチを切ると?」


「そういうことだ。ただ、これを使っていると使用者の負担が高すぎてな、

前にこれを使っていた奴は腕を折っちまったんだ。」



それはキツイな。

でも、そんくらいのデメリットなら。


「大丈夫、シュウは異常に頑丈だから。

前なんて剣を腕で止めたんだぜ?」


「凄えなそれは!ならコイツが使えるな。おいシュウ坊、聞いてたか?」


「聞いてました!是非とも使わせて下さい!!!」


「そんなに畏まらなくていい。まけて1000万メルで売るが、買うか?」


あー、俺が昔敬語を教えたの意味なかったなぁ。

冒険者でそんな敬語使う機会なさそうだし。


「買う!買うよ!ロイド、お金出して。」


「了解。おっさん、買いだ。」


俺はポケットから1000万メルを出した。


「流石は煙玉の開発者ってところか。金がたんまりとあらあ!」


「我ながら8歳児が持って良い金じゃ無えよな。

まあ、こうやって装備とかにどんどん金は飛んで行くんだが。」


「そうかそうか。なら俺が絞りとってやろう!」


「おっさんの装備はいいからな。すぐに絞られちまうぜ。」


「「アッハッハッハッハ。」」


「何でだろう。僕、今凄い疎外感を感じてる。」


気のせいだぞ、シュウ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ