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83話 ロイドの、ひじょうしきれべるが3あがった!

あれから一週間が経った。

悲しいことに、俺は一週間前からずっと同じことをしている。

もう俺は冒険者じゃなくて職人でいいのではないだろうか。


あ、でも変わったことはあったな。

俺は懲りずに貴族や商人に配達をしたのだが、お陰でどういう人が

人を見下してどういう人が平和的なのかわかった。


ま、そんくらいだろう。



そんな俺は、今日『サイクロプスの巣窟』を訪れていた。

何でかって?オッサンから「防具完成したぜ!!!!」と連絡が来たのだ。

ぶっちゃけ結構楽しみだ。

結構俺の出した条件って厳しいし。どんなのができてるかな。



「おっさーん!防具どこー?」


「その声はロイドか!よし!地下に来てくれ!!」


俺は言われたとおりに地下に行った。


そこにはドヤ顔のオッサンが仁王立ちしていた。

おお、これは期待できるぞ。


「あれ?オッサン、防具は?」


「クックックック。そう思うだろ?実はなあ!コイツはどこにでも収納できるんだ!

『オープン』」


オッサンの『オープン』と共に俺の手元にパーカー(・・・)が現れた。

フード付きか。イヤホンがあれば完璧だった。


「しかもその機能はこれだけじゃあない!

『オープン』」


うわお。今度はズボンまで現れた。


「更に更にぃ!ここから『チェンジ』!」


すると俺の服が一瞬でパーカーとズボンになった。

元々着ていた服は俺の手の中だ。


「な、なんじゃこりゃああ!!??」


「ガッハッハッハッハ!そうだろう!」


ヤバイ、ヤバイ。

こんな素晴らしい装備があるなんてっ!


あれ?


「これを脱ぐ時と収納する時はなんて言うの?」


「収納する時は『クローズ』を言う度に異空間にしまわれるぜ!」


「異空間!?凄え!で、脱ぐときは?」


「………………………。」


「……………。脱ぐときは?」


「……………………。」


「ああ、無いんですねわかります。」


「言っとくけどな、これだけでも十分凄え機能なんだからな!!」



ああ、確かに凄い機能だ。ただ、ちょっと残念だったな。



「因みに、肝心の防御力は?」


「コイツは凄えぜ。なんたって『アラクネー』の糸をどころどころ繋ぎ合わせてんだ。

『アラクネー』の糸は打撃に強いことで有名でな、衝撃を結構和らげる。」


「へえ、じゃあ『アラクネー』の糸以外の部分の素材は?」


俺は気になったのでオッサンに聞いた。

瞬間、おっさんが満面の笑みとなる。


「よくぞ聞いてくれた!!!

コイツはなあ、マスタースライムを特殊加工して作った糸で出来てんだ!」



「うおおおお!凄え、凄えよおっちゃん!!」


「しかもだ、お前の言った通りこいつらはマスタースライムの性質のお陰で

体を滑るように着ることが出来る!全く動きを阻害しない!!!

ちょっくら体を動かしてみてくれ。」


俺は言われたとおりに動きまくってみた。

な、なんだこれは。むしろ前よりも動きやすい。


「もう何も文句はねえよ……………………。おっちゃん、買いだ。」


「まてまて、最後にコイツの素晴らしい能力を教えてやろう。」


「な、まだあるってのか!?」


「おう。

これは異空間にある間、ある程度は傷が勝手に治る!!!」


「な、なんだってーーーーーーー!!!!???(棒じゃない)」



なんてことだ。

素晴らしき防御力、収納可能、自動修復、なめらかな動き。

そして、


「気になるお値段は!?」


「1億メルだ!!!!」



……………………………。


約一千万円?


「冗談だよな?」


「いんや、冗談じゃない。

作るのに8000万メルかかったからな。

払えるか?」


払えるかー(涙目)。


いや、ちょっと待てよ。

煙玉を俺何個うったっけ。

少なくとも500個は売ったよな。

つまり、25万×500×0.8だけで1億いく。

これは来てんじゃないですか?



「あ、大丈夫だおっさん。払える。」


「おお!やったぜ!!」


「ただ、ギルドに今あるから取ってきていいか?」


「そんなら大丈夫だ。俺が後で取引してギルドから貰っておく。

ところで、どこからそんな金出てきたんだ?」


「最近さ、煙玉が売られ始めたじゃん?あれ、俺が製作者なんだよ。」



「おおお!さすが俺が見定めた男!!!やるじゃねえか!」



がっしがっしと頭を撫でられる。ま、悪い気はしねえな。


「そういえばチェーンメイルはどうなった?」


「すまねえがあれはまだ研究段階だ。実用化には遠いな。」


「そうか………。とりあえず、助かった。

俺はもうそろそろ帰ることにする。じゃあな!」


「おう!また来いよ!」


俺は『サイクロプスの巣窟』を出て家に帰った。



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