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82話 8歳にこんなのやらせるとか………………どんなブラックk(ry

俺は昨日飲み明かした後、急ピッチで煙玉を40個ほど作った。

お陰で庭がヤバイ匂いになったが、全部『ウィンド・ロール』で

上空に飛ばしたから少しはマシだろう。


後はこれを売るだけ。

ということで俺は現在ギルドの中で煙玉を並べている。

ちゃんとギルドから許可は得ているから大丈夫だろう。


というか、もう既に行列ができ始めているのでこれを止めたら

ブーイングがとんでもない事になりそうだ。


ああ、俺も段々目眩がしてきたよ。

考えてくれ。

ゴツイオッサン達が俺の前で目を輝かしてんだぞ?

本当に俺の称号にオッサン系がないのか調べたいくらいだ。


普通さ、ラノベとかだったら冒険者って若い獣人とかチャンネーとか

いるじゃん?

でもさ、ここにいる殆どの冒険者はオッサンなんだよ!


いや、いるにはいる。

ギルみたいに鱗のある青年とか、ケモノ耳(新天地)装備者とか。

俺としてはお断りだが、フェロモンムンムンのチャンネーとか。


けど、7割はオッサンなのだ。華がなさすぎる。


アイニードモアケモノミミィ!!!!!!!




こほん。あまりの現実に妄想をしてしまったようだ。

俺は現実に意識を戻し、叫んだ。



「煙玉一個25万メルで販売スタート!!!!」



「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」


















…………………………。


結論から言おう。


足りない。煙玉が。


何で一人3個ぐらい買ってくんだよ!?

途中から「お一人様1つまで!」にしたけど、足りなかった。


という訳で、俺は増産することにした。

というか、増産に専念することにした。

売るのはギルドがやってくれるそうだ。利益の2割を出すことにしたけど。


しかし、ここでさらに問題が浮上。

材料、無え。


すると今度はシュウとギルが手伝ってくれることに。


ギルはクエストを受けがてら木を切り倒す。

シュウは雑用系クエストを受けるついでに紐(導火線用)を買ってくる。


こうすることで金が入るわクエスト消化速度は下がらんわで

ウッハウハになった。

まさかの『イレギュラーオルフェン』が結託した瞬間だった。














翌日。

一気に一日で150もの煙玉を作った俺は

気分転換にクエストを受けに来ていた。


気分転換がクエストって。俺もう病んでるな。


出来れば簡単なの無えかなーとクエスト表を読んでいた俺は目を疑った。



・煙玉を買ってこい!


・煙玉を買ってこい!


・仕入れに必要なんだ、煙玉を買ってきてくれ。



……………………etc。



おい、貴族さんや商人たちまで欲しがり始めたぞ。

なんなんだ、煙玉は。新型ファッションとかか。

こんな無骨なもんファッションにするとか彼らの思考回路は理解できん。


とりあえず、受けるか。

報酬が25万超えてるから一応儲けは出る。


俺は販売予定の煙玉を持ち、グランさんお手製の地図を持って貴族達の家を

回ることにした。















俺は現在貴族の家の前に立っている。

目の前には呼び出し用であろう鈴がある。

思わずピンポンダッシュっぽいのをしたくなる本能を抑えて、

俺は鈴を鳴らした。



チリンチリーン。


某ポケモンを一瞬思い出した。

ていうかあいつ、合計種族値425とか言うマゾポケだったな。


「どうなさいましたか?」



執事さんが出てきた。

おお、なんと律儀そうな人だ。


「クエストで煙玉を納めに来ました。」


「そうでございますか。奥様!煙玉が届きましたよ!」


「なんて遅いの!待ちくたびれちゃったじゃないの!」


執事さんが呼ぶと同時に奥様という人が出てきた。

なんというか貴族のテンプレみたいだな。


「すみません、ではこちらにサインか何かをお願いします。」


俺は丁寧にクエストの紙を出した。



「誰がこんな物にサインを書くものですか!

遅かったら意味ないのよ!

はぁ、パーティに遅れちゃうわ……………。」


いや、ちょっと待て。

書いてもらわないと俺報酬もらえないんだが。

ぶっちゃけこれ25万メルすんだぞ。

3ds1個とソフト2本買えるんだぞ!?


「奥様!なりませぬ!」



執事さんが慌ててとりなす。

流石。これぞ THE☆出来る執事だよ。


(どうやらこの御方、煙玉の製作者のようです!)


こっそり奥様に耳打ちする執事さん。

ごめん、俺まだ子供だし元々耳いいほうだから聞こえちまった。

対して奥様はぱっと見でわかるくらいに青ざめた。


「そ、そうねえ、いいわよ、サインくらいなら。」


一気に掌を返しやがった。

あ゛ー。なんかこう言うのムカつくんだよなぁ。

まあここは我慢だ。俺は我慢強い(笑)男なのだ。


サインを貰った俺は「失礼しましたー。」と言って家を出た。


ああ、これが後10件か。

クエスト破棄すると金取られるし、頑張ってこなそう。

全く気分転換になりそうじゃないな。
















「はーっ。やっと終わったー。」


クエストをすべて終えた俺はギルドで休んでいた。

辛かった。貴族は見下すは商人は友好関係を求められるわ大変だった。

特に商人に交渉を求められた時はキツかった。

個人的に安く売って欲しいとかいう人が多かったのだが、

ここはネトゲで『転売先生』と言われた俺の実力を発揮してやった。

お陰でまけずには済んだ。

こういう所で値段を変えちゃうと後でクレームが面倒いんだ。


貴族は令嬢が「かわいー。」て言って撫でてきそうになって戦慄した。

俺は思わず女性恐怖症で後に下がったのだが、その前にその母さんが

令嬢の手を止めていた。

何でも『庶民のような汚いものに無闇に触れてはいけません!』だそうだ。


これにはカチンときたな。

どういう思考回路してんだ。


俺は全く気分転換にならなかったせいで重い気持ちを引きづりながら

また煙玉制作作業に入ることにした。

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