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81話 俺氏は平穏を望む。

「くっそおおおお!!!!食べ損ねたぁ!」


「何で僕等を起こさなかったんだ!」


「ハッハッハッハッハ!!ざまあみろ!!俺みたいに精力的に活動する奴にはこういう見返りがあるのさ!」


煙玉を作りまくった日の夜。

俺は予定通り二人を皆の目の前で悔しがらせた。


「確かにあれが食えないのは残念だな……。ドンマイだ、ギル、シュウ。」


「と言うか私達が食べたかったよ、兎は。」


「つーか誰かロイドの性格が可笑しくなっているのにはツッコめよ。」



先輩方もウンウン頷いている。

て、最後のはなんだ。

アハハハハハ。た、ただのノリに決まっているじゃないか……………。



「よし、ロイド!明日も狩ろう!!!」


「そうだよ!もう一回あのやり方で!」


「残念だがあいつら個体数が少ないのと繁殖能力は低いから乱獲しちゃいけないそうだ。」


「しかも飼育できないんだよな、あいつ。」


「人が触ろうとすると高速移動するからねえ。」


「「なんてこった!!!!」」



項垂れるシュウとギルを見て俺は非常に満足していた。

借金も既に無くなったし、むしろ黒字だし、実績も上がったし、

二人をおちょくれたし、旨い肉も食えた。


これで満足しない奴があるか。


俺は相等体から喜びオーラを出していたと思う。




―――――――――いきなりドアからノックが聞こえてくるまでは。


―――――――――コンコン。



「うわあああああああああ!ガルムだ!ロイド!

早くドアを開けて助けてくれぇぇぇぇぇ!」



ドアから聞こえてきた声に俺達は戦慄する。

まさか魔物の襲撃か?

いや、でもガルムさんBランクだよな?

彼が手こずるような魔物なら警報とか鳴るはず。


そんなことを考えていると外からドタドタドタドタと足音が聞こえた。


もうヤケだ!開けてやる!

俺は未だ現実に戻っていない皆を無視してドアを開けた。


「「「煙玉をくれえエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」」」



ドアをから雪崩のように入ってくる冒険者約15名。

彼らが口々に「煙玉ぁ」と叫んでいるという光景に、

思わず俺は腰を抜かしてしまった。


こりゃあ「青◯」を超える怖さだ、うん。
















家に雪崩れ込んできた冒険者達はちょうど帰ってきた先生が

『アース・ホール』を大規模に発動してできたでっかい落とし穴に

落下することでやっと落ち着いた。


頭をぶつけないと落ち着かないとかガチで脳筋か。

俺も前世では戦闘狂とか言われてたがここまで酷くなかったぞ。



「えーと、とりあえず皆の目的は煙玉でいいよな?」


「「「勿論だ!!!」」」



てか今日まで誰も俺の所に来なかったのに何でいきなり今日になって皆

押しかけてくるんだよ。


「ガルムさん、何あった?」


「俺はただ単にお前が作った煙玉をすぐ売っただけなんだがよ、

それがいきなり売った奴の命を救ったんだよ。

今まで煙玉ってそこまで有用じゃないと思われたようなんだが、

助かったソイツが喜びのあまり皆に言いふらしたんだ。

そしたら皆目の色を変えてさ。

つまり俺は何も悪くn」


「で、そのまんまガルムさんが尋問されて、俺が作ったことを吐いたと?」


「仕方がなかったんだ!目の前に金印のエールがあったんだ!

これを見せつけられて吐かない奴が居るか!」


「クハハハハ!Bランクもその程度ってことだ!」



そのドヤ顔とセリフがすげーうざい。

つーかダメだ。本格的にダメだこの人達。

脳筋と酒に溺れるオッサン軍団。碌な奴じゃない雰囲気がプンプンするぜ。


けどまあ。


「はぁ……。

じゃあ迷惑料も追加で一個25万メルで売るよ。

明日になったらギルドで売ることにするが、それでいいよな?。」



俺の知識が人の命を救えるんだったらそら嬉しいわな。

例えそれが酒好き脳筋共であっても。



「「「よっしゃああああああああああ!!!!!!!」」」



やっぱり現代知識はこういうふうに使わないとな。


一気に距離が縮まった俺達は冒険者行きつけの酒場に行き、飲み明かした。

全員が脳筋であった分、凄い楽しかった。

俺は夕飯を食った後にたらふく食ったために少々吐いたが。


因みに、俺等が留守の間に近所迷惑だのこーだので文句が来たそうだ。


お、俺は何も悪く無いからな!

遂にお気に入りが300を超えたっ…………………!

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