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79話 【朗報】 異世界の兎めちゃくちゃ美味い。

フッフッフ。今日こそ兎、貴様らを狩り尽くしてやる!!!


俺は昨日と同じように兎の肉のクエストを受けた。

いや、昨日と同じではないな。

今日は兎の肉のクエストを2つ受けた。


二つ目を受けた時にグランさんから


「お前、10体も狩れんのか?」


と言われたが、余裕だ。

シュウとギル、俺のFPSで鍛えた目を持ってすればいける。


先ずは昨日見つけた兎スポットに行くとしよう。














ぴょん。ぴょん。ぴょん。



「すげー!兎多っ!」


「静かにしろ阿呆!」


ギルがいきなり大声を上げたので俺はびっくりして口を塞いだ。

逃げたらどうすんだ。

一応『リフレクトハイド』は使っているが声までは防げねえぞ。

ギルがおとなしくなったのを確認して俺は魔手を合体させたまま薄くし、

地面と間隔を開けて兎スポットをを囲むように展開した。

コイツが今日の要だ。


そして、次。


「シュウ、ギル。ここの近くで兎を思いっきり追いかけてくれ。」


「何かよくわかんねえけどわかった。」


「了解。」


「んじゃ、行ってきてくれ。」


俺は『リフレクトハイド』を解除し、二人を送り出した。




シュウとギルは手始めにお互いに一番近い所にいた兎を追いかけ始めた。


勿論兎は例の高速移動で躱す。

が、二人はまだ子供なので、ムキになって更に追いかける。

捕まる瞬間にまた兎が高速移動をする。


このままではイタチごっこなのだが、こちらには俺の展開した罠がある。


シュウが追いかけていた兎がもう一度逃げようと跳躍した所で、

その兎は俺の展開している魔手の縁に触れてしまう。


その瞬間、俺は必殺の念を込めて魔手をギロチンのように落とした。



――――――ザシュッ!!!



「っ!」



目の前で見ていたシュウから声にならない悲鳴が上がる。

まあ当たり前だ。目の前でいきなり兎が死ぬんだし。

軽くホラーだ。


いやー、やっぱり空中なら躱せないという俺の予想はあたったみたいだな。

漫画の賜だ。


そして、シュウはそのまんま俺の方を見てきた。。

俺がサムズアップをするとシュウは納得したのか次の兎を追いかけ始めた。


ギルは何のことかわかってなかったようだが、あいつが追いかけていた兎に同じことをしたら理解したようだ。















2時間後。


「はぁ、はぁ。」


「死ぬ………………。くっそ疲れたぜ………………!」


「ハッハッハ♪大漁大漁~♪」



草原に倒れこむ少年二人と、嬉々として肉を捌きまくる少年一人がいたとか

いなかったとか。



















「グランさーん!16羽分兎の肉手に入ったぞ!!!!!」




俺は未だニコニコしながらギルドに戻るなりそう叫んだ。

するとギルドにいた冒険者たちは殴りあう(じゃれあう)のをやめ、

一斉に俺の方に顔を向けた。


そしてカウンターに向かって意気揚々と歩く俺に集まってくる。

というか兎の肉に集まってきた感じだな。



「お前どんだけ狩ってんだー!?まだ3時間しか経ってねえぞ!?」



グランさんが身を乗り出し叫ぶ。


「ガハハハハハハハ!!!まあいいじゃねえか!こんだけ兎の肉がありゃあ

いい酒の摘みになるぜぇ!」


「「「黙れクソギルマス!!!」」」


何故かギルマス(m9(^Д^)プギャー)までいる。

ほんと暇だな。

いや、サボってるだけか。



「とりあえずさっさとこっち来い!」


グランさんが俺を呼んできたので俺は走った。

するとそれに呼応するように冒険者達も走ってくる。


怖い怖い。おっさん(約20名)に追いかけられるとか誰得だよまじで。



カウンターまで走りきった俺は早速兎の肉16羽分をドン、とおいた。

因みにシュウとギルは「疲れたー」と家に戻った。



「本当に兎の肉だな……………。

で、クエストに納品するのは10羽分だが、残りの6羽分はどうすんだ?」


「んなこと言われてもなぁ。普通だったらどうするんだ?」


「自分で使うかギルドに買ってもらうかだな。どうする?」



後ろにいる冒険者(ギルマスを含む)が殺気を出して俺を睨む。

俺等に寄越せ、と目が語っているぜ。


「えーと、じゃあこれをここにいる全員に振る舞おうかな…………!?」




「「「きたあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」





するとどこからかはわからないかは分からないがでっかい鍋が出てきて、

野菜が出てきた。

更には薪まで配置され、火魔法を轟々と出している冒険者が現れた。




…………………………。


どんだけ準備が速いんだ。

俺の思考が追いついた時にはもう既に俺の持っている兎を放り投げるだけ、

という段階まで準備が終わっていた。


俺は何気に自分がまだ昼飯を食っていないことを思い出し、兎の肉を鍋に

投入した。


それからはもうみんなハイテンションで鍋をかっさらっていく。

俺も食ったが、中々に美味かった。

肉は柔らかいんだが、舌に味が残る。

しかも噛んでも噛んでも肉汁が止まらない。

これは確かに盛り上がるわ。


シュウ、ギル。メッチャドンマイ。

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