6話 拾われたったwwwwwww
遅れました。
目が覚めた。多分転生してから1番良い目覚めだろう。なんたって自然に起きれたからな。
今までの目が覚めた理由って生まれた時を除けばドアの音と足音だけ
だからな。本当に気持ちがいい。
そう喜びながら、俺は寝ているうちに入ってしまっていた布から顔を出す。
今昼かな―みたいなことを考えながら視線が布から出た瞬間、俺は驚いた。
フッフッフッ。
はっはっは~。
俺は気が狂ったように(内心で)笑った。声に出せないのがもどかしい。
何が起きたかって?聞いてビビるなよ?
俺の目の前には――
――――――――――天井があったのだ。
(知らない天井だ……。)
決まり文句も忘れない。というか、本当に声が出せないもがもどかしい。
これなら俺が狂いかけた(?)のも理解できるだろう。
つまり、俺は今建物の中にいる。建物には大抵人がいる。
ということは!
(多分俺、拾われたんだ~)
もう嬉しすぎて涙がでる。神様ありがとう。
信仰心超薄めで神様の敵っぽい魔王に転生させられた俺が言っていいのか
わからないけどな。
ここまで喜びの海に浸ると、俺は今まで通りにちゃっかり切り替えて
現状把握をする。
1、今俺は白くボロイ部屋にいる。
2、ベッドが非常に硬い。あと布団がない。
3、なぜかまだ布の中にいる。
4、あの時のミルクをまだ俺は持っている。
なんか部屋のレポートが中心になってしまったが、俺はこの場所を
孤児院に似てるな、と感じた。もしかしたら孤児院かもしれない。
あとは大事なことはこの部屋には他に赤ん坊が一人いることくらいだな。
俺よりもでかい。当たり前か。俺転生してからほとんど経ってないし。
それにしても暇だ。寝る前までの生きることに必死だった時間が嘘みたい
に感じる。人間ってやっぱり建物の中だと安心するんだな。
それにしてもなんで拾われたんだろう。やっぱり狼に当てたフラッシュが
他の人の目に入って誰かがここに連れて来てくれたのかなあ。
そうだとしたら俺は中々良い判断をしたな。ナイス、俺。
やっぱり魔力は持っててよかったな。
よし、決まった。この時間を魔力の鍛錬に使ってみよう。
「ロイドくんの第1回魔力鍛錬講座!」
この元ネタ知っている人いんのかな。いたら俺と同類だな。
それはさておきまずは黙想をして魔力を感じる。
……………………お?
今までは気分が高揚してたり必死だったから気づかなかったけど、
俺の魔力には今まで使ってきた大きな流れが一つあって、分岐したように
3つの小さな流れがあるようだ。
これはいいネタだな。暇つぶしには最適だ。
そう思い、小さな流れの一つに集中する。
まずは右手に流れの方向を変える。なぜ右手に拘るかって?
ちょっとした厨二心だよ。言わせないでくれ。
次は、魔力を圧縮する。
うおっ!こっちは結構厳しい。大きい流れなら楽だったのに。
でもできないことはない。ずっと繰り返していると段々慣れてきた。
次は現状でできる最終段階だ。
つまり、魔力を球状しながら空気中に出すこと、である。
が、こちらは見事に失敗した。
空気中に出た瞬間、魔力が拡散してしまったのだ。
しかしここで諦めてはいけない。
人生とは諦めないことで広がるのだ。
14年+αしか生きてないおまえが言うなって?そんなつれないことは頼むから言わないでくれ。
ともかく、俺はこの鍛錬を繰り返すことにする。
鍛錬を始めて約3時間が経過した所で、俺はついに成功させた。
遂に、小さな流れを球状にすることに成功したのだ。
それにしてもすごいな、俺の魔力量。こんだけやっても疲れが来ない。
これもチートの力なのかもしれないな。どこが個性的なチートだ魔王。
いや、個性的なチートを求めていたわけではないがちょっと面白みが足りないぞ。
それは置いておこう。あとは圧縮していた魔力を前回同様解放するだけだ。
今回も前回同様フラッシュが発生するのだろうか。
だとしたらヤバイな。黙想しながら解放しよう。
こちらロイド。解放準備整いました。次の指示を。
ちょっとふざけてみる。今なら慣れてきたので少しふざけても大丈夫なようになってきた。やったね。
この魔力が開放されたら何が起きるんだろう。そんな期待を抱きながら
魔力を解放した。
結果は………………光は出なかった。
が、あるものは出た。
それは人の体に潤いをもたらし、人の体の実に60%を占めるもの―――――
――――――――――すなわち、水である。
ロイド君浮かれてますね。