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74話 あれ?なんかデジャヴが…………

「よし、気合も入った所でクエストを受けてみろ。

ほれ、これがGランクの仕事だ。」


「おおお!!!!メッチャ燃えてくる!!

さあ来いクエスト!」


「やってやろうじゃねえか!」


「何か二人がすんごい燃えてる!?」


さて、気合も入ったしクエストを見よう。



・掃除をお願い!


ほうほう成る程。このクエストではモンスター(汚れ)を討伐するんだな。


・猫を探してください。


これはあれか、レアエナミーである『(混沌を喰らいしもの)』を探すクエストか。


・大工の手伝い、求む!


へえ。これは誰かさんの家(人類最後の砦)を建てる手伝いか。



…………………etc。



「討伐系が一個もねえ!?」


そして、内容がショボイ!!!!


「当たり前だろ。つかGランクの討伐系なんてネズミかゴキブリくらいだ。」


そうかそうか。ゴキブリか。つまりヒードラn(ry


「ということは、これらを受けまくってFランクに上がらないと討伐系は受けられない!?」


「まあ、Fランクでも兎の討伐とかそんなもんだが…………。

まあ、基本的にはそうだな。」


「わかった。よーくわかった。

ギル、シュウ。全力でクエストをこなすぞ。

3人で分かれて行動だ。いいな?」


「了解!」


「ま、まぁいっか。」


「てことで、グランさん、この掃除のヤツ8個と荷物運びのヤツを6個。」


「そんなに出来るのか?」


「余裕余裕。」


「わかった。これがこの街全域を表した地図だ。全員持っとけ。」


「「「サンキュ!(ありがとう!)」」」


「俺はさっきに行ってくっからな!


「了解!」


「んで、ギル、シュウ。お前らは何を受けるんだ?」


「俺はこの荷物運びの奴3個と大工の手伝い2つだな!」


「うーん。じゃあ僕はこの薬草探しかなぁ。」


「わかった。がんばれよ!」


「はい!(おう!)」














「すみませーん。掃除に来ました!」


「あらあら!本当に来てくれたの!じゃあ、早速お願いできる?」


「勿論です!あ、あとついでにいらない布と新聞紙ってありますか?」


「勿論あるけど…………?布はともかく新聞紙は掃除に使うの?」


「はい!僕にはオリジナルの掃除法があるので!」


というか、この世界に新聞があって良かった。

フッフッフ。現代JAPAN流掃除を見せてやる。


「はい。持ってきたわよ?」


「有難うございます。では。此処から先は僕一人でやるので。

ゆっくりしていて下さい。」


「そう?じゃあ遠慮なく寝かせてもらうわ。終わったら教えてね?」


「はい。」


お婆さんが居なくなると同時に俺は新聞紙を『アクア・ムイ』で濡らし、

破いてそこら辺に投げた。


その間に俺は窓、壁を『ウィンド・ブースト』をかけながら高速で拭いていく。

俺が掃除系と荷物運びを選んだのは『ウィンド・ブースト』が

あるからだ。こんな俺だが、スピードだけには自信があるからな。


さて、もうそろそろいいかな。

俺は今度は布を少し濡らし、全力雑巾がけを開始した。

新聞紙のお陰でだいぶ埃はとれている。

よって俺は現在少しくらい雑にやっても大丈夫なようになっている。










ふぅ。終わった。

この家はあまり大きくなかったお陰ですぐ終わった。


「おばあさーん!終わりましたよ!」


「!?あら。凄いわねぇ。はい、じゃ、これ。」


そう言うと、お婆さんは俺にサインの書かれた紙をくれた。

これでクエスト達成てことかな。


「お邪魔しました―!」


よし、次。














「どうも。助かったわい。」


「お邪魔しました―!」


よし、最後の掃除終了。

朝早くから来てたお陰で未だ3時。

後は一気に荷物運び。7時までには終わらせよう。


俺は依頼主のいる工房に向かった。










カーン!カーン!

ボオオオオオオ!


工房についた俺は工房の炎に目を奪われた。

綺麗だ。すごい綺麗な炎だ。

科学部で何回も火はつけたが、今眼の前にある炎は他のどんな炎をよりも綺麗だ。

なんというか、魂が篭っている。

まるで人間によって育てられたかのような炎なのだ。

思わず唾を飲み込む。

凄い。もっと見たい!

そう感じて炎に顔を近づける。


「おいおい、危ないぜ?」


「!!」


振り返ると、ゴツイおっさんがいた。

おい、俺はなんかおっさんとよく会うスキルでも持ってんのか。

さっきからゴツイオッサンとしか会ってねえぞ。


「すみません、なんか炎が素晴らしかったもので………。」


そう言うとオッサンは非常に嬉しそうな顔をした。

オッサンの笑顔って誰得だよ。


「おうおう!そうか!そうだろう!この炎は俺が3年掛けて育てたからなぁ!

今となっちゃあ相棒だぜぇ!

で、何でここに来たんだ?見学か?」


「いえ、クエストで来ました。」


「おお、坊主は冒険者か!ならそこにある剣を地図でいうここの家に立てかけてこい。」


オッサンは地図を指さしながら言った。

そういえば剣てどんな感じのやつなんだろう。

興味をもった俺はこれから運ぶ剣に視線を向けた。

その瞬間、また感動で頭がいっぱいになった。


「こ、これはっ………………!


すごい大剣だっ!一切無駄がない!このフォルム!この柄!

何より剣から漏れ出る魔力!凄い!」


大剣の実物を見るのは初めてだけど、これが凄いことだけはわかる。

フィルムに無駄がない。

空気抵抗を極限まで受けないようなフォルムだ。

しかも雷属性魔力まで漏れている。


「おおおお!わかるか、わかるかぁ!わかってくれる奴がいたか!

俺は感動したァァァァァァ!!!!!!!」


「おっさん!」


「なんだ!」


「大事に運ばせてもらいます!!!!!」


「気に入った!坊主の名前はなんだっ?」


「ロイド!」


「よし!ロイド!武器に困ったら俺の所に来い!あと、これが達成書だ!」


「有り難うございます!!!」


「では行って来い!」


「ラジャー!」


いやあ、いいおっさんだった。

あれだけの綺麗な炎と少女漫画並みに輝く大剣を作ってるんだ。

悪い人なわけがない!

えーと、工房の名前は『サイクロプスの巣窟』か。

覚えておこう。また炎見たいし。

俺は重そうな大剣を魔手で丁寧に包み込んで運んだ。

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