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73話 俺氏、冒険者になる

カウンターに戻った俺達は、直ぐ様シュウとギルを探した。


「でさー。その時シュウの奴躓いて頭から思いっきり水を入れた石の箱に突っ込んだんだぜ!全くドジだよな!」


「何でそれ言うの!?言わないでってあれだけ言ったのに!」


「「「ハッハッハ!」」」


え、凄え。

なんかおっさん3人と交流を深めてるんだけど。

てか、シュウが石に思いっきり頭をぶつけたことには誰も突っ込まないのな。


「あ!ロイド!大丈夫だった?

さっきそのお兄さんに連れて行かれたようだけど。」


「大丈夫。ギルマスのせいでなんか疲れたけど大丈夫。」


「あのクソギルマスを相手にしたのか?

そりゃ疲れるわな!」


「「「ハッハッハ!」」」


「ギルマスのこと全然わかんねえけど、とりあえず楽しい人なんだな!」


いや、ギル。全く楽しくないぞ。疲れるだけだ。


「いや、あれはただの働かない化け物だな。」


「確か別名が『清掃員泣かせ』じゃなかったか?」


「現役時代は『絶対防御(アンブレイク)』だったのにな。」


「しかもあの人雑用は俺等受付にやらせるし。

マジでギルマスやめて冒険者にもどれや。」


「「「すげーわかるわ!」」」


もうある意味すごいわ。

どんだけギルマス(m9(^Д^)プギャー)は怠けてんだよ。

もうニートだな。それで金が貰えるんだからムカつく。


「さて、お前らがシュウとギルだよな。

冒険者登録するからちょっと来い。」


「おっ!遂にか!待ってたぜ!」


「ねえ、お兄さん、大丈夫だよね?金とか必要ないよね?」


「いらんいらん。称号、加護、名前、年齢、性別これさえ教えてもらえれば

もう登録できる。ほれ。さっさと来い。」


そう言ってグランさんがギルとシュウを引っ張っていく。


俺もカウンターに行こうとした途端、後から呼び止められた。


「おい、ウィルの弟子。」


「?」


「冒険者として困ることがあったら俺等に言ってくれ!

俺等のパーティ名は『ヘカトンケイル』。ランクはCだ。」


成る程、三人のデカイおっさんで構成されているからか。

『ヘカトンケイル』。覚えておこう。


「ありがとう!是非とも頼らせてもらうよ!」


「おう!」


何か拳を突き出されたので俺も拳を突き出して拳をぶつけた。


「引き止めて悪かったな!俺等はこれからクエストに行く。

じゃあな!」


「じゃあな!」


俺は今度こそカウンターに向かった。














「お前らマジでバケモン揃いだな!」


石に触れたギルの情報を見てまたグランさんが叫んでいた。


どうやらやっぱりギルにも加護があったらしい。

称号がなかったけど。


戦の神アレスの加護


身体能力、第六感の向上。


成る程、あの神レベルの勘は加護だったのか。



「はあ。で、名前と年齢は?性別はきかなくてもいいよな。」


「えっと、名前はギル。9歳だ!」


「了解。ほれ、これがギルドカードだ。」


「おおお!かっけええ!でも色がなぁ。茶色だぜ?ダサくね?」


「大丈夫だ。ランクが上がれば色も変わる。

あと、これを読んどけ。」


「かーっ!俺、文字なんて読めねえよ!」


「そういや、普通はそうだったな。

三人の登録が終わったら説明してやる。

さて、次はお前だ。」


次に、シュウが石に触れる。

すると、グランさんのさっきまでの軽いノリが消えた。


「『同情』!?お前、一体過去に何があった!?」


「………………!」


シュウが体をビクリと震わせる。


「しかも悲劇の神メルポメネーの同情!!!!

くっ!なんてこった。いいぞ、すまない。話さなくていい。

よし、じゃ、称号を見るか。」


「ちょっと待った!同情ってなんだ?加護じゃないのか?」


「同情か……………。

一応、加護ではある。けどな、加護を得た理由が違う。

まず、加護ってのは特定の人間を神が気に入った時につくものだ。

が、これには派生がある。

『同情』や『気まぐれ』とか色々ある。

んで、『同情』てのはあまりの酷さに神が同情した時に付けられる物だ。

しかも同情したのが悲劇の神メルポメネー。

つまり、コイツは昔壮大な悲しい過去があった、て訳だ。」




「「……………………。」」


俺とギルは黙った。

普通に俺等が首を突っ込んでいい問題じゃない。

ていうか、シュウに会った時に

「僕はあまり話したくない事情があるから。あんまし触れないで。」と

言われたな。そのことか。


「ま、まあ、ここは話を変えて称号を見よう。

えーっと?『暴虐の限りを耐えきった者』!?」


また静まり返る。

いや、シュウ。お前ホントやばかったんだな………………。


「……………………。名前と年齢を教えてくれ。」


ここはもう触れないことにした。

ここだけは触れちゃいけない。絶対。


「シュウ。9歳。」


「わかった。これがギルドカードだ。」


俺はシュウのギルドカードを見てみた。



シュウ 9歳 男 Gランク


加護


悲劇の神メルポメネーの同情


不幸に対する耐性が上昇

自分に害をなすものに対し、耐性を得る。


称号


暴虐の限りを耐えきった者


物理耐性、魔法耐性が上がる。



全部耐性系か。

道理で剣を腕で止めきるわけだ。




「最後、ロイドだな。確か8歳で合ってるよな?」


「それでいい。加護と称号はさっき石に触れたからもういいだろ?」


「ああ。コイツがギルドカードだ。」



ロイド 8歳 男 Gランク


加護


魔法と潔白の神イシスの加護


魔法習得速度が超上昇

魔法の威力が微量上昇


色恋沙汰に巻き込まれにくくなる


ちょ!?リンさんの件は!?あれ、見方を変えれば色恋沙汰だよな!?

思いっきり巻き込まれてんじゃねえかチクショー!


称号


巨人の友


土魔法が上昇

体の頑丈さが微量アップ


勇者との死闘を制したもの


光魔法が上昇



いやー。我ながらちょっとチートだわ。

というか、何これ。見てて楽しいんだけど。




「最後にパーティー登録だ。

メンバーはロイド、シュウ、ギルでいいな?」


「「「うん!(勿論!)」」」


「パーティーリーダーは誰にする?」


「ロイドで。」


「ロイドでいいよ。」


「満場一致!?まあ、いいや。じゃあ俺がリーダーで。」


「了解。最後だ。パーティー名は何にする?」


「「「!!!」」」


そうだ。パーティー名。考えてなかった。


どうせ異世界のことだし、ちょっとした厨二ネームなら許されるだろう。

その瞬間、俺の頭脳が一つの名前を考えついた。


「うーん。『規格外の孤児イレギュラーオルフェン』てのはどうだ?」


「おお!かっけえ!」


「いいね!なんか凄くジーンとくる!」


「因みにだが、意味は?」


「規格外の孤児っつう意味だ。」


「そうか、お前ら確か孤児だったんだよなぁ………。


よし!これで冒険者登録は終わりだ!

おめでとう!」


「「「よっしゃああ!」」」



やっと冒険者になれた……………。

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