72話 ギルマス(m9(^Д^)プギャー)(((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
えー。現状の俺の認識をまとめるとこうなる。
・先生により、俺の魔手は結構有名。
と言うか他に使えるのが先生しかいないらしい。
・同様に光属性もクアトロもバレている。
教会が狙っている可能性もあるので気をつけるように。
・あと異常な魔法習得速度は知られていない。
まあ、イシスの加護のお陰だったぽいが。
・攻撃魔法が使えない、というのはまだ一部の人しか知らない。
グランさんは知っていたようだが。
・煙玉などはリーユさん経由でバレている。
通りであんなに急かされたわけだ。
後は俺がてっきりあとは5年位したら来るもんだと思っていたらしいのと、
ソースとなった人たちは全員冒険者たちの巧妙な罠に
嵌っただけなので責めないでほしいと言われた。
酒こわし。
どうやら『巨人の友』と『勇者との死闘を制したもの』については
聞くとヤバイことになりますよ?と言ったら聞かないでくれた。
因みに、称号というのには能力アップの効果があるようで、
『巨人の友』は土属性が少し増加と体が少し頑丈になる。
『勇者との死闘を制したもの』は光属性が少し強くなるらしい。
全く気づかなかったぜ。
と、ここまで一気に話してくれたグランさんは一旦休憩している。
あのギルマス(m9(^Д^)プギャー)を蹴ったり踏んだりした時に結構
足が痛かったらしい。
『ヘイレン』で直したら感謝された。
というか蹴ったほうが痛くなるとかどんだけギルマスは頑丈なんだよ。
何でも現役時代、ドラゴンの攻撃を一人で受け続けたらしい。
化け物だな。今は酒飲み惰眠家だけど。
休憩が終わった所で今度は冒険者の説明だ。
「これから冒険者の説明に入るが、まず冒険者の仕事が何かはわかるか?」
「魔物の討伐とか、雑用とか?」
「まあそんな感じでいい。
まず、雑用はそのまんま町の人の雑用をしてあげることだな。
主に掃除とか肉体労働が多い。
魔物討伐は治安維持のために魔物を討伐することだな。
一応熊のような凶暴な動物も狩る。
こっちは結構稼げるぞ。
魔物から出る魔石とか素材を売って金にするといい。」
魔石?それってまさか………。
「魔石って、これのこと?」
俺は狼を殺した時に得た石を取り出した。
「これはっ…………!?」
そう言うとグランさんはポケットからなんか変な道具を取り出すと
石を観察する。
「これは魔石だな。
しかもDランクの『ダークウルフ』のものだ。よく仕留めたな。」
「Dランク?」
「ああ、ランクの説明がまだだったな。
ランクっていうのは簡単に言うと冒険者の強さを表すものだな。
表にするとこんな感じだ。」
そう言って紙を俺に渡す。
読んでみるとそこにはランクの目安が書かれていた。
・Gランク
最低ランク。
戦闘力は約15歳の男性並み。
仕事は雑用のみ。
・Fランク
動物の討伐が入ってくる。
戦闘力は成人男性並み。
・Eランク
モンスターの討伐が入ってくる。
戦闘力は魔物で言うとゴブリン2体並み。
・Dランク
モンスターの強さが上がる。
戦闘力はエリートゴブリン並み。
・Cランク
モンスターの強さが上がり、護衛依頼、遠征に行けるようになる。
戦闘力はエリートホブゴブリン並み。
・Bランク
ここまで来ると尊敬されるレベル。
戦闘力は中級の悪魔並。
・Aランク
Aランクが一人増える度に街中に噂が流れるレベル。
戦闘力は上級の悪魔が一体倒せるレベル。
ここまで来ると人間をやめていると言ってもいい。
・Sランク
化け物。
現在生きているのは3人のみ。
ドラゴンを一人で相手できる。上手くいけば倒せる。
なんと、あの酒飲み惰眠家はSランクらしい。
そんな気配、一ミリもしないが。
・SSランク
到達したのは歴代勇者と冒険者ギルド創設者のみ。
二人いれば魔王が倒せるらしい。
というか、魔王って今まで何回か討伐されているんだな。
でその度に復活してるってか。きりないわ。
まあ、俺としては魔王に恩があるしあんまり死んでほしくないんだが。
読みきって、俺はグランさんに一つ質問した。
「あれ、ウィルさんとリーユさんの今のランクって?」
「ウィルはBランクだな。
でも、アイツ冒険者なってから10年も立ってないからな。
かなり速い。
リーユは…………ああ、あの風魔法女か。
ええと、アイツは確かCランク成り立てだったな。」
おお、流石。先生中級の悪魔倒せるんかい。
結構凄いんだな。
対して、俺はどうだろうか。
一応勇者に勝ったが、それは勇者の仲間に入れたいが故の手加減と
おっさんがいてこその勝利。
せいぜい火薬を使ったとしてもCランクくらいじゃないだろうか。
十分すごいんだろうけど。
チート持ちとしては少し気に食わないってのもあるなぁ。
「ていうか、やっぱり字は読めるんだな。
幼児にあるまじき頭脳を持つ、て言ってたけど本当のことだったか。」
え、ちょ!?試されてたの!?クソッ!引っ掛かった!
第一、紙に書いて渡す必要なかったしな。
口頭で伝えれば済む話だった。
うわあああ。いや、別に賢いと思われても得しか無いが。なんか悔しい。
落ち込んでいる俺を尻目にグランさんは次の説明に入る。
「そういえば、お前、パーティーは組むのか?」
「うん。さっき会ったと思うけど、シュウって奴とギルって奴。」
「おい、一つ聞くが、その二人はお前に釣り合うか?
お前、言っちまうとかなりの天才だぞ?
もしかしたらその二人が潰れるかもしれない。」
「大丈夫。
シュウは腕で剣を止めるほど頑丈だし、ギルは物凄い勘がいいし、亜人だから身体能力が高い。」
「全員化けもんかよ!?
ワリィ、取り乱した。とりあえず、何か称号か加護を持っている、と考えたほうが妥当だな。
とりあえず、こんなもんか。一旦カウンターに戻るぞ。
正式に冒険者登録をしてやる。」
「了解。」
「あ、そうだ。一つ言い忘れていた。」
「ん?」
「お前さ、その口調ちょっと無理してないか?」
ギクッ。何故バレたし。
「いや、敬語だとここでは固そうだし、だからといっていきなりフランクに
行くのも出来ないなぁ、と思って。」
「意外と繊細だな、お前。
ま、安心しろ。もっとフランクにいって大丈夫だ。
自分の本来の口調で思いっきり話すといいぜ。」
あれ、コイツ優しくね?
と俺が気づいたが、言わないことにした。
「どうも。んじゃ、冒険者登録を頼む!」
「おう!」