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70話 くっそ!中々冒険者になれねえ!?

俺の勢いのいい声とは裏腹に、周りのゴツイ冒険者達は静まり返った。

一応ここは広いから、あくまで俺の周りだけだけど。


多分静まり返った理由は俺がてっきり冒険者の見学にでも来てるんだろうとか

思っていたからじゃないだろうか。


「おいおい、坊主にはまだここはまだ早いと思うぜぇ?

せいぜい行くなら商人ギルドにしておくべきだと思うぞ。

まあ、あっちでもまだ早いって言われそうだけどな。ハッハッハ!」


その中の一人のおっちゃんが謎に笑いながら俺に近づいてくる。


「いや、でも俺にはここ(冒険者ギルド)に入らないといけないんだ。

商人ギルドに入ってもこんなボロっちい服じゃあ相手にして貰えないさ。」


マジレスだな、うん。

俺もただ単に憧れがある、という理由だけで冒険者になったわけじゃない。

俺の手札を考えた上で冒険者を選んだのだ。

最初はこのおっちゃんが言う通り商人になるのもいいと思ったのだが、

ネックは俺の服だ。

自分で作っておきながら言うのは何だが、この服はボロい。

商売では店主のイメージも大事なのでこれは非常にマズイ。

一応技術に関しては、ネトゲで『転売の達人』と呼ばれていたくらいなので

仕入れも売るのもそこまで心配はないが。


逆に、冒険者は非常に俺に適している。

というか、チートが結構戦闘特化してると思う。

しかもこっちではあまり服とか気にしなさそうだし。

年齢は気にしてたけど。


なんてつらつら考えていると、周りが今笑っていることに気がついた。

何だ?俺の返答がウケたのか?


「おうおう、そうかそうか。

でもまぁ、それでも冒険者はやめといたほうがいいぜ?

これより強い一撃をモンスターから喰らうからなぁ!」



――――――ヒュッ。


俺に向かって拳が振り落とされる。

だいぶ手加減しているようだが、絶対にあれは痛い。


(マジックガード)


――――――ガーン!


「いっ!?」


拳と『マジックガード』が盛大にぶつかり合い、とても人の拳から出る

ようなものじゃない音が出た。

てか、おっちゃん。痛そうだな。そして、驚いているな。


一瞬止まっていた周りの冒険者達がまた動き出す。

「今のは何だ?」「今の『マジックガード』じゃね?」「いや、でも詠唱してねえぞ?」「まさか、無詠唱?」「無詠唱な訳………あっ。」


又もや一人のおっちゃんが人混みから出て来る。

今度はなんだろう。蹴られるんだろうか。

だが、負けるなロイド!夢に向かって挫けずはしr「ちょっといいか?」


――――――コクッ。


俺は頷いた。


「お前、まさかとは思うがウィルの弟子じゃねえよな?」


え、何、先生の弟子ってそんなレアなの?


「あ、ウィルさんは俺の先生です。」


途端にシンと静まる周りの冒険者達。

俺なんかマズイこと言ったかなぁと思った途端。



「「「よっしゃあああああああああああああ!!!!!!!!!!」」」


叫びだした。

更に周りの冒険者達が俺に近寄ってきて俺をもみくちゃにする。

中には煙玉をくれだの色々聞こえるが、あいにく俺はとてもそんなことが

出来る状況にない。


ていうか、何がどうなってんだ!?

て、おい!シュウもギルも何傍観してんだよ!助けろよ!


この状況は俺がぶっ倒れるまで続いた。














くっそ、おっちゃんに揉みくちゃにされるとかまじ誰得だよ………。


俺はその場にぶっ倒れながら独りで愚痴る。

が、冒険者の方達は非常に満足した様子で俺の噂を広めている。


先生は一体何をしてくれたってんだ……………。


俺はまた愚痴りながらも立ち上がり、カウンターに手をかけた。


「今度こそ、冒険者登録お願いします……………。」


「お、おう。大変だったな……………。

とりあえずは、この石に触れてくれ。」


目付きの悪い兄ちゃんに慰めてもらいながら、俺は差し出された石に手を

触れた。

これはあれだろう、定番のステータスが見えるあれだろう。


「へえ、イシスの加護……………。

ってマジか!?魔法と潔白の神イシスの加護か!?

称号もやばくね!?なんだよ、『巨人の友』って!?」


目付きの悪い兄ちゃんが目付きが悪いまま慌てだした。

へー。この石って加護と称号が見えるんだ……………。って


「俺、加護持ってたの!?」


こっちのほうが驚きだわ。

俺のチートはそんなのまであったのかい。

フッ。我ながら恐ろしいぜ………………。


顔を上げると、目付きの悪い兄ちゃんがフルフル震えていた。


「えっと、だ、大丈夫?」


「あと、一つものすんごい気になる称号があるんだが。」


震えた声で兄ちゃんが言う。お、おう。何だ?



「何だ、この『勇者との死闘を制した者』てのは!?

こりゃもうギルマスにみせるしかないわ!!!!」


「ちょ、ギル、シュウ!?お前らさっきから傍観しかしてねえぞ!?

さっさと助けろぉぉぉ!!!」


俺は首根っこを掴まれながら引きづられていった。


あれ、この人意外と力ある?いや、俺が小さいだけか。

最近マイコンジャーからIHジャーに変えました。


IHジャーいとやばし。

メッチャ米が美味いです。

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