68話 冒険者に、俺はなる!
俺は挨拶をした後、シュウとギルの紹介をした。
それと、ここに泊めてくれるか聞いた所、「いいよ。」とサックリ
許可してもらえた。
部屋は大きな部屋が一部屋貰えた。
何でもここには他の孤児も住んでるらしい。
因みに、当分の間は食事付きでもある。やったぜ。
さて、やっと質問に入れる。
「先生、一応色々聞きたいことがあるんですけど、
まず先生の呼ばれ方が節約魔術師てどういうことですか?」
先生が節約魔術師と聞いた途端バツの悪そうな顔をした。
「いや、今僕さ、冒険者やってるんだけど僕の概念魔法と戦闘法が効率重視だったんだよ。
そしたら冒険者でもそれなりに有名になっちゃって。
あ、後ロイドの使ってた魔手も多少使えるようになったおかげでもっと有名になっちゃったんだよ。」
冒険者やってたんだ、先生。
それにしても魔手って、魔力の手のことか?
いいな、その呼び方。俺もこれからその呼び方に変更しよう。
あれ、そういえば魔手ってだれでも使えるわけじゃないのな。
ただ単に思考を分割して魔力を操るだけなんだけど。
「ということは、家の前に並んでいる貴族さん達は先生を雇いたいとか思って並んでいるんですか?」
「察しが速いね。まあ、そういうことだよ。
普通の冒険者は気性が荒いんだけど、僕はそこまで荒くないから。
多分そういうところも貴族達に評価されているんだと思う。
僕はあまり縛られたくないから何度も断っているんだけどね……………。
本当懲りないよ、あの人達。」
まあ、そんな良物件がいたら貴族も食い付くわな。
それを断り続けられる先生もすごいと思う。
「大変ですねぇ……………。」
「真面目にそう思うよ……………。」
「「zzzzzzzzz」」
思わず本気で同情する俺とため息を吐いた先生は、ここでシュウとギルが寝てることに気がついた。
よくよく考えてみると、もう既に外が暗くなっていることに気がついた。
まあ、朝っぱらから結構活動したし、眠くなるのもしかたがないな。
先生にも手伝ってもらい、シュウとギルをさっき貸してもらえた大部屋に
運んだ後、リビングで二人で話そうとした時。
「「「ただいまー!!!」」」
「!!!????」
元孤児の人が帰ってきたようだ。
うわあ、すんごい久しぶりな顔がたくさんある。
5人もいるとは。やっぱり昔の縁てのは続くもんなんだな。
ていうか、メッチャ皆汚れてるんだけど。何してたんだろ?
「あれ?お前、ロイドかあ?」
「あ、ホントだ!『卒業の儀』を終えたんだね!」
「あれ、確かまだ8歳だったよな。早すぎだろ!?」
皆違う反応をしてくれる。
「あ、久しぶりです。今日からここでお世話になるロイドです。
一応、シュウとギルという二人の仲間がいるので、明日紹介します。」
頭を下げながら俺は早口で喋った。
「堅い堅い!もっと気楽になろうぜ!」
「そうだよ!私達は冒険者なんだ!そんなノリでこられちゃあ困るよ!」
ちょ、肩をそんなビシバシ叩かないでくれ。
痛い、痛いから!
「いや、でもこれ簡単に治るもんじゃないんで。
しばらくはこんな口調で行きますよ。」
「はぁ…………。ま、ここに暮らしてちゃ段々変わるんじゃないかな。
僕は口調が変わらなかったけどね。」
「ハッハッハ!やっぱりウィルは頑固だな!」
「「それ、頑固って言わねえ!?」」
しまった、思わず突っ込んでしまった。
さっきまで口調が変えない云々言ってたのに早速変わってる。
おい、そこ、ガッツポーズするな。
「「「ただいまー。」」」
こんな阿呆みたいな騒ぎをしていると、更に他の元孤児も帰ってきた。
あれ、あの人は…………。
「ロイド君!?何でここに!?」
「えっと、『卒業の儀』を終えたんで今日来ました。」
リーユさんだった。
デカイ。胸じゃなくて身長が。
俺より40センチは高いんじゃないか?
しかも背中に大剣をしょっているせいで余計デカく見える。
「あ、ロイド、これでここに住んでいる人は全員だから。
因みに、全員今は冒険者をやっている。
汚れてたり物騒なものを持っているのはそのせいだよ。」
これで全員か。多いな。
俺とギルとシュウを含めて12人もいる。
通りで家がデカイわけだ。
「で、ロイドはこの後どうすんだ?衣食住一応揃ったろ。
わかってるとは思うが、仕事を探さないといけないぜ?
冒険者を始めるなら手伝ってやるが。」
でっかい盾を持った兄ちゃんに後ろから聞かれる。
仕事か。それならもう決まっている。
俺は振り返り、宣言するように
「冒険者に、俺はなる!」
言った。