表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/407

66話 俺氏、街に入る

2章始めました。

さて、今俺の眼の前に広がっている光景は説明しよう。


石で出来た巨大な城壁に、門がポッカリと出来ていてその中から賑やかな

街が見える、と言った具合だ。


いやぁ、ワクワクしてきた。

街に入ったら何しよう。とりあえず、砂糖を換金して飯にありつこう。

今まで野菜をそのまんま食うとかぐらいしかしてなかったから、

滅茶苦茶楽しみなのだ。

因みに、前世の俺の味覚はもう失われている。

この世界の食事に慣れまくったせいだ。

ま、とりあえずは飯だ、飯。


はっ、いかんいかん。

これでは思考がギルと大して変わらない。


「シュウ、ギル日が暮れる前に宿を取りたい。

早速町に入ろうぜ!」


「「おう!(うん!)」」


まずはボーっとしていた二人の意識を現実に戻した。

こいつらも俺と同じような妄想でもしてたのだろうか。


まあいいや。さっさと町に入ろう。

フッフッフ。楽しみでニヤニヤが止まらないぜぇ!


とりあえずは、門の前にできている行列に混ざりますか。













「入ってよし!次!」


門の前で兵士たちが次々と街へ入る人の検査をしている。

ふう、どうやら金は払わなくてもいいようだ。助かった。

検査されるのは主に持ち物と罪人であるかどうか、だな。


街に入るための行列に並びながら、俺は観察し、そう見切りをつけた。


よし、一応俺等は盗みをしているが、指名手配状とかは出てないだろう。

そうなると気がかりなのは持ち物だ。

煙玉、石鹸あたりはこの世界にはないものだし、マズイかもしれない。

第一、ボロい服を着ている小柄な子供が持っていていいものじゃない。


あ、そうだ。これらは全部先生への贈り物で、俺等はそれを運ぶ人

という設定で行こう。

まさか先生がもうすでに此処を去っているなんてことはないだろう。


とりあえず二人には小声でこの旨を伝えておこう。


「シュウ、ギル。

ちょっと俺等の持ち物がこれから検査されるんだが、俺等には

ヤバイものが結構あるだろ?さすがに俺等みたいな格好をしている子供が

こんなヤバイものを持っていると警戒されるかもしれない。

そこでこれらを全部ウィルさんへの贈り物ってことにする。

いいな?」


「了解。」


「オッケー!」


おい、ギル。折角俺が小声で話してんだから大声出すなよ。


その後、俺等は街の中に入った後のことを想像しながら話した。

いやー、それぞれの性格がホント表れていた。


シュウは仕事を探す、ギルは飯、俺は先生やリーユさんに挨拶に行く。


うん、見事にバラバラだ。

が、ここは俺がここぞとばかりに説得した。

シュウには「挨拶に行った時にウィルさんたちから仕事が紹介されるかもしれないぞ!」

ギルには「挨拶に行った時にウィルさん達がねぎらいになんか食わせてくれるかもしれないぞ!」

といった所、二人はどちらも俺の案におkした。


なんて考えてるうちに俺等の出番が来た。

でっかい鎧を着た兵士が俺等に寄ってきた。


「次!その袋の中身を見せてくれ!」


俺等は言われたとおりに袋の中身を見せる。

案の定、兵士は石鹸等などに目をつけ、取り出した。


「なんだこれは!」


「「この街にいるウィルさんに渡すものです!」」


シュウとギルがハモらせながら言った。

おいおい、嘘をつく時にそんな前々から準備してるみたいに言っちゃ駄目だって。

俺は心のなかであっちゃーと呟いた。



「!この格好に、節約魔術師(エコノミーマジシャン)ウィル!?

成る程、どういうことか。入ってよし!」


はああああああああ!!!????

今、俺の中では疑問符がダンスしている。

どういうこっちゃ!?訳わからんぞ!?

えっと、どうやら先生の名前と俺等の格好が決め手になったぽいけど、

それ以外は訳わからん!

それよりなんだよ、節約魔術師(エコノミーマジシャン)ウィルって!?

あの方中二特有の病気でも持っていたの!?


俺の頭がパンクしそうになっている中、シュウとギルがガッツポーズをしていた。

本人たちは自分たちの嘘で通れた思っているのだろう。

いや、違うから。むしろピンチになったから。


俺は色々と頭が痛くなりながらも、とりあえずは街には入れたことを喜ぶことにした。


はぁ。それより、先生の居場所を聞いたほうが懸命か。

俺は何処か大きい施設に行き、先生について話を聞いてまわろうと決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ