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57話 対勇者 3

目が覚めると、俺は薄暗い部屋の中で黒炎に囲まれ、寝ていた。


………………。


「!?」


黒炎!?あの漫画とかでよくある!?

てかどういう原理だよ、真っ黒な炎て。ホントに炎か?

そう考えて手を近づけると、案の定熱かった。


…………………。


「で、ここはどこだ?」


当然、返事はない。

とりあえず周りを見てみよう。

俺は起き上がり、周りを見始める。


うーん。円状に黒炎があって突破できないな。

と思ったら人一人が通れるくらいの小さな道を発見。


俺はその道を進むことにした。









5分ほど歩いていると、突然真っ白に光る扉を見つけた。

押してみるが、ビクともしない。

魔力の手を展開しても駄目だった。

あれ、そういや、昔に似たようなことがあったような気がする。


押して駄目なら引いてみな。


引いてみると、えらく簡単に開いた。

すると、視界が突然ひらける。

さっきまで薄暗い場所にいたので、今見ている景色が嫌に眩しい。


目が明るさに慣れてきた俺が見た光景は、壮絶なものだった。


まず、目の前に巨人。そして、光る翼と全身が光りまくってる人。

そんな二人と、何やら黒いもんを吹き出しまくっている俺が殴りあってる所だった。訳わからん。


まず、巨人。けっして進○の巨人みたいなやつではなく、ゴーレムみたいな感じだ。服みたいなのも着ている。あれは、確かリーダーのものだ。

あれか?気を失う前の声からしてあの巨人はリーダーなのかもしれない。

うおい、エ○ンか。巨人に変身とか。

しかも約5メートル。大きさだけはパクリじゃないようだ。


次に、全身光って翼が生えている人間。顔からして勇者だろう。

あれ?怒りが湧いてこない。ていうか、怒りが湧く度に吸い取られてくるような気がする。

まあいいや。とりあえずこの勇者、スピードがパナイ。

俺だと目で追うのが精一杯だ。速過ぎる。

何故か俺の体は反応してるが。

ていうか飛べないんだな、コイツ。


最後に、俺。

まず、体が勝手に動いている。なんか擽ったいような気がする。

そして、現在俺の耳には俺の言葉以外音が入ってきていない。

なんだか目だけの生き物になったような感覚だ。

因みに、現実での俺の体は黒いオーラみたいのが取り巻いていて、身体能力がやばくなっている。

素手で戦っているのだが、拳速で黒い衝撃波が発生、

キックで雷と炎が渦巻くように飛んで行く。我ながら怖いぜ。


さて、戦闘の場景に視線を戻すと相変わらず巨人と俺の共闘によって勇者が押されている。いいぞ、もっとやれ。


俺のパンチと衝撃を勇者は翼で防ぎ、そのまま剣を横薙ぎにするが

それは巨人の手がうまくブロック。手に傷がついたようだが、擦り傷程度。

その隙に俺は懐に潜り込み、アッパー。

が、黒いオーラは勇者の全身から出る光るオーラでかき消される。

拳だけが顎に当たるが、当たる瞬間にどうやらジャンプし衝撃を減らしたようだ。そのまま勇者は翼で滑空。滑空は出来るんかい。


空中から勇者は剣から『クレッセントスラッシュ』を飛ばしてきた。

が、巨人がそれを握りつぶす。いいタンクだな、コイツ。

その間に俺はキックで炎と雷を飛ばし勇者の翼に当てる。

ほとんどが翼に直撃し、落下する勇者。

そのまま追い打ちを掛ける俺と巨人。

俺が蹴り上げ、巨人は横から張り手。


決まった!俺は確信した。

翼はもう防御できる体勢ではなく、剣でも防げるのは一つだけ。

これで勝つる!状態だ。


が、そうはならなかった。

『セイクリッドガード』で防がれたのだ。

いや、正確には防いでいない。

俺らの攻撃は『セイクリッドガード』を突き破った。

しかし、その瞬間、勇者が消えた(・・・)


「「!?」」


どういうこっちゃ!?

いや、消えるってえ、何?『リフレクトハイド』的なやつ!?

いや、でも姿が消えてもあの至近距離じゃ俺らの攻撃は避けられない。

つまり、転移か。『ルーラ』!的な。

でも、だとしたら当分は襲ってこないだろう。

もう元に戻っていいよ、おっさん。ありがとな。


俺はドアの内側に戻り、黒炎に向かって話しかけた。

が、返事が来ない。

訳が分からずドアの外側に顔を出す。

すると、現実での俺は急に近くにある建物に攻撃し始めた。


おいちょっと!待てやおっさん何やってんだよ!

非難の声を浴びせるが、全く耳に入ってない様子で壊していく。

ちょっと待て、巨人(リーダー)なら止められるんじゃないか?


が、視線を巨人に戻して俺はビックリした。

既に人間の状態に戻っている。しかも、気絶している。

こりゃ本格的にマズイ。

試しにドアの中へ戻り床とかに色々攻撃してみるが、効果なし。


そうだ、この中でも魔法が使えるかもしれない。

試しに魔力球を出すと、普通に出せた。

とりあえず光と水を出しておこう。黒炎に効きそうだ。

そのまま魔力球を押し付けると、黒炎が少し全体的に弱まった。

どうやら光の魔力球だけは効いたようだ。

一度ドアの向かう側へ視線を戻すと、黒いオーラが少し減っている。

黒炎を消しきればいいのか!と俺は判断し、作業に移った。















「これで、どうだっ!」


黒炎を消し終えた俺は、思わずその場にへたり込む。大変だった。

さて、現実の俺はどうなったかな?

重い腰を上げ、ドアの向こう側に視線を戻した俺は安堵した。

黒いオーラが消えている。拳にも力がなくなり、体力切れでもしたのか

その場にさっきの俺同様へたりこんだ。

よし、上手く行った。

俺はもう一度さっきまで黒炎があった所に話しかけた。


「元に戻してくれよ、おっさん。」


『仕方がない。いいだろう。』


俺は、現実世界に戻る。

次は反省会です。

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