46話 蘇生魔法が効かない・・・・・・だと!?
リーダーも元に戻ってきた俺は、早速報告をした。
ふう。疲れた。震える足に『ヘイレン』をかけまくりながら来たから
足がプルプルしてる。
「ここ以外の場所は完成しました!」
さっき断られた所を地図を広げ、指を指しながらにこやかに報告した。
「何でそこだけやってないんだ?」
少々怒ってる感じの声でリーダーが質問する。
まあ、普通なら怒るよな。
「いや、信用できないだとか巻き込まれたら困る等と言われたので。
要するに、追い返されたんです。」
本当のことを混ぜた嘘はバレにくいって言うし。多分納得する。
「そうなのか……………?まあ、わかった。休んでいいぞ。」
よっしゃああああ!!やっと休める!
俺は足が小鹿状態なのを忘れてスキップしようとしたため、その場にすっ転んだ。後ろから「可愛かった…………ゲフンゲフン」なんて聞こえたけど、
多分空耳だろう。この基地にそんな変な人が居るわけがない!
ていうか、元中二としては、可愛いなんて言わないで欲しいんだが。
「あ、起きた?」
さっき俺が起きた場所に戻ると、案の定フィル達がいた。
「ロイド、もう大丈夫なのか?」
「だから言ったろ?俺の勘が大丈夫だって告げてるって!」
「いや、かなりうなされてたから。あれで大丈夫なんて言い切れる人なんて
ギルぐらいだよ。」
え、俺そんなにうなされてたのか?もしかしたら俺の体があのくらい空間に
居ることに拒否反応を起こしていたのかもしれない。
よくよく考えたらあのおっさん危険だったし。
「俺、そんなにうなされていたのか?」
「うん。「やっちまったぁぁぁぁぁ」だとか、「もうしません許してくださいぃぃぃ」だとか。何を謝ってたの?」
違った。黒色火薬の反省をしてたみたいだ。
第一、なんだよ、「俺の体が拒否反応を起こしている!」って。
まんま中二病のセリフかテストやりたくない人間のセリフじゃないか。
いや、俺の場合中二病か。
「あれだ、副隊長に最後投げつけたものがあっただろ?
あれは本来人に向かって投げちゃいけないものだったんだが、
俺は投げてしまったんだ。だから、多分反省していたんだと思う。」
「あの最後に爆発したやつ?」
「そう、これ。」
黒色火薬をポケットから出して見せた。
「なんて名前だ?」
「黒色火薬ってんだ。因みに、爆発する時に出る煙は少し有害だからな。
むやみに吸わないほうが良い。」
「え……………。俺吸っちゃった…………。」
フィルが青ざめた。この世の終わりだ………、なんて言いそうなくらい。
「だ、大丈夫だって!大量に吸ったらマズイけど!」
「いや、大量に吸っちゃったんだよ!」
「マジかよ!多分大丈夫だろうけど、一応ヘイレン掛けとく!」
あの煙って吸い過ぎると中毒引き起こすんだよな……………。
少量ならせきが出るくらいですむらしいけど。
「いやあ、フィルもあんなに慌てることがあるんだねぇ。」
しみじみとシュウがつぶやく。おばさんの次は爺さんか、とツッコミそうになった。
「いや、明るくなっただけじゃね?昔から苦労してるし。」
多分、苦労してるのはお前らのせいだと思うんだけどな、俺は。
「あああぁぁぁ。やっちまったぁぁぁぁぁ。」
案の定フィルの耳には届いていないようだ。
てか、うなされていた時の俺がここで再現されとる。
「もう大丈夫だから。『ヘイレン』もかけ終わったよ。」
返事がないただの屍のようだ。
蘇生魔法とか効かないパターンだろうかこれは。
顔を覗くと、ちびまる子ちゃん風の青い線が見えるような気がした。
ひとまずなんかいつも以上に落ち込んでいるフィルは置いといて、
「3人はなにか仕事しろとか言われてないのか?」
「え?5歳以下はやらなくていいんだぜ?
フィルは疲れているから例外らしいけどな。
あれ?何でロイド落ち込んでいるんだ?」
俺、働かなくても良かったのかよ!クルトが頭を下げた理由もわかったような気がする。
「いや、俺は働かされたんだけどな………………。」
「な、なんかごめん…………。ゆっくり休んでよ。」
「そうだよ。何ならもう一回寝たら?」
更に俺のガラスのハートが傷ついてくる。
「俺はそう簡単に眠れないんだよ………………。」
「「………………………。」」
ロイドは、倒れた!
まあ、その後『スリープ』を水属性の人にかけてもらったから普通に寝れたけど。
28話の新足歩行術云云の設定を消しました。
さすがに中二病が過ぎたかなぁと。失敗しました。