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41話 ケイドロ ~7~

「ふぁああ。ついに今日でこの張り詰めた毎日ともお別れか……………。」


昨日はずっと平和だった。一昨日みたいに襲われても困るのだが、

まあお陰で色々なサインを決めることが出来た。


という訳で、(どういう訳だ)今日は三日目。

遂にこの精神的に参りそうにな日々ともお別れだ。

今日さえ逃げ切れば、あと5年位は安泰だろう。


とりあえず、例の門番が居眠りから脱出する前に3人を起こさなければ。

さすがに、シュウに見張りをしてもらうのは酷だったようだ。

ぐっすり寝ちまってる。警備兵に見つからなくて良かった。


「おーい。起きろー。(アンチスリープ!)(アンチスリープ!)(アンチスリープ!)」


「あ!寝ちゃったよ!」


「ふう。今日で最後か…………。」


「あと10分…………。ZZZ…………。」


おい。ギル。寝るな。起きろ。

ていうか、今気づいたけど魔法を打ち破る眠気を持っているとかなにげに凄いと思う。俺に眠気を4割くらい譲って欲しいくらいだ。


「はぁ。またコイツを引きずっていくのか………。」


「いや、大丈夫。取って置きの方法を考えた。

おーい。起きないと飯抜きだぞ―。」


「な!そいつはマズイ!」ガバッ!


凄い。めっちゃ単純だ。なるほど、コイツの中では睡眠欲<食欲なのか。

いいことを教えてもらった。ありがとう、シュウおばさん。





ギルが起きたので、俺達は実にのんびりとスラムを歩いている。

勿論『リフレクトハイド』は使っている。

因みに、裏道は門から近くにあるので魔力切れは起こらない。


一応、警備兵の二人組を今見つけたが、別にこちらを気にしているふうでは

なく、お互いに世間話(?)をしているようだったので、こっそり離れた。

それにしても片方の人は左目に眼帯をしてたな。独眼竜みたいな?

なんかすんげえ気迫があった。


何故走ってすぐ逃げないかって?

走っちゃえば砂煙が立つ。一歩間違えば逆にバレるかもしれないので、走らないことにしたのだ。これは昨日決めたことである。


が、裏道の入り口が見えてきたので、少し足を速めた。

その瞬間、フィルが足元にあったバナナの皮で滑った。


「「「あっ………………。」」」


4人全員の声が被った。


――――――ドスン。


勿論俺から手を離したので、『リフレクトハイド』は発現していない。

急いでフィルが俺に触れるが、もう遅かった。


「副隊長!奴らですぜ!あいつらがニールセンの言ってた『姿を隠す奴ら』

じゃないですか?」


「ああ。多分それだろう。奴らを追う!大体の見当はついた!」


「ういす!」


あちゃ~。眼帯のしてる方は噂の副隊長だったのか。

バナナといい副隊長といい、運悪すぎだろ俺ら。


多分場所はもうバレているので、『リフレクトハイド』は打ち切る。

全員に急いで『ウィンド・ブースト』をかけ、急いで逃げ出した。


「っ!皆っ!ごめんっ!」


「今はいいから逃げることに専念しろ!」


そう言いながら急いで火打ち石で煙玉に火をつける。

念の為『マジックサーチャー』を使うと、雷と土の魔力持ちだった。

風属性がないことに安堵しながら、俺は後ろ向きに煙玉を投下した。


「これか!噂に聞いていた煙玉とは!」


―――――――スパッ!


切った!?煙玉を!?これなら7人もこいつに捕まるのに納得出来る。


「ロイド!前!」


シュウの言葉に慌てて前を向く。

壁が、一昨日の戦いを思いださせるかのようにそびえ立っていた。


「くっ!」


だが、安心出来ることもあった。どうやら一人は置いてけぼりに出来たようだ。これで4対1。少しは勝率が上がった。


「ふむ。面白い魔法を使うな。姿を消す、か。概念魔法かな?」


突然、話しかけられた。


「何でわざわざ言わないといけない。」


「まあ確かにいう筋合いはないだろうな。

それと、お前さん『ロイド』と言う奴だろう?」


副隊長はポケットから紙を出しながら問いかけてきた。

ヘイルさんの資料か。

それにしてもどうしたんだ?いきなり問いかけてきて。


「あっ…………。しまった!皆!コイツさっきのやつが来るまで

時間稼ぎするきだぞ!」


「ほう………。気付いたか。たしかにこの資料に書いてある通り頭は良いようだ。」


「副隊長!遅れてすみません!」


チッ!来やがったか。これで4対2。キツイな。


「さて、ロイドといったな。儂らに降伏せんか?

さすればお前さんには警備兵での地位を、そこの三人にはここから逃げられる権利をやろう。」


が、副隊長が突きつけてきたのは剣ではなく、言葉の誘惑だった。



次でケイドロもラストです。

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