39話 ケイドロ ~5~
ちょっと短いです。
拠点(最初の裏通りに名前をつけてみたおw)に戻ってきた俺達は
さすがに腹が減っていたので遅い昼飯を食うことにした。
「ひゃー。今日は滅茶苦茶ヒヤヒヤした一日だったぜ~。」
ギルがキャベツを齧りながらぼやく。
「俺はとにかく驚きまくったよ。特になんだよ、あのシュウの硬さは。
予想外もいいところだぜ。」
剣を体で止めるんだぞ?しかもあの剣て『マジックガード』を破壊する
威力があったし。俺の魔法は生身の人間に負けたのかよ。
「あの時、僕超痛かったんだけど。ギル、ああいうのはもうやめてよ。」
「まあ、いいじゃん。お陰でロイドが助かったんだし。」
シュウがいなかったら『幻影一閃』が直撃だったからなぁ。
それにしても、あれの原理を教えてほしいわ。
「確かにロイドは助かったけどさ、なんか釈然としないんだよ………。」
「釈然としないのは俺もだよ。皆がドンパチやらかしている横で
ただ煙玉を投げるタイミングを計っていただけだったんだから。」
フィルも悔しそうな顔でトマトを一気に頬張る。
「なんかもう反省会みたいだな。」
「ハンセイカイ?間違っているってことか?」
成る程。反正解てことか。って何処が成る程なんだよ。わけわからん。
「反省会てのは一年のよかった所や悪かったことを振り返って
次へ繋げる会だな。」
「ほええ。なんともめんどくさそうな会だぜ。やりたくねえ。」
「いや、誰もやろうなんて行ってねえだろ。」
「勘が告げてたからな!これから『反省会』をやるかもしれないって!」
「大丈夫。俺はやる気ないから。フィルもシュウもやらないよな!」
二人を一応見る。
―――――キラキラキラッ!
そんなに目で広島の某野球選手を表さなくていいぞ。うん。
ってまさかお前ら…………。
「「やろうよ(ぜ)、反省会!」」
ずいっと二人で前にでてきた。
当然、俺とギルのけぞる感じになる。
――――――ゴン!
「いってえええ!」
ギルがそのまま頭を壁にぶつける。
「……………。」
「「……………………。」」
「やめようぜ?反省会。」
「「そうだね。ボソッ」」
なんだろう、この空気。
「いでぇぇぇぇぇ。」
ギルも未だ頭を抱えているし。とりあえず、(ヘイレン)。
さて、話題を変えたほうがいいな。
「そうだ。フィル、明日はどうする予定なんだ?」
「予定も何もないよ。出来るだけ体力を温存して、逃げ切るだけ。
取り締まりは3日間位の期間をぶっ続けでやり通すから、後2日だな。」
「じゃあ、夜は北西の門、日中はここに居るってことでいいか?」
「うん。今日と同じでいいと思う。」
「後は食料だな。さすがにこの量じゃ3日は持たない。」
「何!飯が足りない!?」
お、ぼーっとしてたギルがめっちゃ反応してる。
「お、おう。見た感じ明日の分までしかねえな。」
「よし!ちょっと盗ってくる!」
「ちょ、おま!?」
そんなに焦ることじゃねえから!それに………
「俺、農園持ってるぞ!」
――――ズサッ!
あ、すっ転んだ。
「先に言えよ!」
「いや、言おうと思ってたんだけどお前先に行っちゃったじゃん。」
「アハハハハハ!やっぱりギルほど食欲に忠実な奴はいないよ!」
「なんか凄え悔しい………。」
「という訳で、特に気をつけることもないな。のんびりしようぜ。」
「じゃあ僕は寝るよ。」
「俺も寝るわ。」
「睡眠欲パナイなこの二人!?」
てかよくよく考えたら俺らまだ幼稚園と小2か。
ギルとシュウがよく眠るのにも納得できる。
その割には皆精神年齢高いけどなぁ。
過酷な環境がそうせざるをえなくしたのだろうか。
「ロイド、『筋トレ』と『受け身』をやろうよ。」
フィルの言葉で現実に帰った。
「オッケー。今日は『スクワット』てのも追加するよ。」
この後、夜になってから俺達は北西の門へ向かい、何の問題もなく
一晩を過ごした。
何故だ!何故レートが100も下がる!