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エピローグ後編 変革者、ここに極まる。

――――《勇者ロイド》


この名を知らない者はいないだろう。

何千年と世界を蝕み続けた魔王を滅ぼし、文明のレベルを一人で500年追い上げた男だ。

しかし、その実体を深く知るものは少ない。

それは偏にその多様性にあるだろう。

彼は発明家であり、起業家であり、そして冒険者であった。

その一つ一つで多大な功績を残しているため、表面上でしか知らないのも無理はないと言える。


しかし、面白いことに、生前の彼を知るものは口をそろえてこう言う。

『忙しいやつだった』と。

彼の功績を年表にして並べるとわかるが、彼は毎年必ず何かを成し遂げていた。

常に新しいことに挑戦していたのである。


常識をぶち壊し続ける彼の姿勢は、当然反発も産んだようである。

今はなき『勇者教』、その残された資料によれば、彼の革新的技術は度々既存の利権と摩擦を起こしたという。今でこそ当たり前のように印刷技術が使われているが、これが写本を生業としていた者の生活を奪うなど、何事も順調には進まなかったようである。


また、本人が『勇者嫌い』であり、『貴族嫌い』であったため、諍いが絶えなかった。

長年に渡り騒動が絶えなかったことから、相当に頑固な男だったというのが通説だ。

貴族の友人は多く、彼自身『勇者』であるのだが………。

個人的には、彼自信が権力を嫌っていたのだと推察する。事実、彼の生きていた当時は貴族も教会も腐敗が進んでおり、これを改革したのもまた『勇者ロイド』である。


ある程度頑固なところはあったようだが、友人関係がかなり広かったのは有名な話だ。

人物眼の鋭い人物であったようで、彼の友人は尽く要職に就いている。彼の名がよく知られているのは、彼らに寄る所も大きいだろう。


だからだろうか。小さな反発を見ればキリはなかったようではあるが、大局的にみれば彼の行動は5年以内に必ず実を結んでいる。ただただ超人的な人物、と言う訳ではなく、人間的にも魅力があったようだ。


言うなれば、彼は『変革者』なのである。

既存の社会に真正面から殴り込み、急激に社会を発展させる。

人を変え世の中を変える。

彼はそういう人間なのである。


長くなってしまったので、この前置きを次の彼の名言で締めようと思う。


『立ち止まるな。例え諸君が道半ばで行き倒れようとも、その屍は次世代の足場となる。』




「だーっ!俺はこんなことを言った記憶はねえぞ!?」


俺は叫んだ。誰だこいつを書いたやつは。俺をいい感じに纏めてくれてやがると思えばすぐこれだよ。


「な、なんか本にあったのか?」


おっといけない。今の俺は死んだことになってるからな。

フードを深く被り直し、俺は口を開く。

………あーくそ、まだこの死霊術(ネクロマンシー)ってのは慣れねえなぁ。


「いや、なんでもないぜ、わりいな。ところでおっさん、これ何ギル?」


「ひゃ、150ギルだ。」


1500円か。ちくしょう、変に業突く張った値段しやがって。

俺はポケットから150ギルを出し、おっさんの手に乗せる。

その直後、しゅぼーっという音が聞こえた。


「おっ、きたきた。おっさん、あばよぅ!」


収納袋をくるくる回し、背中に担ぐ。

さて、楽しく世界一周と洒落込みますか。


俺は蒸気機関車に乗り込んだ。


しゅぼーっ!


白煙が青い空を埋め尽くす。


『支援特化な俺だが孤児から成り上ろうと思う』 これにて完結です。

ゆっくりゆっくりの更新でしたが、ここまで読んでいただいた方には感謝の言葉しかありません。


一応ですが、裏話/反省も割烹に載せました。以下URLです。

https://syosetu.com/userblogmanage/view/blogkey/1955216/


4年間ありがとうございました。



次作を頑張ろうと思って一応書いてたのですが、なんか思ってたのとちょっと違う……となったので別に気分良く書けるものを書いてます。受験期なのでかなりスローペース更新ですがよろしくおねがいします。

というわけでして、次作は『フロンティア!』になります。

冒険モノです。人外魔境をわくわく大冒険!?という話になる予定です。以下URLになります。

https://ncode.syosetu.com/n0350ev/1/


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