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36話 ケイドロ ~2~

くそ、大掃除さえなければ大晦日は完璧だったのに………!!!(地団駄)

案の定、門番達はぐっすり居眠り中だった。

寝言で「これ以上飲めないっすよぉぉぉ」なんて幸せなセリフを

吐いていたから当分起きないな、うん。


俺が安全報告すると、ギルとシュウはの◯太並のスピードで寝始めた。

ギルがそのまま寝言で「これ以上寝れねえよぉぉぉ」なんて言っていたが、

今寝てるだろお前、とツッコミそうになった。

シュウは寝言もないくらいにぐっすり眠っている。

俺もこんぐらい眠れば身長が伸びるかもしれない。眠れないけど。悔しい。


「で、フィルは寝ないのか?」


俺が気になっていたのはフィルだ。

フィルは寝ていない。俺が見張りやるから寝ていいぜ、て言ったんだが。


「どういうわけか今は眠くないんだ。取り締まりで緊張してるのかな。」


「へえ。でもフィルって取り締まりを体験するの2回めだよな?」


「そうだね。けど1回目の時は体験してないようなものだからさ。

そういうロイドは全ッ然緊張してないよな。」


「どういう訳か俺、狼の魔物に襲われたり貴族の館で命懸けの勝負をさせられたりしてるからかな。あ、後おっさんに追いかけられたりもしてるな。」


「あ、そういえば、狼の魔物に襲われた人の中に俺が居たの覚えてるか?」


「へ?」


ちょ、おま、何このカミングアウト。

しかも俺その時の記憶あんまりないんだよ!


「ロイド、絶対忘れてるよな?表情が物語ってるぞ。」


「スマン。忘れてた。てことは俺を誘ったのって狼との戦闘を見たから?」


「それもある。あとは、話してみたかったんだ。

1歳で集会に参加できたり、魔物を殺すような人物と。」


あちゃー。俺って昔ちょっと調子乗ってたな。それによくよく考えてみたら

確かに1歳で発言したり、戦闘が出来るとか異常だった。反省。


「……………………。」


「ついでに言うと、ロイドの知識も気になってた。

ほら、ギルとシュウは凄いけど俺は平凡だろ?

だからロイドの知識の知識の一部を貰えたらいいなって。

それで俺も強くなれたりするかもしれない。」


「成る程な。

うーん。俺から言えることって行ったら筋トレくらいかな。」


「筋トレ?」


「筋肉トレーニングのことだ。今から俺がやるのを真似してくれ。」


そう言って俺は腕立て伏せを始める。


「きっつ!これかなり体に来るねっ……………!」


「筋肉ってさ、いじめると強くなるんだよっ…………!

だからっ、こうやって筋肉をいじめるんだっ。」


腕立て30回を終わらせ、次は腹筋に入る。


「次は腹の筋肉を鍛える。これをすると、太りにくくなったり腹を壊しにくくしたりするんだ。」


「便秘とかも治るのか?」


「便秘になりにくくはなる。治りはしないと思うけど。」


腹筋30回を終え、次は背筋。


「これはなんか利点があるの?」


「特にはないかな。強いて言うなら体格が良くなる。」


「へえ。後は?」


「これを毎日するだけでも体が強くなるな。後は色んな所をとにかく走る、

とかだろうか。

後は、『柔道』という武道ぐらい。」


「『柔道』?何だそれ?」


「無手で戦うためのものかな。相手を投げたり、ふっとばされた時の痛みを

軽減する事ができる。」


「それも教えてくれ!」


「と言っても、床が柔らかい所でやらないと危ないし、

それに基礎をマスターするだけでも一年半は掛かる。」


「そうか………。確かにここの床は小石だらけだしね…。」


「まあ、でも『受け身』つうのなら教えるよ。

因みに『受け身』ってのは体に来る衝撃を和らげる動作のことね。

んじゃ、また俺を真似してくれ。」


そう言って蹲踞の姿勢から後受け身をとる。


―――――バシン!


「あと、頭は床に当てないように。これをしなかったら意味が無い。

言うの忘れていたけど、受け身をマスターするにはかなり時間が掛かる。

これも毎日練習してくれ。」


「わかった!」














『後受け身』と『横受け身』を教えて、朝になった所でシュウが起きた。


「あ、シュウ。おはよう。」


「おはよう。おかげで疲れがとれたよ。

それより、もうそろそろ門番の人も起きるだろうから

ギル起こしてどこかに移動しようよ。」


「そうだね。ギル起こすか。(アンチスリープ!)」


「ん?ふぁああ。ああ、もう朝か!良く寝たぜ!」


「よし、全員起きたし、移動しよう。どこに行く?」


「俺は普段農園にいるからわからないんだが、スラムの裏道とかがいいんじゃないのか?」


「そうだなぁ。でも、そういう所にはもう他の奴らがいるんじゃねえの?」


「とりあえずここから離れようよ。門番が起きたら僕達、捕まるし。」


「そうだな。一旦ダメ元でスラムの裏道に入ろう。話はそれからにしないか?」


「んじゃ、俺についてきてくれ。とっておきの場所がある。」


フィルが名乗り出る。

フィルって平凡がうんちゃらかんちゃら言ってたけど、こういうことに関しては優れてると思うな。あの時に言ってやればよかった。


ちょっと後悔しながら、俺はフィルについていった。



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