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341話 対魔王軍会議 1

「それでは、これから第3回魔王軍対策会議を始める!」


いかついおっさんがドーンと号令を発し、会議はスタートした。

だが、元々自由な雰囲気のギルドである。なので、発言は自由。順序もへったくれもない。


「まずは俺だな。」


『最強の魔法使い』が立ち上がった。

それに、周りから質問が飛んでくる。


「例の作戦を実行したと聞いた!」

「レーファを奪還したと言うが、しっかりと説明しろ!」


「まあ待て、俺の話したい順番で話すぞ。まずは、我々は情報源として魔族の男を手に入れた。」


おお、とあちこちから歓声が聞こえる。まあ、大きな一歩だよな。今回の魔王軍は実態すらわかっていないし。

ここで、一人の男が立ち上がった。


「その男は果たして本当に信用できる者なのか!?一歩間違えればその男が原因で人類は滅ぶのだぞ!」


うむ、まあそうだよな。俺ももしその立場だったら聞くよ。


「それに関してはこいつに聞いてくれ。それと、本人も連れてきている。」


ざわざわ、と会場がざわめく。魔族の戦闘力は半端ないからな。ただ、ここには世界最強のSランクが3人いる。暴れても間違いなく仕留められるだろう。


因みに、俺は参考人席的なのに座らされてる。


「それなら早くその魔族をここに連れてこい!今すぐにだ!」


めっちゃピリピリしてんな。


「そうだな。そうするとしよう。」


流石に変に刺激してまでもったいつけようとは思わなかったのか、素直に応じ、後ろの門番に合図を出した。


ブオン、と扉が開く。中から出てきたのは沢山の騎士に囲まれたギリアムだ。

噂に聞く黒翼、禍々しい魔力に観客がざわめいた。


「どういうことだ!」


ここで声を荒げたのはさっきからピリピリしている人。


「どうした、なんか変なことでもあったか?」


「何故拘束もなにもしていないのだ!あれは魔族だぞ!?この場の安全は考えていないのか貴様は!」


「こいつの魔石は割れている。それに、最低限の生活を保証する、というのがこの交渉の条件だ。」


「何故魔族の捕虜にそんな譲歩をする!拷問して吐かせればいいではないか!」


過激派だなぁ。まあ、魔族ってのは人類共通の敵だしな。会場の雰囲気もそんな感じだ。

そんな周りの反応に、『最強の魔法使い』は舌打ちをする。彼としてはちゃちゃっと話を進めたいのだろう。


「……………おい。お前は馬鹿か?」


「ば、馬鹿とはなんだ!」


結果として、彼は全力で喧嘩を売る。その身に纏う魔力は、浴びたもの全員に恐怖を叩きつけた。


「まず俺がいればこいつなど瞬殺だ。それに、拷問するより協力体制を取った方が効率がいいに決まってるだろうが。」


「相手は魔族だぞ!そんな軟なことを………「………それは。」


途中で言葉を遮る。


「俺の実力を舐めている、ということでいいか?」


世界最大の魔力量を抱える男が、その魔力をだだ漏れにする。


「ヒッ………!」


その暴力的な魔力に、戦闘慣れしてない者は顔が真っ青になる。


「おーし、その辺でやめとけー。」


それを止めたのはポテチを食いながらぼーっと聞いていた我らがギルドマスターだ。流石というべきか、完全にいつものペースだ。

ギルマスのお陰で、『世界最強の魔法使い』の魔力が収まる。案外この人も短気なんだよな。あっちもうざかったけど。


「……………。ではこれからこの男に質疑応答を行う。異論はないな?」


「な、ない…………。」


ふぅ、やっとこさここまで漕ぎ着けたぜ。
















「他に質問はあるか?ないなら俺は退出するぞ。」


3時間ほど経ったところで、ギリアムが周りに問う。最初は只々怯えていた人達も、最後は割りと臆することなく質問していた。中身が案外人間臭かっただろうか。とりあえず、ギリアムが皆に受け入れられるのは俺としてもホッとする。拉致ったの俺だし。


さて、ここで内容を再確認したい。


まず空間魔法。これが一番大事だ。箇条書すると、


・魔法の効果は繭を生み出し、空間をつなげるもの。

・魔力は光と闇、2つを必要とする。

・一度に送り出せる人数は5人。魔族は魔力回復が早いので一日に大体20人は送れる。

・繭の大きさには制限があるので、あまり大きなものは運べない。俺達を襲った男もケンタウロスだったらしく、そのせいで上半身だけだったそうだ。

・繭を破壊されると空間を繋げられなくなり、そこで切断が起きる。つまり俺達は繭をあの時破壊すればよかったわけだ。

・繭の生成は少々時間がかかる。タネが割れていれば実戦の中で対処するのはそこまで難しくはない。ただ、やはり奇襲にはもってこいだそうだ。


その他にも、いろんな魔族の能力が聞けた。あの陰険眼鏡野郎の話も聞けた。初見殺しのようなものも多々あったので、今回の会議はそれがわかっただけでも上々といえると思う。


それと、最後に大事なことを聞いた。


次占領する予定なのは、帝国。その中でも最も城塞都市に近い、王国との最前線を張る都市、クロップス。


ぶっちゃけ言うと、俺の育ったスラムのある都市だ。



今日から二週間ほど海外に行くので、もしかしたら投稿がないかもしれません。

出来るだけ投稿できるよう頑張ります………。

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