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313話 闘技祭に向けて 2

「お、ロイド帰ってきたよ!」


「おせえぞ!あ、それ新しい装備か?」


「さっきおっさんの所に引き取りに行ってた。」


「それで遅くなってたのか!いいなー、新しい装備!」


そう言いながらギルは『重力魔剣』を撫でた。因みに『餓狼牙』は彼の後ろに立て掛けてある。あれ、おいてあるだけなのに少し床に傷ついてる………?また血を吸いまくって切れ味良くなっちゃったとか……?


「ギルとシュウは装備はそのまんまってことか。」


「いや、防具は買い替えたぜ。武器はそのままだけどな。」


「性能的には全部問題ないしね。僕は『封土の盾(スヴェル)』が使いこなせるようになったから今まで使ってたのを捨てたけど、本当にそのくらいだよ。」


「半年であれが使えるようになったのか。」


「文字通り世界最強にたっぷり扱かれたからね………。」


「ん?でもなんで半年で切り上げたんだ?強くなる絶好のチャンスだろ。もっといても………。」


「闘技祭に出るためだぜッ!」


「………え?」


「今の実力を知るためにも闘技際でどこまでやれるか見てこい、って言われたんだよ。これから闘技祭に向けて特訓するとこ。」


「そうか、そうか、お前らも出んのか………。」


「どうかしたか?」


「いや、勝てるかなって。」


それを聞いたギルが、ニイっと笑う。


「なら闘技祭で戦おうぜ!そこで修行の成果を見せ合うってのはどうだ?」


「あ、それ僕も混ぜてよ!」


「いいな、それ。じゃあ、ビリっけつは皆の前で一発芸な。」


「え!?それ絶対みんな面白がって真似するやつだよ!?」


実際性根腐ってるやつが多いのでやりそうである。リーユさんと先生が唯一の良心まであるからな。


「嫌がるようなことじゃねえと罰ゲームになんねえだろ。」


「一発芸か!楽しそうだな!」


((いたよここにあまり嫌がってなさそうなやつ))


ギルはあはははーと笑いながら今度は『餓狼牙』を触っていた。お兄さんは弟分がどんどんバトルジャンキーに近づいて行ってて悲しいよ。俺年下だけど。


「そういえば、闘技祭っていつだっけ?正確には把握してないんだよね。」


「あ、やべあと3日じゃん。」


「え、ほんと?間に合うかな、準備………。でも今日は寝るとするかぁ………。」


対してシュウは色々考えているようだ。相変わらず対照的だなぁ………。


(………さて。)


俺も、明日から一気に仕込み(・・・)をするとするかな。とりあえず、今日はもう寝よう。
















「お、ロイドじゃねえか。昨日ぶりだな。」


ボッロボロにされたギルドだったが、素晴らしいスピードで修理されていた。

今も工具をガンガン鳴らしながら職人さんが頑張っている。


「グランさんもあんだけ怪我しといて休めないとか、災難だな。」


「仕方がねえだろ。ギルドは職員不足で喘いでいるし、だからと言ってギルドが休んじまうわけにもいかねえ。一応給料はいつもより出てるし、我慢して働くしかねえな。」


そう言ってただでさえ悪い目つきを更に細めながらはあ、と一つため息を付いた。


「で、今日は何をしに来た?」


「………やっぱり仕事したくないんじゃねえか。」


いやいやオーラが溢れでてるし。


「そりゃあったりまえだぜ、受付嬢二人がノックダウンして今3人でなんとか回してる状態だ。てめえら今日は働くな、家でゴロゴロしてろって言いたい。」


「でも闘技祭が近くてだな………。」


「それなんだよな………。しかも闘技祭主催者のギルマスが今衰弱状態でおねんねだ。本当にふざけんなよな、何が勇者だブラック企業製造機じゃねえか死ねえええええ!!!!!!」


またアンチ勇者が出来てしまったか………やったぜ。


「とりあえずだ、どっか空いてる場所を貸してほしい。色々爆発する実験するから割と広い所で。」


「んなもんどっか行って勝手にやってくりゃあ………て、そうかお前厄介なもん抱えてるもんな。

なら近くの丘でどうだ。あそこなら近いし大丈夫だぜ。」


「いいのか?あそこらへんはいっつも新参でいっぱいだろ。」


因みに、その丘とは懐かしの兎を狩った場所の近くである。


「安心しろ、闘技祭に向けて新参は掃除で大忙しだ。」


「グッド!」


ダー○ーさん並の渋いボイスで行こうとしたが、残念俺の声変わりはまだだった。


「じゃ、一応丘の上から動かないでくれよ?巻き添えで誰か怪我とかしたら大変だ。」


「安心してくれ、怪我したらすぐ治すから。」


「お前、マジでなんの実験をするつもりなんだ………?」


「闘技祭でのお楽しみだぜ。」


「そうかい、ま、頑張れ。」


「ほんとに元気ないな今日………。」


「ほっとけ。」


俺は、気怠げなグランさんを背に丘へと向かった。

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