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302話 装備新調 1

闘技場で自分の状態を確認した俺は、今の戦闘力を「大して変わらない」と結論づけた。

寧ろ遠距離の切り札も得て強化されたまである。

これで右腕がああなってたなら不味かったかもしれないけど、俺はオラオラも無駄無駄も殆どしないO○E PU○CH M○Nだったため、左腕ならさして問題はなかった。

という訳でまた『吸血鬼の洞窟』で訓練でもしようと思っていたのだが………。


「あそこでお前を監視できる人材がいない。」


「デスヨネー。」


アホみたいに強力なモンスターが際限なく出る場所である。

魔力回復量による持久力と光属性による相性の良さを併せ持つ俺ぐらいしか引きこもれないだろう。

いるとしたらAランク以上だ。だがAランクを監視にさせるほどの余裕はない。


「グランさん、俺の行動に制限が無いようにつったじゃねえか………。」


「それとこれとは話が別だ。」


「別なの!?」


「お前あの洞窟キラーみたいなもんだろ!」


「そ、そうだけどな……。」


なんで俺が逆ギレされてるんだってばよ………。


「せめてシュウかギルがいればいいんだが。」


「流石に帰ってこねえよな………。」


「あいつらならひょこっと帰ってきそうな感じもするが………。」


「あっ。」


ここで、俺は1つ閃いた。


「どうした?」


「装備の新調をすることにした。」


よくよく考えればずっとスライムの鎧だし、『白濁拳』に至ってはぶっ壊れやがった。

なんか最近は色んな魔道具があるらしいし、是非とも装備したい。


「そういえばお前の装備、一年前くらいから変わってないな。いや、別に一年くらい普通な冒険者なら同じ装備は使うが………。

お前の場合、金が恐ろしいほどあるしな。」


「そうなんだ………もうそろそろ落ち着くかなと思ってたら自転車がこの街を覆い尽くしてて絶望したぞ………。」


一瞬ここは大阪かどこかかと思ったぞ。


「そうだ、お前、お前が勝手に売り出した自転車のせいで自転車の追突事故の責任がどうたらとか駐輪がうざったらしいとか注文がギルドに来るんだよ。あれはどうにかならねえのか。」


「あっ。全然考えてなかった。」


よくよく考えればそうだ。というか俺はアホか。前世でもちょくちょくおきてたじゃないか。

でも俺に出来ることなんて殆どないよな………。

そうだ。


「じゃあ、土地買っておいてくれ。」


「お前の頭は一体何をどうしたらそんな結論を叩き出すんだ。」


「自転車を停める場所を作るんだよ。」


「なるほどな………。でも、もっといい方法があるぞ?」


「?」


首をかしげるが、思い浮かばない。いや、別に自分でも駐輪場を作ることがそんないい案とも思えないが……。


「もう既に自転車のメンテナンスをするような業者が現れ始めてな、あとは作る職人も含めて組合を設立したらしいんだ。」


「俺の許可もなしにか。」


「利益の一部を出せば売っていいってお前言っただろ?あの流れだ。」


「その流れでいいのか。」


「いいらしい。」


「そっか………。」


正直、この国のシステムもよくわからないしどうしようもない。

俺はこの世界に生まれて所詮まだ9年。色々と渦巻いている世界で20年とか生きてる商人に勝てるわけがない。


「でもって、その組合もそういうクレームを受けるようになって苦労しているわけだ。

そこでお前が自転車を停める場所を手配しろと言ってだな、ついでに資金援助もする。」


「おう。」


「その際に、少し商業ギルドに融通を効かせてもらって良い素材でもゲットするといいぞ。一石二鳥だ。

ドラゴンの素材の在庫とか値段によっては買えるかもしれねえしな。」


「そういえば、冒険者ギルドに素材自体は持ち込まれるのに結構な分が商業ギルドに回されてるよな。なんでだ?」


「うちには頭が弱いのしかいないから需要だとかそういうのがわかんねえんだ。商業ギルドに対抗して売っても上手く行かないってのが続いたもんで、もう諦めてあっちに売ることにしたんだよ。」


「なるほど。」


なにせトップが腕っ節しか能のないやつである。

職員の方々もグランさんのように引退した冒険者がなることが多いし、なるほど商業ギルドには不利だ。優ってる部分が腕っ節しかない。


「でも、先に職人さんの所に行けよ?どんな素材が必要かわからないからな。」


「アドバイスをどうも。」


「冒険者ギルドにおいて有望な若手を育てることは最優先事項だからな。あのギルマスだってお前ら三人に色々手助けしてやろうと少し頑張ってるんだ。元の性格があれだから何とも言えないが………。」


「その有望な若手は上級悪魔を引っ張り出したり五大獣を持ちこんでくるようだけどな。」


「それについては………まじで勘弁してくれ。」


「俺も勘弁してほしいぜ。」


これに加えて二人なんか変なのを抱えているって言ったらどうなるんだろうか。

そんなことを考えながら、俺はギルドを出た。


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