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25話 俺の周りのメンタルが凄すぎるのだが

煙玉の件から1年経ち、俺も3歳になった。

相変わらず芋の方は順調に収穫できて、今年の冬も何とか越せそうだ。

そう思っていた矢先、事件が起きた。


「穀物倉庫を守っていたザックが、殺されて食料が奪われた。

たぶん、食料が足りなくてスラムの奴らがやったのだろう。」


リーダーが少し震えながら言った。

周りの人も呆然としている。


はい?ちょっとまだ寝足りなかったのかな?夢でも見てるのかな?

そう考えて俺は頬をつねる。他の人も何人か目をこすったりしている。


「いてっ!」


「これは夢じゃない。本当のことだ…………。嘘だと思うなら今から見に来い…………。」


いや、わけわからん。

とりあえず行こう。こんなの嘘に違いない。きっとリーダーは悪ふざけをしているんだ。


勝手に推測し、リーダーについていく。

他の人もそれに習って歩き出す。

因みに、倉庫は外にあるのだが、倉庫は基地と階段一本でつながっている。

この際だから、基地の全貌を明らかにすると、




                 |入り口 |

                 |    | 

                 |    | 

                 |    |

        「――――――――|    |―――――|

        |                   |

        |                   |

        |                   |

        |                   |

        |                   |

  |―――――」  現在地              ―――――|

  |部屋1                       部屋2  |

  |                              |

  |――――――                   ―――――|

        |                   |

        |                   |

        |                   |

        |                   |

        |                   |

        ――――――――|    「――――――――

                |    |

                |倉庫  | 


的な感じだ。かなり見づらいかもしれない。

とりあえず、倉庫への通路を歩いて行く。

が、倉庫にはいった途端なにか変な臭がすることに気づく。

びっくりして臭いの元へ振り向いた俺の視界にあったのは―――――











―――――2年前、俺が治療した少年が四肢をもぎ取られて死んでいる姿だった。



「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


俺の意識はそこで途切れた。














目が覚めても、俺は震えが止まらなかった。

だって、人が手足をもぎ取られて死んでいるんだぞ?

しかも知り合い。怖すぎて仕方がない。

ここにいる限りはほとんど無事だとかってに考えていたが、違う。

この世界にいる限り、死、というのは身近にある。

今までの安心感が全て崩れ去っていくような気さえする。



「くそお………っ!」



何がどうなってんのかわからないっ!

今自分が何をすればいいのかもわからないっ!

あああああああああああああああ!


「どうすればいいんだああああああああ!!!!!」


また、俺は気を失った。











再度目が覚める。

とりあえず、自分の気を落ち着かせて周りを見る。

見ると、皆で焚き火を焚いて死んだザックさんを焼いていた。

そんな光景を俺はぼーっと見ていて、わかった。

間違いない。この人達は人の死を受け入れられる強い人達だ。


俺も…………何かしないとなあ。

まだザックさんの死を受け入れられたわけじゃない。

けど、何か俺にだってできることがあるはずだ。


そうだ。倉庫が襲われたのなら食料がないのだろう。

どうするのだろうか。聞いてみようと俺は焚き火に近寄る。

思い切って焚き火を除くと、そこにはまだギリギリ形を残した死体が。

やっぱりなんか怖い。また叫びたくなるレベルだ。



「ロイド、お前もう大丈夫なのか?」


焚き火を見ていた俺に後ろから声が掛かる。

振り向くと、そこにはクルトがいた。


「大丈夫っつったら嘘になるけど、だいぶマシになった。

もう気絶したりはしないよ。」


「そうか。ま、無理はすんなや。」


「どうも。それよりだ。食料はどうするんだ?」


「そこなんだよなぁ。ザックが死んじまったのはたしかにショックだったけどな。もっと大事なのは食料なんだよ……………。」


「また誰かから奪いつくすのか?」


「それはキツイな…………。もう収穫期が終わっちまったから盗みに行くとしてもほとんど税で取られているんだ。行くにしても盗れるのは一部の金持ちからだけなんだよ……………。」


「勿論警備も硬いんだろ?」


「あたりまえだ。じゃなかったらとっくのとうに盗みに行ってるよ。」


「詰んでるじゃねえか!」


「いや、方法は一応ある。」


後からいきなり声が聞こえた。誰だ!?


「うわっ!リーダー!?」


「な、な、な、何ですかリーダー!?」


「お前ら、人を魔物みたいに言うな…………。閑話休題、方法はある。」


「なんですか?それは。」


「今お前たちだここで話していたことにヒントが有るぞ?」


「え、まさか………。」


「それって…………!?」


「そのまさかだ。金持ち共からぶん盗るんだ。俺達の総力を使ってな!」


リーダーは何か決意したかのような表情で言った。


立ち直りが早くなってきましたね………。主人公も。」

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