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255話 対グランドタートル 5

朝起きた俺は、森の様子を確認しに森に入った。

昨日のシュウの報告に比べると、格段に静かになっている。


(『マジックサーチャー』)


『グランドタートル』に悟られない範囲での、『マジックサーチャー』。

これに、更に光属性魔力を足してみる。

すると、未だ不安定なトレントを嫌がらせて釣りだすことができるのだ。

『グランドタートル』戦で背後から襲われても困るし、不穏分子は先に潰していこう。


ガサ…………。


近くの木が一本暴れだす。

それを、サクッと魔手でワンパン。というか、魔石を引っこ抜いた。

次々と光属性魔力を足していくと、少しずつトレントが暴れ始める。

それらを、俺は作業のように殺していった。

ついでに言っておくと、トレントは木材として若干普通の木より質がいい。

ギルドに戻ったら換金しよう。


そんなことを考えながら、村に入るとそこには逆立ちしながら歩く『紅槍』さんが。ガ○先生かよ。


「お、森に行ってきたようだな。様子はどうだった?」


逆立ちしながら聞く彼に、若干頬を引きつらせながら俺は答えた。


「若干不安定だったから、トレントに揺さぶりをかけて暴れだしたやつを片っ端から殺した。

今日から討伐に乗り出せるとは思う。」


「上出来だ。」


そういうと、彼はまた逆立ちで歩き始めた。というか、多分あれは走っている。

人類の最先端走ってるな、Aランク冒険者。















「おい、冒険者さん、起きて稽古つけてくれ………って、起きてる!?」


俺が火薬などを整理していると、ルー君が部屋に入ってきた。


「ちょっと部屋に入らずにそこで待ってろ。今ここにはヤバイものしかない。」


「な、なんか色んな玉が落ちてるな……。」


「それ、爆発するぞ。」


「えっ!?」


黒色火薬に手に伸ばしかけてた彼は、慌てて手を引っ込めた。まあ、触ったぐらいじゃ勿論爆発しないけど。


なんて言ってるうちに、整理が終わった。それを、一つ一つ丁寧に収納袋に入れる。これらは定期的に整理しないと収納袋のんかでごっちゃになって引火してだいなしになることも考えられるし、戦闘の中で一瞬で取り出せないと命に関わったりする。整理は大切なのだ。


「あと、稽古だが飯を食ってからだ。まだ若干暗い。」


「少しぐらい大丈夫じゃ………。」


「俺が怪我させちゃう可能性がある。

あと、その前に幾つか聞きたいことが。」


「なんだ?」


「お前、加護とかはあるか?」


「あるにはあるぜ。『ウールヴヘジン』の加護っていうんだ。」


「あの狼の戦士か。能力は?」


「村のやつじゃそこまでわかんねえよ………。」


「そうか。でも、感覚でなんかわかったりしないか?」


加護に何かしら能力があれば、ギルのようにそれを感覚で理解できるらしい。


「そうだな……なんか、体の限界を上げるような能力はある気がする。」


「多分それは、野生化に付随する能力だろうな。多分使うと理性が低下する代わりに身体能力がバク上げされる。」


「理性?」


「考える力みたいなものだ。要するに、動物に近づく。」


「うわ、なんか嫌だな………。」


「まあ、加護ならオンオフはできるはずだし。ピンチの時だけ使え。」


「わ、わかった。

そういえば父ちゃんも同じ加護を持っていた気がする。」


「そいつは丁度いい。教えてもらえ。」


なんて話してると、飯の用意ができたようで、ヴェインが二階に向かって叫んだ。


「飯だぞ!」


「「はーい」」


シュウとギルはまだ寝ている。

俺達二人は、揃って下に降りた。















飯を食い終わって二階に上がると、二人は起きていた。


「丁度いい。今日、森の様子を確認したらここ近辺ならもう大丈夫そうなんだ。

という訳で、作戦会議。」


「まず、『グランドタートル』だけど、魔力は全快してるしてると思うぜ。

なんか森に入ると勘で変なザワザワ感がある。また『グランドタートル』に周りの奴らが反応してると思う。」


「ギルにしてはまともなことを。

じゃあ、相手はほぼ万全と考えよう。

更に、相手には高度な知能がある。落とし穴とかには気をつけよう。」


「土属性だから使ってきそうだよね。対策はないの?」


「そうだな………。よし、俺が最初に『ゲイル・クラーク』を地面に叩きつけよう。

いくら俺の魔力でも、土くらいならある程度の範囲は飛ばせるはず。」


試しに窓を開けて『ゲイル・クラーク』を発現してみる。

そのまま、遠くに飛んでる鳥に向かって全力で拳を振る。


鳥が、バランスを崩して地面に落ちた。


「…………え?」


「いい火力だな、よし。」


「あれ、冒険者さん攻撃魔法は使えないって………。」


「これは攻撃魔法じゃないぞ。いや攻撃魔法っちゃあそうだけど。

ウェポン・マジックって言って、俺でも使える攻撃魔法なんだ。岩くらいなら切れるぞ。」


「えええ……………。」


支援特化の能力だぜーとか言ってたのにこの有様だよ。どこかの誰かはタイトルを変えるべきだ。


「でもって、あと対策しておきたいことはあるか?」


「情報的に、もうないと思うんだよね。擬態はロイドがどうにかするし、僕も『マジックサーチャー』で魔法の前兆さえわかれば大体防げる。

あとは、あの頑丈な甲羅をギルが突破できるかどうかだけなんだよ。」


「一応俺も強くなった自信はあるんだけどな………。」


「まあ、他にも甲羅から出てる頭とか足を狙う手もある。

隙さえできればあいつの土属性による防御を消去できる『エクスカリバー』もあるから、それと一緒に叩きこめばいい。」


「ロイドにはかなり無理してもらうことになるけど………。」


「いつも通りだろ。

あと、皆火薬はもってけ。火をつけてるヒマはないかもしれないが。」


「そうだね。ただ、衝撃で爆発するのも考えて大切に持っておくよ。」


「じゃあ、作戦会議終了。各自疲れない程度に訓練しよう。」


「じゃあ、冒険者さん!訓練してくれ!」


「わかった。ただし、今日は魔手で相手することになるけどな。」


俺とルーは、庭へと向かった。

遂にお気に入り件数4500件突破です!ありがとうございます!

なんか段々スプラトゥーンばっかやってて更新してないのが申し訳なくなってきたので更新速度あげます。



今シンガポールですけど…………。

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