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249話 塩は神

更新遅れました。すみません。

「差し当たっては、移動手段だな。

割と急ぎたいから出来るだけ馬車は使いたくないんだが………。

俺は自前の馬があるけど、流石にお前らは乗馬とか出来ないだろ?」


馬車は寛げるけど割と遅いしな。

俺らに乗馬ができるはずもないし、どうしようか。


なんて考えてると、ギルドの職員に連れられてシュウとギルが来た。


「あ、お前ら丁度良い所に来たな。なんか良い移動手段あるか?」


「普通に自転車でよくね?」


「それだ!!」


そうだ自転車だ。

俺は、収納袋から3台自転車を取り出す。


「おい、その自転車なんか違わねえか?」


「そこに気づくとは目の付け所が違う。

実はこの自転車!仲の良い職人たちの協力もあって魔石を組み込むと漕がなくても走ったりペダルを踏む力が少なくて済むのだ!」


「でも、魔石を消費するんだろ?」


「金のいらない俺達は大量に魔石を貯めこんであるからな。」


俺が収納袋から魔石をジャラジャラ出すと、『紅槍』さんが呆れた顔をした。


「それ、冒険者としてはどうなんだ………。」


「まあいいんじゃないか。クエスト分の魔石は納品しているわけだし。」


「ロイドの作った自転車は便利だぜ。

収納袋があれば持ち運びも楽だしな。」


「あれなら長距離いけるしね。」


二人はそう言うと、ぱっぱと自転車にまたがった。


「やっぱり面白いなぁお前ら。まあ、移動手段が確保できたのはいいことだな。

早速出発しよう。」


俺もさっきぶちまけた魔石を回収し、自転車にまたがる。


「それじゃ、『グランドタートル』目指して、出発!」


俺達は、馬に跨った『紅槍』さんと一緒に、ギルドを出た。















城塞都市の中を駆けること、10分。

街のいつも通りの活気を感じながらジルフォン家の近くを通った時、俺は一人の男がジルフォン家の一室、正確に言うとカナルの部屋を凝視しているのを見た。


「あ、皆ごめんちょっとまってくれ。」


「「………?」」


俺は自転車から降り、男に近づく。


「何をやっているんだ………?」


「うお、あ、『不死者(イモータル)』………。

そうか、お前はアイツの友人か。

いや、大丈夫だ安心してくれ。俺はギルドの依頼でアイツを監視をしているだけだ。彼に危害は一切加えない。」


俺は彼を知らないが、向こうは俺のことを知っているみたいだ。

まあ、俺も有名になったしな。

とりあえず、彼の目に嘘がないのだけはわかった。

正直怪しいが、カナルがなにかやらかしたのかもしれない。


「おーい、ロイドー!寄り道あんましてる時間はねえぜー。」


「すまんな、すぐ行く。」


しまった、あまり寄り道できないんだった。

カナルも心配だが、まあ、さっきの彼の言葉を信じるしか無い。


俺はできるだけそのことを気にしないように考えながら、自転車にまたがった。















「そろそろ、休憩だな。」


城塞都市を出て随分経ち、あたりが暗くなってきた所で、俺達は休憩することにした。

そこら辺から枝とかを持ってきて、焚き火を作る。

飯は、さっき狩った魔物の肉だ。

ぶっちゃけ美味くはないが、できるだけ収納袋の食料は温存したい。


「ん?これは塩か?

随分と高価なものを平然と使うな。」


「ああ、それは岩塩っていう塩なんだけど、取り方を教えたら前送ってきてくれたんだ。」


日本じゃ海水くらいからじゃないとあまり塩は取れなかったが、世界規模で考えるとたしか岩塩の方が量が多かった。

この世界でも、まあ中世ヨーロッパっぽい世界なだけあって山岳地帯の村には取れる場所がいくつかあったので、教えたのだ。

宝の持ち腐れもいいところだったからな。住人がめっちゃ感謝してて、ダルファさんの部下が前行った時にプレゼントしてくれた。

お陰で、今それなりに手持ちがある。

情けは人のためならずってやつだな、うん。

綺麗な赤めの岩塩を見てエ○ジャの赤石ィとか叫びながら光属性流し込みそうになったのは内緒だ。


「そんな難しく考えなくていいじゃん?とりあえず、飯が旨いのはいいことだぜ!」


「ギル、今度市場行ってみなよ。塩安くはないから………。」


「でもよ、ロイドのお陰で金はいっぱいあるじゃん?」


「なんか俺のせいでギルの金銭感覚歪みまくってそうで怖いわ………。」


孤児の時は皆で金があればなぁ……とかぼやいてたのに。

そのあとも他愛のない話を『紅槍』さんも混ぜてやってると、シュウがあくびをした。


「飯食べたら眠くなってきたよ。

ロイド、見張り宜しく。」


「あ、俺も寝るわ。明日は一日中自転車を漕ぎそうだしな!」


そう言って、二人は寝袋を取り出して寝始めた。こいつらの○太並に眠りに入るの早いからな。


「じゃあ、俺も寝るかな。

ロイドは眠くなったら起こしてくれ。見張りを交代してやる。」


「ありがとう。遠慮なく叩き起こしてもらうぜ。」


『紅槍』さんは、それを聞くと直ぐ様眠りに入った。

だが、彼の恐ろしいところはそれでもさして隙が見受けられないところだ。

これが一流冒険者か。ハハ、寝てても臨戦態勢とか無理だわ。


俺は『マジックサーチャー』を展開し、見張りを始めた。

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