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247話 魔道具滅茶苦茶すぎィ!

翌日、ギルドからの連絡もなく、ギルやシュウみたいに訓練を申し込まれたりしない俺は暇になった。

というか、俺だけ評価が二人と違うんだよな。まともに戦ってくれそうにないって理由で二人みたいに訓練を申し込まれることもない。

はいはい背後から不可視の一撃だしたり落とし穴作りまくって自分だけ空中浮遊したり切られても1秒で復活して悪かったですねー。

まあ、負けず嫌いなんだ。察してくれ。


何もないので、俺は久しぶりに鍛冶場を見に行くことにした。

自転車の一件で、俺の顔はそこそこ知られている。更に言えば割と好印象らしい。

鍛冶職人には打撃がなくて尚且つ寧ろ仕事が増えて運搬も楽になったんだから、まあそりゃあいい人には見えるだろう。


「おっさーん、今日は何を作ってるんだ?」


『サイクロプスの巣窟』でも、そういうのでフランクに接することが出来るようになった。


「鎌だ。」


「鎌って、あの農業用の?」


「俺の故郷でな、武器を使うなら使い慣れたのがいいっつったら鎌を注文されたんだ。」


「だ、だいぶ違うだろ………。リーチとか。」


「そうなんだが、まあ本人がそう言うんだからこさえることにした。」


「けど、相変わらず出来はいいな。」


「切れ味だけに特化してみた。

メンテナンスは難しいが、まあ常日頃から鎌の手入れをしているアイツなら出来るだろうな。」


「そんで、またあの村に行って届けるのか?」


「いや、冒険者に頼むよぜ。

お前、行ってくれるか?」


「悪いけど、Bランク昇格試験の待機中でさ。

試験にちょうどいいモンスターがでないんだとか。」


「ああ、もうBランク昇格試験か。流石だな。

………なら、お前にあれを渡すか。」


「『あれ』?」


「ああ。俺が最近開発したばかりの魔道具なんだが、まだ実験……というよりは、お前しか実験できなさそうなんだ。」


「どういうことだ?」


「魔法の効果を相乗させるっつう恐ろしいもんだ。

だが、これの維持に魔力を使う。

魔力が恐ろしいくらい回復するお前くらいしか使える奴がいないってわけだ。

使えたとしても一発こっきりだな。」


「相乗!?何だそりゃ!?」


「そのまんまだ。その魔道具を使った状態で魔法を2つ使うと、魔道具が威力を相乗させてくれる。」


「それ、パワーがとんでもないことになるんじゃねえか……?」


「そうだな。

といっても、流石に想像してるようなパワーは出ねえよ。そいつを持ってついて来な。」


「………え?」


「そいつのパワーを試させてやるよ。」


「わ、わかった。」


俺おっさんに連れられて熱い鍛冶場をくぐり抜けると、そこには巨大な鉄板がいくつもあった。


「こいつだ。

重すぎて武器には使えねえが、最大級の硬さを誇る錬鉄ってもんだ。

魔力がよく馴染ませてあるから物理も魔法にも硬い。

これに、試し切りをしてみろ。」


錬鉄か……。この文明としちゃあ中々結構ハイレベルなもの使ってるな。

ってか、重い?そこまで錬鉄は重い記憶はなかったんだが…………。

魔力を含ませることで色々性質が変化したのかもしれない。

とりあえず、試し切りだ。


「2回魔法を使うだけでいいんだな?」


「ああ。それだけだ。」


「わかった………『ストロム・ベルジュ』、『ストロム・ベルジュ』!」


魔力が恐ろしい勢いで食われていくのが分かる。

だが、いつもとは比べ物にならないほど大きな剣ができた。

魔力操作も、段違いに難しい。水流カッターの形状を保てているのが奇跡だ。


「ハァッ!」


踏み込んで、一閃。

強烈な振り下ろしは、錬鉄の板を削るだけで終わった。


「フゥ………。」


「成る程な。やっぱり、抵抗の問題で単純に相乗とはならねえみたいだ。本来なら貫通はするはずだからな。

で、どうだ、威力は?」


「『エクスカリバー』には及ばないが、出るには出る。

それに、魔力的な面では維持もできる。

ただし魔力操作に集中力がいるな。焦っている時とかには使う余裕がなさそうだ。」


「成る程な、魔力運用も難しくなるのか。

まあ、そうだよな。」


「まあ、切り札にはなりそうだ。貰っていいか?」


「いいぜ。どうせそいつは試作品だし、お前以外にそいつは使えないだろう。

俺はお前の感想を聞いて改良していきたいしな。」


「なら遠慮なく貰っていこう。有難うな。」


「おう。さっきも言ったけど感想教えてくれ。」


俺が『サイクロプスの巣窟』を出ようとすると、目の前に茶色い何かが飛んできた。


「うわっと!?」


咄嗟に転がって回避。

顔を上げると、そこには白髪のドワーフがいた。


「おお、悪いな坊主。

一つ聞きたいが、ここを取り仕切ってる奴は何処にいる?」


「鍛冶場の奥にいるよ。それより、爺さんは誰?」


「ワシはとある村で鍛冶を営んでるしがないドワーフじゃ。

ちょっと急用があっての。」


俺は少し考えたが、見た感じボロイが悪い人じゃなさそうなので信じることにした。ドワーフって種族はエルフと違って優しいし人間と仲がいいらしいからな。


「じゃあ、わかった。ついてきてくれ。」


俺が鍛冶場の中に入ると、爺さんは大人しくついてきた。


「ふむ………アヤツも上達しておるの。」


「………え?」


爺さんがなんか呟いた後、鍛冶のおっさんがこっちに手を振った。


「おお!師匠!」


「おぉ、久しぶりじゃの。」


「え、師匠!?」


この爺さんが、あの人の師匠!?


「で、師匠。なんでまたこんな所に?」


「それじゃ。

わしの近くの村に、凶悪なモンスターがでよった。

姿はよく分からんが、とにかく強力で何人か狩人がやられておる。

ワシはギルドとかが全然分からんからの、お主に依頼を出してきて欲しいのじゃ。」


「………マジか。」


「あ、その依頼、俺が受けます。多分。」


「お?坊主、冒険者かいそうかそうか。

でもな、今回のモンスターは坊主みたいな小さい子じゃ太刀打ち出来ん。」


「あー、師匠。そいつ一応Cランク上位者だ。」


「なんじゃと!?この歳でか!?」


「まあ、魔力の力でなんとか。」


「成る程のぅ………。

では坊主、これからギルドに行って出没報告、そして依頼を受注してきてくれんかの?」


「あいわかった。

その前に爺さん、そのモンスターの情報を教えてくれ。」


「あまり情報はないがの………。」


俺は、爺さんの話に耳を傾けた。

予想以上に忙しかったので、2日に一回すら更新できませんでしたm(__)m

夏休みが終わるので、いつものペースに戻ります。

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