236話 現代知識TUEEEEEEEEE!!!!!!!
(いやー、それにしれもマズイ。)
俺は、思考を重ねながらカタパルトに投げられる。
(一番きついのがこのアダマンチウムの針なんだよな………)
俺の筋力じゃ抜けないし、魔手は触れたら中和されちゃうし。
ペンチなら作れるんだが、俺の筋力じゃあ抜けないし。
あれ?
魔手で抜けばいいじゃん。
(勝ちゲーキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!)
早速『アース・ホール』でペンチを作成。
魔手でペンチを使い、アダマンチウムを引っこ抜く。
――――――――――――――ズブッ。
「……………っ。」
返しついてやがる。
何、この世界の針って全部返しついてるもんなの?
とりあえず、アダマンチウムはぽいっちょしとこう。
『マジックサーチャー』を無効化してくれるかもしれない。
その後少しカタパルトを続けた俺は、通気口を発見した。
よっしゃ、こいつを待ってたんだ。
俺が監禁されている時に息苦しさを大して感じなかったから、どこかに通気口があると思ったのだ。
通気口によじ登り、その中に入る。
うん、ちょうどいい大きさ。
小さい俺が、ギリギリ通れる幅なので、追手は追跡しにくいはずだ。
魔手で自分を押し出し、通気口の中をくぐり抜けていく。
現状、優先順位は
俺の生還
収納袋の回収
ニア家ブンドル家どちらが襲ってきたかの判別
の順だ。
とりあえず今は生きることだけを考えよう。
俺がそう前へ進んだ瞬間、通気口に穴が開く。
通気口に穴を開けたその槍は、一直線に俺の腹を貫いた。
「ッッか………は………。」
な、内臓でも潰れたかなこりゃ……。
「あちゃー、喉を突いたつもりだったんだがなぁ。」
「貴様、まさか殺す気だったのか?」
「いやいや、巷で有名な『不死身』様だぜ?
まさか喉潰されたくらいじゃ死なないでしょ。」
(腹、だけど、既に、死、にそう)
まあ、このままやられるつもりはない。
「『マジックク「おっとまだ魔法を使うだけの余裕が有るのか!」ガァッ!?」
槍が引かれ、俺が通気口から転げ落ちる。
この槍、抜けない………!
「さて、やっと捕まえることが出来たな。
早速情報を吐いてもらおう。」
立派な服をきた青年が、槍使いに指示をする。
「拷問ってやつですかい。
おら!」
別の槍が、俺の右腕を貫く。
「ぐっ………!」
更に、別の槍が俺の左胸に当てられる。
「変なことをやったら一瞬であの世行きだぜ。
それと、何も話さなかったら四肢を次々と貫いていく。
いいな?」
そう言って、腹の槍が抜かれた。
「っはぁ、っっはぁ。」
「結構効いているみたいだな。Cランク冒険者といえど所詮子供。
さて聞こう、少年。
これはなんだ?」
そう言って、青年がその手に持つ俺の収納袋から取り出したのは俺が個人的に作っていた火炎瓶。
「それは、特殊な液体だ。ただし、何の危険性もない。
そう嘘を吐くと、槍使いが左腕を刺した。
「おいおい、こちとら嘘を感知する魔道具使ってんだぜ?
嘘をつかないでくれよ。」
(……………チッ)
「それの名前は、火炎瓶。衝撃を与えて割ると、爆発する。」
「ほお、素晴らしい物をつくるな。
では、これはなんだ?」
「毒ガス爆弾だ。」
「なんだ?それは。」
「動物に向けて使うと、体中のいたるところが溶けて更にガスで肺などをやられて死ぬ。」
人に使う、というのは言わないでおいた。
どうやら言ったことに対して嘘か判定はできても、言わなければどうにもならないようだ。
実際動物に効果あるし。
「ふむ、ではこれはなんだ?」
「………………!」
次に見せられたものを見て、俺は絶句した。
少し、最悪の思い出がフラッシュバックする。
そんな俺を見て、槍使いがせかす。
「おい、ニア・ディール様が聞いているんだぞ、言え!」
「ナパーム弾だ。」
「ナパーム弾?」
「火がつくととんでもない延焼を起こす。
しかも消えにくい。」
「成る程………。
その炎は、『唸る水流』なら消せるか?」
「『唸る水流』!?
やはり、彼女はニア家の………!」
「その通りだが、今は質問に答えろ。
消せるか?消せないのか?どっちだ?」
「火消しの魔法なら、消せるだろうな。」
「そうか。
次だ、これはなんだ。」
「フレイムスローワーだ。」
青年が取り出したものを見て、俺は内心ニヤリとした。
これで、逃げ出せる。
「フレイムスローワー?なんだそれは」
「まあ、どこかに撃てば分かる。逆に、撃たないとわからないかもしれない。」
魔道具が感知しないのに安堵しながら、そう言った。
「そうか、ならば撃ってみよう。」
そう言って、彼は開いている窓に向けて引き金を引いた。
その瞬間。
―――――――――――――――ブオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
火炎が、青年ごと巻き起こる。
まさか、自分の方に炎が飛んでしまう失敗作とは彼も思わなかっただろう。
「なっ……………!」
「『マジッククラッシュ』!『マジッククラッシュ』!」
一つ目の『マジッククラッシュ』で槍に貫かれた俺の右腕を脆くし、二発目で自分の左腕を脆くする。
そして、槍使いが驚いている間に右腕と左腕を無理やり抜くことで脱出。
カッ。
魔手で合金から強力な火花を作り、瞬時に魔手で収納袋を取り返す。
更に、中から大きめの黒色火薬を取り出し屋根に投下。
爆音とともに破壊された屋根の穴を魔手装甲で体を強化し跳ぶ。
熱いのを魔手装甲で耐え抜き、『ヘイレン』で体を癒やしながら外にでる。
だがそこに、何度も立ちふさがる強大な魔力。
「だけど、今回は対抗策がある!」
『アース・ホール』で、純粋な金属カリウムを生成。
それを、彼女に向かって投げつけた。
「!」
それを水の壁で防いだ瞬間、カリウムが反応を起こし爆発する!
ドン!という音をたてて、彼女の体が吹っ飛ぶ。
まあ彼女なら耐えるだろうが、それでも決定的なチャンスが生まれたことに変わりはない。
「アディオース!」
建物から飛び降り、『マジックガード』に乗って俺は空中浮遊しながらすっ飛んでいった。
実は色々作っていたロイド君。




