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220話 プニキ降臨

「いやー、いい話が聞けた!

これなら畑仕事がだいぶ楽になりそうだ!

早速アイツに作ってもらおう!」


結局、肥料の方はあんまり信じて貰えなかった。

やっぱり即物的なモノのほうが農民の方々には信用されやすいんだな。

クソ、誰だよ農業革命みたいのをいきなりしようとした奴。俺だったよちくせう。


「千歯こきはともかく、備中鍬は今からでも十分使えるな。」


「だよな!ちょっとアイツの家に行ってくる!」


門番さんは、そう言って家を飛び出していった。


「全くあの人は…………。」


「そういえば、なんであんなに門番さん乗り気なんだろう………。」


傍から見れば俺は偉そうなことを言ってるだけの外見6歳児だ。


よし、考えてみよう。

ここに、田舎の30歳がいます。

序にそいつはショタコンではないことを明記しておこう。


で、そいつがいつも通り仕事をこなしていると、古き良き友人が都会から帰ってきました。メ◯スかよ。あっちは田舎から都会だけど。


そしてその古き良き友人は、護衛として小学1年程の冒険者を連れてきました。

びっくりするのはその次です。

なんと、その冒険者は突如として農業を楽にする方法を教えてくれたのです。


丁度その頃、その30歳の住む村は収穫量が余り振るわしくありませんでした。

そこに、天恵がごとく舞い降りた冒険者の知識。


まさに、神からの使いと見えたことでしょう。


「……………まさかそんなとんでもない勘違いを………!」


「なにか変なふうに誤解していると思うのだけどね、あの人は危ぶんでいるのよ。この村の状況を。」


「………え?」


「収穫量が減っているのに、まだ税は払えなくもないから誰もそれを気にしない。

けど、多分あと10年もすればこの村は税金を払いきれなくなる。

なのに、誰もが楽観的にその事実を見ているから、改善策が中々浮かばないの。

豊作が続きすぎたせいか、皆どうとでもなると考えているのかしらね。


そんな中、あなたのアイディアはとても魅力的だったわ。

だからあの人もあんなに興奮しているのでしょうね………。」


そ、そうだったのか………。

だったら尚更肥料を使って欲しいのだが。

まあ、肥料が実は毒でした、とかあったら怖いもんな。

理屈がわからないものは確かに信用出来ないだろう。


とりあえず、農具だけは受け入れてもらえたようでよかった。

俺がそう安堵した瞬間、バタンという音と共に門番さんが戻ってきた。


「あれ、早かったね。」


「いや、あいつ、お袋と感動の再会してたから割り込めなかったんだ………。」


「成る程………。」















あの後、俺は昼飯をご馳走なった。

ナスだった。ナスは嫌いなのです!

勿論食べたけど。


そんでもって、昼飯の恩返しに午後の門番さんの本業である狩りを手伝ってあげることにした。



――――――――――――ブシュッ


『マジックサーチャー』で魔物を感知し、魔手で脳みそを握りつぶす俺の殲滅速度は凄かった。

やっぱ索敵と使いやすい透明な遠距離攻撃があるっていいな。


「ほ、ホントに強いんだな………。」


門番さんの口元がひくつく。


「なんだかんだ言ってCランク冒険者だしな。そりゃ、こんくらいはできる。」


まあ、俺は自分のことをそんなに強いとは思ってないけどな。

俺は強力な武器を何個か持ってはいるが、どれもこれも制約が強くってバランスが悪い。

『エクスカリバー』なんてのが代表例だ。

使い勝手がいいのはそれこそ魔手と概念魔法だけだろう。


「そういえば、最近ここらには『スカーレットグリズリー』っていう魔物が出るから気をつけろよ。

火を吹いてきたり危険だから気をつけろよ。」


門番さんが忠告した途端、俺の『マジックサーチャー』に強力な魔力反応がひっかかった。


「………え?」


フラグだったの!?しかも回収めちゃくちゃ早いんだけど!?


「ど、どうした?」


いや、ちょっと待て。

これは『スカーレットグリズリー』ではない可能性もある。

俺は一縷の望みをかけて確認をとった。


「その『スカーレットグリズリー』って、まさか体長が3Mくらいで、全身真っ黒で、闇属性と火属性の魔力を持ってる熊の魔物だったりする?」


「そうだな、体長がちょっと大きめだが、大体そんなもんだ…………


って、まさか!?」


「門番さんの思ったので合ってるよ。

正直俺もびっくりしている。

で、そいつは村の方向に進んでいるわけだけど。」


「んな!?

マズイじゃないか!」


「だから、今二人で倒そう。」


「…………………。

できるのか?」


門番さんの武器は、強弓。

命中精度とその威力は常人にしてはかなり高いが………。

彼は、豪気がほぼ使えない。


対して俺も、『スカーレットグリズリー』に致命的なダメージを与えられる自信はない。

『エクスカリバー』なら一刀両断できるだろうが、その前に俺が死ぬ。

熊って生きもんは無駄に速いからな。


なら、狙うはいつも通り目を潰してからの脳味噌にダイレクトアタックか。

けど、本当は前衛じゃない俺じゃあんな魔力を持つ魔物を捌きながら目を潰すなんて出来ない。


「………門番さん、荒れ狂う魔物の目玉に命中させることはできる?」


「わ、わからないな………。

パニックにならなければいけるとは思うが………。」


「なら大丈夫だな。

門番さんは、俺が『スカーレットグリズリー』の相手をしている間に『スカーレットグリズリー』の目玉を撃ちぬいて欲しい。

寧ろこれ以外まともな勝ち筋がわからない。」


「村を狙っているのなら逃げるわけにもいかないし…………。

よ、よし。やるぞ!」


俺達は、『スカーレットグリズリー』目指して歩き出した。



春休みに入ったので、序盤の方をどんどん改稿してこうと思います(話の内容は変わらないので大丈夫です)

序に少し更新速度もアップします。


それと、何か改善した方がいい文章表現などがありましたら言ってくださると助かります。

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