213話 圧倒的ギルの信頼感wwww
「うっぷ……………………。
やべぇ、気持ちワリィ…………!」
次の日、俺は吐き気に襲われながら目を覚ました。
結局、あの勝負では俺は3位だった。
景品として渡された『ラケルトゥス・ドラゴン』の鱗を見ながら、俺は呟いた。
「ってか、右腕も怪我が酷いんだよなぁ。
『マグナヘイレン』ッ!
……………やっぱダメか。」
最後の『カラドボルグ』、いや『エクスカリバー』を使うときに補強したせいで、前の怪我みたいにグチャグチャになっているのだ。
いや、二回目なぶんこっちのほうがまだ怪我がマシかな?
まあ、治らないものは仕方がない。
それに、いつかはどうせ治るしな。それまでは魔手で代用だ。
そんなことを考えながら俺は今日のスケジュールを確認し、早速ギルとシュウを起こしにかかった。
「そーれーでーはー!これから、皆さんお待ちかねの分配回を始めたいと思いまーす!」
「「「いえーーーーい!!!!!!」」」
マイクっぽい魔道具を手に持つ受付嬢がそう言うと、冒険者たちが拳を天に突き出してノッた。
「さて、今回の報酬はこちら!
皆さんと激闘を繰り広げた『ラケルトゥス・ドラゴン』の体です!!!!!
パーティ貢献度によって報酬が変わりますので、呼ばれたパーティさんは前に出てきてくださいねー。」
「「「いえーーーーい!」」」
「それではー、貢献度の高い順から呼んでいきますね――――――――――
あ、まずはギルドマスターからですね。」
「はーっはっはっは!!!あったりめぇよ!」
「ええと、最も戦いに貢献したギルドマスターには『ラケルトゥス・ドラゴン』の魔石と鱗、序にお金、それと国王から手紙が来ています。」
「クソジジイから手紙?
なんだって?
『早く戻ってこんかいこの鼻たれ坊主が。いい加減ワシキレるぞ。』?
よーし、無視だ無視!!!」
(((こいつ、国王からの手紙を堂々と破ったよ………!!!)))
しかも国王もフランクだな。
なんだよ、ワシキレるぞって。
今の国王は威厳ある人だと聞いてたけど、どんだけ仲がいいんだあのクソギルマス。
「………………えーっと、それでは次の方行きます――――――」
受付嬢も正気に戻ったようで、そのまま集会は滞り無く進んでいった。
「うっひょおおお!!!!!すげぇぜ、こんなにたんまり貰えた!」
ギルが俺の抱えている報酬を見ながら、小躍りし始めた。
報酬は、牙一本と魔石一つ、内蔵に肉、そして大量の鱗と金だ。
「今回は俺が覚醒したからな。
結構綱渡りをしてきたが、その甲斐があったぜ。」
もう流石にこんなのやりたくないが。
俺だって死にたくない。
「でもさ、凄かったよね。『ラケルトゥス・ドラゴン』の魔石の数。」
シュウが言う通り、『ラケルトゥス・ドラゴン』には魔石が複数あった。
お陰で、俺らにもそれなりの大きさの魔石が回ってきたのだ。
「そういえばまだ魔石に触ってないな、何気に。」
「そういやそうだな。早速どんなものなのか見てみようぜ!」
また魔石が白く変化するのだろうか。
ギルが収納袋を漁っているのを見ていた俺が、そんなことを考えていた矢先に。
ギルの体が光り始めた。
「「「!?」」」
眼を開くと、そこにはいつもより体を覆う鱗ががっちりとしたギルが。
「な、何が起こったんだ!?」
「「いやお前が何をしたかの間違いだろどうせ。」」
コイツは、大抵好奇心に任せて勝手なことをしたがるからな。
…………あれ、これって見事なブーメラン?
「俺は何もしてねぇって!ただ魔石に触れただけなんだ!
なんか力も増してるし、強くなった気がする。」
「ちょっと待て、魔石だな。今取り出す。」
俺は手を収納袋に突っ込み、そして例の魔石を引っ張りだした。
その形状は最初とは明らかに違っており、体積が半分ほどになっていた。
「…………やっぱお前なんかしたんじゃねぇの?」
そう言いながら、俺は魔力を通し白色化させていく。
これで魔石の質は上がるだろう。
「いや何にもしてないんだって!
ってか、俺の体に何が起こったんだ!?」
「ギル、慌てても仕方がないよ。
一回、ギルドに行ってみない?何かわかるかもよ?」
「うーん、まあ確かにそうだな。
それに、グランさんは人気無いから今この受注フィーバーの中でも比較的並ぶのが短くて済むか。行こう。」
本人が聞いたら涙しそうなセリフを吐いて、俺達はギルドへと向かった。
「お前らか、クエスト受注か?」
案の定、グランさんの所だけ空いていた。
目が怖いからな。そりゃ物怖じするだろう。
「いんや、俺達の状態を調べてほしくってさ。
主にコイツ。」
俺がギルを指さすと、グランさんが目を細めた。
「確かに、オーラが変わってるな。
新しい加護とかかもしれないぜ。ちょっと待ってろ。」
そう言って、グランさんは加護とかを調べる石を取り出した。
「さあ触れてみろ。」
「あいよ。」
ギルが触れると、グランさんの方に情報が流れだす。
そして。
「な、なんじゃこりゃあぁッ…………!」
何処の殉職刑事だと突っ込みたくなるのを堪え、グランさんが落ち着くのを待つ。
少し落ち着いたグランさんは少し声を潜めて言った。
「何だこの半竜人って称号…………!」
…………………。
なんかかっこよさそうな称号ですね。(小並感)
50万字突破しました。
ここまで一話平均文字数を計算すると2298文字なんですね。
……………精進します




