195話 カゼノさん(´・ω・`)(2回目)
2回連続で遅れてすみません。
今日中にもう一つ更新します。
そして200話達成しました。
ここまで呼んで頂き、有難うございます。
「よう、皆。元気にしてるか?」
「おお、ロイドさん!」
「元気にしてるよっ!」
俺が孤児院に行くと、みんな元気に色んな所で跳ねまわっていた。
一番人気は3日前におっさんとお遊びで作った遊具だ。
滑り台とか、ブランコとか、砂場とか。
まあ、現代日本の公園のテンプレをパクったような感じだ。
大したものは作ってないが、好評だしいっか。
そして、何といってもそんな光景が微笑ましい。
毎日が切羽詰まっていたであろう彼らが、無邪気に遊んでいるのだ。
若干俺の涙をさそったね、マジで。
だから、例え彼らが砂場で俺の像を作り、それに悪戯でドロップキックをかましているのを見ても、俺は許すことにする。畜生。
「おお、管理人さんじゃねえか。どうした?」
俺を最初に出迎えてくれたのは、5人目の職員となったおっちゃんだ。
元々冒険者だった男で、戦闘力が高い。
その割には学もあり、性格的にもいい人だったので採用した。
「ああ、前に言ってた自転車のパーツを持ってきたんだ。
それと、皆に説明することもあるから年長組をとりあえず呼び出してくれ。」
「おうよ。ちょっと待ってろ。」
そういうと、彼はドタドタと階段を登り始めた。
因みに、ここで言う年長組は皆15歳位だ。
ここにも『卒業の儀』っぽいものがあるらしく、その条件が16歳になること、らしい。
この街は帝国と違って『冒険者』という道が案外身近にあるから世間に出るのが早いのかもしれない。勿論全員が冒険者になる訳ではないようだが。
俺がしぶとく生き残っているせいでわかりにくいかもしれないが、本当に冒険者ってのは死人が出る。
確かに手っ取り早く職は得られるが、命との天秤にかけるとかなり部の悪い職業だし、ならない奴も多いだろう。
そんなことを考えていると、おっちゃんが年長組6人を引き連れて降りてきた。
俺は、おっちゃんにサンキュー、と言い、6人の方を向いた。
「さて、6人に集まって貰ったのは、何を隠そう『自転車』についてだ。」
「!!やっときたのか!?」
「遅かっただろ。なんせ、頼んでた奴が色々やらかしてくれたもんでよ。
お陰で6億メル入ったんだが。
ってことで、ほれ、これが6億メルだ。大事に使え。」
そういって、俺はリーダーに収納袋から6億メルの入った袋を魔手で引っ掴んで渡した。
「はっ!?ちょ、お前6億って……………重っ!」
「初めてだろ、金貨の重み。堪能しとけ。」
そう言いながら、ニヤリ、と笑みを浮かべた。
「くそ、有難いのにバカにされてる気分にしかならねえ…………。」
「俺も最初は大金を手にした時戸惑ったからな。
一度こういうのは経験しておいた方がいい。
で、これが自転車のパーツだ。
セットになっているから、そのまま自転車が組み立てられるぞ。」
俺が収納袋から大量のパーツを出していくと、彼らの目が驚愕で染まった。
「……………多くね?」
「全部で129台分あるそうだ。」
そう言っているうちにも、何事かと孤児達が集まってきた。
丁度いい。呼ぶ手間が省けた。
全てを出し終えた俺は、説明を始めた。
「まず、最初にパーツの仕入れの話をしておく。
約2週間に一回、『サイクロプスの巣窟』という工房に行くこと。
持ち運びが大変だろうから、収納袋も用意しておいた。
そして、大事なのはこの『札』だ。」
俺が懐から勘合の片割れを取り出すと、皆がそれを凝視した。
「なに、それ。」
「防犯用のアイテムだ。
『サイクロプスの巣窟』のおっさんがこれの片割れを持っているから、一致すれば本人って訳だ。」
「「「おお~~~~。」」」
……………なんか感心されまくってすみません、義◯兄貴。
「仕入れの話は以上だ。
金は俺が払っておくから安心して組み立ててくれていい。
次は、組み立ての仕方だ。
じっくり聞いてくれ。」
そう言って、俺は自転車の組み立て方を説明していく。
因みにこの自転車、選べる3タイプである。
種類は、ママチャリ、マウンテンバイク、折りたたみ式自転車の3つだ。
我ながら折りたたみ自転車の作り方なんてよく覚えていたな、と思う。
持っていなかったのになんで覚えているんだ、ホント。
「――――――――最後に、この『サイクルショップカ◯ノ』という宣伝用の紙を貼って完成だ。
流石に、これだけでわかった奴は居ないだろうから作りながら教えていく。
よぉーし!皆、作業開始だ!」
「「「はい!!!!」」」
さて、自転車の値段はどうしようか。
そんなことを考えながら、俺は指導を始めた。
サイクルショップカ◯ノを正式採用する主人公。
ポケモンやってる人じゃないとわかりませんよねこれ………。




