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190話 メリークリスマス!(なおクリスマスなどとは関係なしに物語は進む模様)

前半、何故か主人公が若干感傷的になりました………

クリスマスのせいですね(確信)


そして又もや時間が若干オーバーorz

明日こそは、明日こそは…………!

俺がパーッと求人広告を書き終えた頃に、やっと服が全員に行き渡っていた。

よし、足りてるな。っつーか服が余ってる。


求人広告を急いで孤児院に貼り付けた俺は、飛ぶように孤児院へと戻った。


「さて、新しい服を皆が手に入れた所で、飯にしよう。

今日は大量に飯を準備している。

今まで腹いっぱい食えなかった分、たくさん食ってくれ。」


そう言いながら俺が貯蔵庫を開けると、そこには溢れんばかりの飯が。

一瞬で歓声が上がった。

流石3大欲求先輩だ。食の力ってすげぇ。


残念なことに俺が準備したせいで碌な料理はないが、量はある。

俺が孤児としてこの世界に転生した際、一番キツかったのは腹一杯食えないことだった。

すぐに慣れたが、それでも腹一杯食うことには憧れていたのだ。

俺がじゃがいもとかそこら辺の食料改革をやったのはそこら辺も関係している。


でもって、彼らも心ゆくまで食べることが出来れば嬉しいだろう、と考えたのだ。

さっきは真っ当な生活がうんたらかんたらとか偉そうなことを言ったが、ぶっちゃけ俺は皆が喜んでくれたらそれでいいと思っている。

俺自身が転生直後で大分ハイだったせいでそんな辛そうに見えなかったかもしれないが、孤児時代は本当に辛かった。

まあ、今もキツイけどな。しょっちゅう死にかけたり生と死の綱渡りをやっているけど。マジで俺の不運っぷりはなんなんだ。運よ仕事するな。


そんなことを考えながら、俺は手をテーブルの上にぶちまけられたパンに伸ばした。うん、普通だ。

けど、俺は城塞都市に来たばっかりの頃、これをウマイウマイと半泣きしながら食っていた。

そう考えると、俺も変わったな、と思った。


そして、俺はワイワイと楽しそうに飯を貪る彼らを見ながら思った。


あまり冒険者にはさせたくないなぁ。危険だし。

彼らから笑顔が奪われるようなことはさせたくないしさ。


まだ8歳児のくせに何考えてんだ、俺。















「衣食住が全て揃った所で、今度は職だ。


と言いたいところなんだが、残念なことに未だに自転車の材料が来ていない。

だから、それまで俺は煙玉と石鹸の製造法を教えようと思う。」


「「「おおお~~~!!」」」


パチパチ、と拍手が響いた。

こいつら割とノリいいな。


「まず、大事なのは石鹸だ。

こっちは高く、尚且つ幅広く売れる。

冒険者にばっか売れる煙玉と違ってこっちの断然利益は出る。」


因みに、一応ダルファさんとはしっかり話をしてこっちで石鹸を売ってもあちらには余り被害が出ないように策を出した。


具体的にどんなことをするかというと、ブランド化だ。

ダルファさんの方で売る方を『ロイドお手製』や『香り付き』にすることで完全貴族用にするのだ。

こっちのは堂々と『庶民用』とでも書かれた旗を掲げておけばいいだろう。

プライドのお高い貴族様のことだからダルファさんの方に買いに行く筈だ。

しかも、これは逆に石鹸の値段を釣り上げるチャンスにもなる。

貴族(金蔓)からとれるだけとっとく。

どうせ俺等から取った税金で暮らしてんだ。多少ぼったくったっていいだろう。


そんなことを考えながら、俺は石鹸の作り方を説明していく。

今回俺が説明するのは、廃油と苛性ソーダを使った石鹸の作り方だ。

これなら『アース・ホール』で物質を作らなくても作れるしな。

苛性ソーダは食塩水に雷魔法で電気分解をしてやれば出来たはずだ。

幸い、36人の中に雷属性が3人居たので作るのには困らないはず。

水属性もいるので、食塩水を作るのにも困らないだろう。




「――――――――以上で石鹸の作り方は終わりだ。

ただ、最後にできた石鹸はあくまで石鹸の元だ。

最後に外に干して一ヶ月程熟成させることでこれは完成する。

その間は俺が金を出す。

それに、あと一週間もせずに自転車の部品も届くだろうしな。


忙しくなるとは思うが、孤児の頃よりは格段にマシなはずだ。皆、頑張ってくれ。

あ、わからないことがあれば遠慮無く俺に聞いてくれていいぞ。


じゃあ、始めよう!」


そう言って俺が『アース・ホール』で大量に食塩を出し、更に手で倉庫に詰まっている廃油を指さすと、彼らは戸惑いながらも作業を始めた。


でも、やっぱりその手はおぼつかない。

よっしゃ、いっちょやるか。


「よし、役割分担をしよう。

そこの6人は苛性ソーダと油を混ぜる係、君達9人は容器作成だ。

雷魔法が使える君達3人は苛性ソーダを作る係、水魔法の使える君は――――――――」


俺の指示の下、ぱっぱと石鹸の元が作られていく。

最初の頃はおぼつかなかった彼らの手も、最後の方にはテキパキとしたてつきになっていた。


その日、合計106個もの石鹸の元が屋上に並べられることとなった。

一ヶ月後が楽しみだぜ。

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