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188話 カ◯ノさん(´・ω・`)(主に髪的な方向で)

スラムから帰ってきた俺は、その足で『サイクロプスの巣窟』へと向かった。

理由は簡単。

自転車のパーツを大量に鋳造して貰うためだ。


因みに、さっき孤児院の中で皆に見せた試作品も、ここで作って貰った。

相変わらず腕がいいぜ、あのおっさん。

もうあれをちょっと改造するだけでマウンテンバイクとして使えるし。


「こんにちはー。ロイドだけど、おっさんいる?」


「いるぞー!降りてこーい!」


最近、おっさんは鍛冶部屋に籠もることが多くなった。

俺が教えたチェーンメイルが意外とヒットしているらしく、発注が絶えないとか。

流石チェーンメイル。モン○ンではスキルの豊富さに序盤は助けられたよ。


と、どうでもいいことを考えながら鍛冶部屋へと降りると、いつも通りそこには凄まじい熱気の中で鉄を打ち続けるおっさんの姿が。

くーっ、かっけえぜおっさん。やっぱ鍛冶師って何となくかっけえわ。


俺がじーっと見ていると、一段落ついたのか打ち続けていた作品を水の中に突っ込み、汗を拭いながらこっちを向いた。


「悪いな、待たせちまって。」


「大丈夫大丈夫。

それで、用件なんだけど。」


「おう。何だ?『自転車』か?」


流石おっさん、勘がいいぜ。


「アタリ。

前にさ、二人で『自転車』の試作品を作っただろ?

あれの改良バージョンを、おっさんに鋳造して欲しいんだ。

と言っても、作るのはパーツごとに分けてくれて良い。

組み立てる方の労働力は確保しといたから。

勿論金は出すけど、やってくれないか?」


話を聞いたおっさんが、うーんと唸る。

一頻り考えた後、彼は俺に一つ条件を出した。


「俺の鍛冶仲間に協力して貰ってもいいか?

正直、アレの製造法が知られるのは結構痛手かもしれないが……………。

俺も忙しいんだよ。」


うーん、悩むなぁ。

自転車って普及に成功すれば荒稼ぎできるだろうし。

だからこそ、孤児たちにさせるのをこの仕事にしようと思ったのだ。


だが、ちょっと待てよ。

そもそも普及しないと意味が無いじゃないか。


ここまで考えた俺は、一つ閃いた。


「おっさん、こちらからも条件がある。

まず、一つ目はその鍛冶師が勝手に製造法をバラすような奴じゃないこと。

二つ目に、その鍛冶師たちには移動に出来るだけ自転車を使って貰いたいんだ。

序に、自転車に自転車の宣伝も取り付けたい。」


「一つ目は勿論いいぞ。

ただ、二つ目と三つ目は何のためにやるんだ?」


「宣伝だよ、自転車の。

いくら自転車が便利な交通手段だろうと、存在が知られなければ普及しない。だから、宣伝をしたいんだ。

その為に、彼らには宣伝のテープを貼り付けた自転車で移動して貰いたい。

そうすれば手っ取り早く自転車の存在が知られるからな。」


サイクルショップカ○ノ的なアレだ。

別に鍛冶師さんもママチャリなら素材も持ち運べて便利だろうし、悪いことはないだろう。


「成る程、よく考えられてるな。

じゃ、早速その改良した『自転車』ってのを教えてくれ。

次の仕事まで大分時間があるからな、ゆっくり説明してくれていいぞ。

俺がそれの設計図を書く。」


こうして、俺達の自転車普及計画が始動した。
















「リリーさん、セイ君。孤児の勧誘に成功したぞ!その数なんと40人!」


「ええっ!?」


「アンタ、行動早っ!?」


後のことをおっさんに任せた俺は、次にリリーさんとセイ君が住んでいるという住宅に来ていた。

彼女たちは割と本気で驚いていた。

うん、この人達絶対俺のこと舐めてたな。

俺の計画には感心していたが、俺のことはそこまでだった、て訳か。

ならば、今のうちに俺の功績を教えておこう。

余り舐められたくはないし。


「序に、資金の確保作戦も始動!更に孤児院の裏に畑を作成!

いざというときのスポンサー(フリード家)も確保!

どうよ!設備は完璧、足りないのは人手だけとなったぜ!」


二人共、ぽかーんとした顔で俺を見る。

しかし、お互いに見つめ合っていると、セイ君が我に返った。

そして、俺の手をがっしりと掴む。


「凄いや!君、本当に凄い人だったんだね!

正直内心ではまだ疑ってたけど、凄いや!」


出来るだけニヤけそうになる顔を抑える。

ここらへんで「こんくらい余裕ですよ(笑)」的オーラを出しておいたほうが何となく威厳が出るだろう。

俺は身長と容姿のせいで色々と威厳とかそこら辺がどっか逝ってるからな。

誤字じゃなくて、本当に逝ってる。


その結果が、今のリリーさんだ。


「何か胡散臭そうね……………。


ま、いいけど。

騙された気分で雇われてやるわ。」


「リリーさん!」


「俺は気にしてないから大丈夫だよ、セイ君。

それで、早速仕事の詳しい内容と給金の話になるけど、いいかな?」


「いいわ。」

「勿論!」


俺は、二人に説明を始めた。


ふう、やっと孤児院が始められるぜ。


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