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17話 雑用の扱い酷すぎwwwww

忙しくて更新できませんでした…………。


「ふぁあ。」


あれ?いつの間にか寝ていたっぽいなあ。

確か山積みにされてる服を直している間にも大量の服の修理依頼が来て、

もはや自暴自棄にすらなりながらなんとか不眠不休で修理を終わらせたところまでは覚えているんだけどなぁ。そこから記憶が無い。つーか1歳児にこんなことやらせるとかブラック企業も真っ青だろ。


「ま、とりあえずは何があったかきくか。」


自分に何があったかを他人に聞くのも変なことだと思うが、本当に記憶が無いのだからしかたがない。


「それにしても人が居ないな。」


いくら昼で沢山の人が仕事に行ってるとはいえ何人かは今までも拠点に居た

はずなんだが。

と思って見渡したら俺がここ一年寝ていた部屋だった。

何か色々勘違いしてた自分がちょっと悲しい。


とりあえずドアを開けるか。

そういえばコイツとは無駄な死闘をしたんだったな。

あれはきつかった。おかげで魔力の手が使えるようになったが。


ドアを開けると、案の定十人くらい人が居た。

誰か知ってる人が居ないかなーと目を凝らしていると、クルトを見つけた。


「おーい。クルト~。」


「何か口調が軽いっ!?」


そうだった。敬語で話してたんだっけ。じゃ、やめよう。

クルトに敬語は使えない。精神的に。


「それはともかく、僕が服の修理をやってた時の様子を教えてくんない?」


「うん、その口調のほうが楽だ。」


「そんなことはいいから。それより僕の質問に答えてよ。」


「ああ、ごめん。じゃあ、簡単に言わせてもらうとロイドがめっちゃ怖くみえた。」


「どゆこと?」


「なんかいきなり笑いながら針と服を触らず浮かせて服を修理してた。途中から縫う服の数が二つになって「俺は阿修羅に進化した。ヒャッホーイイイイイイイ!!!」とか叫びながら増え続ける服を3日で全部片付けて、

最終的には「俺はやりきったぞ!ジョ○ョーーーー!!」て叫んで倒れながら眠るやつを怖いと言わずなんという!?しかも二日も寝てるし!」



…………………。

ごめん。なんかごめん。前世の変な知識をはみ出させながら作業をしちまったのはたしかに俺のミスだ。


でもさ―――――



「俺のことを考えず服の修理を押し付けまくったせいだろうがあああああ!!!!!」



「「「「「!?」」」」」



広場にいるほぼ全員が俺の方向を向いた。やべ。俺って言っちゃった。


そして、俺は気がついた。

今拠点に残っている人の半分はは確か前も昼に拠点居たような気がする。

で、更に前も残っていたこの人達は全員今何かしら修理とかをしている。

拠点の修理や寝床の整理、見張り等だ。

ということはつまり―――――


(雑用か!?)


そう思った瞬間。



「諦めろ。それが俺たち雑用の扱いだ。」


やっぱりーーーーーー!たしかに俺は現状裁縫しか出来ないけど、

いくらなんでも酷すぎだろ!俺まだ1歳だぞ!

こんなブラックなこと毎日やらされてたまるか!

そう愚痴をクルトにでもぶつけようかと後ろを見ると、クルトがなんかどこかに行こうとしていた。


よし、捕獲するか。とりあえず捕まえとけばいいような気がする。

という訳で早速魔力の手を二本延ばす。あ、クルトに届かない。

じゃあこのまま追加で魔力の手を既にある魔力の手から二本手を延ばすか。

裁縫も魔力の手が追加で使えるようになったことだけはやってよかった、

と思ってる。ただしキツすぎたが。


「!?なんだこれ!」


よし、クルト捕獲完了。魔力の手の長さを短くしてクルトに近づく。


「どこに行こうとしてたの?」


とりあえず笑みを浮かべてみる。


「ヒッ!しゅ、集会だよ!これから集会があるんだ!」


ヒッってなんだよ。そんなに俺怖い顔した覚えはないんだけど。


「集会って?」


「集会ってのはこの街にある山でこっそり開かれる俺らの集まりの事だよ!

二ヶ月に一回開かれるんだ。、てことで離してくれ!お前が捕まえてんだろっ?」


「じゃあさ。一つ頼みを聞いて。」


「何だよ?」


「あのさ―――――

僕を集会に連れてってくんない?」


















「ぜえはぁ。疲れた………。げほっ!」


いやー集会所の山がこんなに遠いとは思わなかったぜ。

何せウィンド・ブーストを全力でかけて1時間くらい走ったところがやっと

山のふもとだもんな。軽く絶望した。


そのあとは湧き上がる恥を押し殺してクルトにおんぶしてもらってウィンド・ブーストをかけながらここまで着いたんだけど。


それにしても見つからないようにしないといけないから集会所が町から遠いところにあることに気付かないとはやっぱ俺は馬鹿だなぁ。


疲れがとれてきたので顔を上げると、木が組まれて台座になっている場所に人が立っている。

誰だろうと目を凝らすと、それがリーダーだと解かった。


てか誰も人がいないじゃん。後ろを向いてクルトに言おうとした所で、


「あ、早く来すぎた。」


「は!?」


いやクルト何言ってんだよ。


「ウィンド・ブーストをかけられたおかげで早く来すぎたっぽいな。」


「マジかい。」


ウィンド・ブーストって性能めっちゃ高いじゃん。

よくよく考えてきたら一歳児が五年生と鬼ごっこ(貞操を賭けた戦い)ができる時点でチートレベルだろ。


「じゃあどうするの?」


「他の人が来るまで待とう。ただし隠れて。」


「!?隠れる必要なくない?」


「いや、隠れない―――――



「お前ら!早いな!待ってるのも嫌だろう!俺が訓練してやる!」



…………………。

なんかいやな予感しかしない。

おい。


「クルト、俺と一緒に地獄に堕ちよう」


仮面ライ○ーを見まくったかいがあったぜ。














「お、人が来た。もういいぜ。」


お、終わったあああああ!めっちゃきつかったんだけど。

うさぎ跳び十分耐久とかマジ勘弁。転生してから何度も思うけど一歳児にやらせることじゃないよね、ホントに。

ちなみにクルトは案外余裕な顔をしている。糞っ。なんかムカつく。


そういえば人が来たって言ってたけどどんくらい来たんだろう。

リーダーが向かった方へ視線を向けると、そこにはたくさんの人がぞろぞろとやってきていた。

あ、中に一人俺たちを同情するような目で見てきたやつがいるぞ。

つうことはみんな時間通りに来たのかよ。何か損した感がパナイ。


リーダーは、全員が集合したのを確認すると、


「これからっ!第121回総集会を始める!」


大音量で叫んだ。

わお。人ってこんなに声出せるんだ。

てそれよりもこんな大声出してここの場所がばれたりしないのか?

周りを見渡すと、全員が「いつものこと」的なで感じで流しているから

だいじょうぶなのかな。


「というわけで今回話し合うことは今年の不作の対策だ。」


え?今年って不作なの?やばいじゃん。


「なんかいい案があるやつは言ってくれ!」


他の人が一斉に考え始める。確かに深刻な問題だしな。

そういえば不作の原因ってなんだったっけ?

確か、天候の崩れとか自然災害とか害虫が主だったような気がする。


「何で今年は不作なんだ?」


「今年はいつもより寒かったからよ、一部の野菜を除いて全然取れなかったらしいぜ?」


一部の野菜ってあれか。高原野菜ってやつか。

どうりで今年は固くて食えねえのにキャベツが出たわけだ。


「そういえば俺達で畑とか運用してるのか?」


「してるしてる。だけど今年は全滅だ。全部枯れちまった。」


あ、一応畑はあるんだ。


「ちなみにどんな野菜を植えてるんだ?」


「確かピーマンっつー苦い奴だぜ。」


ピーマンか。あれ促成栽培とかするから高温での栽培が望ましいんだっけ。

どうりで全滅するわけだ。


「じゃあどうすんだよ。」


「だからこれからそれをみんなで考えんだろうが。」


「あ、ごめん。」


いやーどうしようか。芋とか植えれば飢饉とかは乗り越えられるだろうが

収穫できるのは来年だしなぁ。

さて、どうしたものか………。


「もう仕方がねえ。ガラルドの爺から全部とっちまおうぜ!」


「いいのか?そんなことしたら確実にあの爺、死ぬぞ?」


「背に腹は代えられないだろう?」


「確かにそうだな………。よし、明日の夜8時、決行しよう。」


「「「「「「「応!」」」」」」」


え、どゆこと?

えっと、確か今食料がなくて、でそれで食料が無いから大量にどこかからとらないといけなくて、でそれでその爺さんから全部の食料を奪わなければいけない。

で、それでそのじいさんがしんで。おれたちがじいさんのたべるべきだったしょくりょうをたべて。ようするにひとごろしをする。

おれたちがひとごろしをする。ひとをころす。ひとをころす。ころす。

ころす。ころす。ころす。ころす。ころす。

ああ、もうわけわかんないや。ははははははは―――――



――――――ガコン。


なにがあった!?まあ、いいや。とりあえず落ち着け、俺。

まず、これからガラルドっていう爺さんから食料を奪い、生き延びる。

ここまでは解かった。じゃあこれからはどうすんだ?

また不作が起きちまったら同じことをしないといけないだろう。


「じゃあ、これから不作がまた起きたらどうするか案がある奴はいるか?」



お、やっぱりリーダーも同じことを考えていたか。

なら俺の出番だな。知識なら無駄にある。


「まずはそのガラルドっていう爺さんの畑を利用するべきだと思います。」


まずはそこからだ。そこから地球の農業技術を見せてやるぜ!


「おお、ロイドか。まあ確かにそうだな。」


「おいちょっと待て。お前は誰だ?」


さっき発言した人だ。もしかしたらリーダー的な人なのかな?

それはともかく俺が何者か、か。ならここは―――


「通りすが――――」


リーダーに手で口をふさがれた。


「ちょっと黙ってろ。こいつはロイドっつう愛称(ニックネーム)だ。

まだ一歳だがいろんなことができる。さらには光属性持ちのクアトロだ。」


リーダーが俺を自己紹介する。

それにしても「光属性持ちのクアトロ」か。どっかの称号みたいだな。


「なっ!でもまだ一歳だ。この場に参加させるのはまだ早い。

まだ思考もおぼつかないんだろう?」


「いや、かなりしっかりしてるな。まあ色々不思議なところもあるが。」


不思議ってなんだよ!いや、自覚少しはあるけど。


「いくらあんたの言葉とはいえ信用できないな。証拠もないだろう?」


めんどくさいなこの人。このままじゃあ俺の現代知識が生かされないじゃないか。


「この服が証拠だ。この服はロイドが修理した。」


ちょっと待て。リーダーもあのデスマーチの一人だったんかい。


「服の修理だと?あれはリンしかできないはずじゃ……。」


「なんかこいつ最初っからやり方知ってたんだ。

まあそれを含めてかなり不思議な奴だが思考はこいつの表情からわかるようにしっかりしているから集会に参加させてやってくれ。」


「とにかくこいつがめちゃくちゃな奴だということだけは解かった。

まあお前がそこまで言う奴なんだし、参加させてやるか。」


ひでえ!なんか俺のイメージが変人で固められているぞ!


「解かってくれたならそれでいい。

ところでロイド。続きを言ってみてくれ。」


「あ、はい。リーダーなら解かるかもしれませんが、同じような不作が起きた時に、必ず店頭にあった野菜って覚えてませんか?

もし覚えていたらその野菜を植えればいいと思います。

不作の時も店頭にあるってことはその作物が飢饉に強いってことですからね。」


「成程。不作に強い作物か。それなら「じゃがいも」って奴はずっと店頭に並べられてたな。でもあれは毒があるぞ?」


「あの作物の毒は芽にあるんです。だからくりとっちゃえば毒はなくなります。それに万が一毒にあたっても魔術で治せばいいじゃないですか。

ためしに一個芽をとって食べてみませんか?」


「ちょっと待て!誰がそんな出鱈目を信じるか!いくらなんでもそれは可笑しいだろ!そんなことが分かっているならあの作物は今頃もっと栽培されているはずだ!」


うん。彼の言うことは最もだ。確かに俺の小学校でジャガイモの芽に毒があるって聞いてビビった。俺とは逆だがそういう反応をするよな。


「ということで僕が実際に食べて見せたいと思うのですが、誰かジャガイモを持っていませんか?」


ここの孤児は賢い。なぜなら蓄えることを知っているからだ。

俺は他の孤児に会ってから少ししか経ってないが、ほぼ全員が食料を懐に入れてるのがわかった。これは俺が服の修理をしたときに気づいた。

だから一人くらいはいるはずだ。何せ俺の目の前には約三十人ほど人がいるのだから。


お、一人がこっちに向かってくる。


「じゃがいもってこれのことだろ?」


そう言って俺にじゃがいもを渡してくれた。結構重量がある。やっぱり俺筋力ないな。


「じゃあこれから芽をくりぬいてください。あ、愛称聞いてませんでしたね。なんていうんですか?」


「ギ―グだ。それより本当に大丈夫なのか?嘘でしたってんなら今だぜ?」


ギ―グとか。M○THERかっ。

あれは怖かった。当時小4だった俺の心に大きなトラウマを植え付けたよ…。


「大丈夫ですからくりぬいてください。日光に当てすぎると毒が出るようですから。」


「わかったよ。へい。終わったぜ。」


「じゃ、いただきます。」


「いただきます?何だそりゃ?」


「はへほのにはんひゃほふはへふはへひひふほほばへふほ。(食べ物に感謝をこめるために言う言葉ですよ。)」


「何言ってんだ。さっさと食え。」


そりゃそうだよな。さっさと食っちゃおう。


「!?」


あれ?うまくかめない?口の中にはあるのに噛めない!?


「まさかロイド、お前……噛めないのか?」


「………。」



―――――コクッ。


いやほんとにバカなんだろうか俺は。

じゃがいもちっちゃいし一口でいっちゃおう!なんて考えたさっきの俺を全力で止めたい。



「お前、やっぱり変な奴だな。」



―――――――返す言葉もございません。


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