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178話 闇属性((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル

アリエルの口調を丁寧語に変更しました。

「闇属性って、あれだよな?魔物とかが持ってる奴だよな?」


俺は、しどろもどろになりながらも確認をとった。


「ええ、そうです。あの(・・)属性ですね。

因みに、人類が持っている確率は光属性より少ないようです。」


「お、おい。大丈夫なのか………?

確か、闇属性に働きかける意志って……。」


「『極端な悪感情』ですね。

ですが、私達の特典(チート)はどうやら普通の属性とは違うようです。」


「へっ?」


「意志に関係なく属性が追加された、という感じらしいですね。

ロイドさん、貴方は光属性を持っていますが、自分に『極端な協調性』があると思いますか?」


「ねえな。絶対。」


「でしょう?

という訳で、私の事を怯えた目で見るのをやめてください。」


あ、あれ?俺、そんなにビビってた?

魔物とか俺の中のおっさんのせいで闇属性に恐怖を覚えていたのかもしれない。


「あ、うん。ゴメン。

そういえば、家族とかには闇属性のことは何も言われなかったのか?」


「隠してましたから。

魔王に、「これを覚えとかないと多分即刻死刑にされるよ?」と言われて転生前に闇属性の『アンチ・マジックサーチャー』を常時使っていましたから。今も使っています。

試しに『マジックサーチャー』を使ってみたらどうです?」


「そうだな。じゃ、遠慮無く。」


(『アクア・ブースト』、『マジックサーチャー』!)


俺の全力を尽くした『マジックサーチャー』が、彼女の魔力を読み取る。

しかし、


(闇属性が、見当たらない!?)


見つかるのは火と雷の魔力だけ。どう頑張ったって闇属性が見当たらない。


「これが『アンチ・マジックサーチャー』です。

闇属性にしか効きませんが、闇属性に関する全ての情報を全て遮断できます。」


「ありゃ、そんな凄い魔法を常時展開してて大丈夫なのか?主に魔力方面で。」


「相手が『マジックサーチャー』を使った時以外は反応しませんから。

それに、闇属性の副次的効果として『消費魔力が減る』というのがあります。

そうそう『アンチ・マジックサーチャー』のせいで戦況が傾くなんてことはありませんよ。」


「へえ、よく出来てんな。

魔王も俺にそういうこと教えてくれりゃあ良かったのに。」


「あの人は気まぐれですからね…………。

大方、私の死因で判断でもしたのでしょう。」


「死因は………聞かないほうが良さそうだな。」


「魔王曰く「傍らから観てる分には面白い」らしいのですが、割と重い話なのでそうしてもらえると助かります。」


「よし、じゃあ、ここらへんで転生云々の話はやめにしよう。」


「あ、そのことでお話があるのですが。」


「なんだ?」


「私も城塞都市に拠点を移そうと思っているので、出来れば城塞都市に帰る際、私も連れて行ってくれませんか?」


「そうか。なら、俺の雇い主の『氷帝』さんに聞いておく。」


「そうですか。では、返答を貰い次第こちらの魔道具でお知らせください。」


そう言って、彼女は俺の手の上に変な魔道具を置いた。

『マジックサーチャー』で視た感じからするに、魔力を記録させておくことで登録した相手と話ができるタイプか。

魔力持ちとしか通信できないのが痛いけど、便利だな、これ。


「って、何でこんな高価っぽのものを持ってんの!?

家出してきたんだろ!?」


「はい。

ですが、家出の際に予め手懐けておいた使用人達に常識の範囲内で家にあるものを拝借しましたので。

その使用人や私に何かあれば一家の不正を全て暴露すると父を脅してあるので、当分は大丈夫でしょう。

何か不測の事態が起こればその都度手は打ちますが。」


うへえ、この人、腹黒い。

闇属性云々はともかく、この人性格がちょっと凄いな。


「アフターケアも万全ってか。

それなら、城塞都市での生活は全然困らなさそうだな。」


「3年は持つでしょうね。

ただ、城塞都市にはあまり知り合いがいないので、ロイドさんには迷惑をかけるかもしれません。」


「あー、大丈夫だ。

出来る範囲で手伝ってやるよ。」


ぶっちゃけ、俺も帰ったら忙しくなりそうだけど。

そろそろ孤児院が完成する頃だろうし。

いやー、楽しみだ。

俺、この戦いが終わったら孤児に石鹸の大量生産させるんだ………。


「何やら遠い目をしている所悪いのですが、これからギルドで仕事があるので、ここでお暇させていただきます。

『氷帝』さんにも、よろしくお願いします。」


「了解。

あ、料金は俺が払っておくから。」


「では、お言葉に甘えて。

良い知らせが来ることを願っています。では。」


そう言って、彼女は個室を出て行った。



「さて、俺も帰るか。」


俺は、初老の男性に金を払って『慈愛の心』に戻った。



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