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172話 やったか!?

「『オープン』!」


試合開始と同時に、シュウが『封土の盾(スヴェル)』を取り出す。

我ながらほれぼれとする出来栄え。

無駄な装飾がない分、実に頼もしく感じるぜ。


「おおっとぉ!早速シュウ選手、見たこともない大盾を取り出しましたぁ!

しかし、デカすぎるぞ!?持てるのか?」


「『最大軽量マックスフェザー』。」


しかし、実況の心配は杞憂に終わる。

つーか、俺らがそんな目立っている弱点を対策しないはずがないのだ。

俺らが付与した『最大軽量マックスフェザー』。その効果は――――――――――


「――――――――大量のスタミナを糧とする極端な軽量化、でしたかな?」


「遂に来ましたァ!今回の解説者、『氷帝』、遅ればせながら登場ゥ!」


「あの闘いから目を離さないほうがいいですぞ、実況殿。

この闘いは間違いなく、面白いものとなりますぞ!」


「『氷帝』の太鼓判を頂いた今回の勝負!非常に楽しm…………

ああっとおおお!!ここでシュウ選手、盾を投げつけたぁ!?

何をしているんだアアア!?」


お、しょっぱなから第2のギミックを使ったか。

第2のギミックは、戦輪(チャクラム)モード。

観客席はその使い方に仰天しているが、『地帝』は余裕の表情だ。

『マジックガード』に絶対の自信を置いてるんだろうな。


けど、そっちも対策済みだ。


「っ!?『アイアンウォール』!!!」


『地帝』が焦ったように鉄の壁を生み出す。

まあ、そりゃそうだろう。なんたって、『魔法を引き寄せる』という効果を持った魔法陣をアダマンチウムの周りに書いてあるからな。

『マジックガード』を全部吸い寄せて、アダマンチウムで全て無効化する。

まさに『地帝』対策。他の奴はそんな固い『マジックガード』出せないだろうし。


――――――――ガキン!!!


「珍しい!!あの『地帝』が自ら防御のために魔法を使うなんてことが今までにあったか!?シュウ選手、これは大番狂わせがありそうだっ!!!」


シュウの動きに沸いたのか、観客達が騒ぎ始めた。

けど、本人は全く気にしていないようで、淡々と防がれた『封土の盾(スヴェル)』を手元に戻していた。

対する『地帝』の表情からはさっきまでの余裕が消えている。

まあ、ビビるよな。俺もいきなりアダマンチウムを使われた時ビビったし。


そんな『地帝』の表情をチラッと確認したシュウは、走って『地帝』への接近を開始した。

あの速度からして『ブースト』を使っているのだろう。


その様子を見て、『カウンタークレイヴ』を警戒したのかわからないが、『地帝』は遂にあの魔法(・・・)を使った。


「『シーシュポスの岩』!!」


「――――――――!!!―――――!――――――――!!!!」


(来たかッ………!!!!!)


実況が滅茶苦茶騒いでいるが、集中している俺の耳には届かない。

第3のギミックがしっかり作動するか見なければならないからだ。


「『跳躍』!」


シュウが、作戦会議で教えられた通りに空へ逃げる。

しかし、このままでは真下に着地し、また『シーシュポスの岩』によって捉えられてしまう。


誰もがそう思っている中、ガシャン、という音とともに『封土の盾(スヴェル)』から羽が生えた。

これが俺らの、第3のギミック。


「「「!?」」」


観客から、どよめきが起こる。

そんな中、シュウは空中を滑るように移動した。

良かった、グライダー作戦はうまくいったようだ。


そして、シュウが移動した位置は、丁度『地帝』の真上。


「『軽量化解除』!」


キーワードをシュウが唱えると同時に、本来の重量を取り戻した『封土の盾(スヴェル)』が『地帝』へと襲いかかる。

『地帝』は目を見開きながら何かを呟いていたが――――――――



――――――――ドオオオオォォォォォン!!!!!!!



――――――――全て、轟音と共に消え去った。



「「「……………………。」」」



「やったか?やったのか?


まさか、あの『地帝』を、たった9歳の少年が倒したというのかぁァァァ!!????」


ちょっと待て。実況さん、アンタ今盛大にフラグを建てやがったな?

嫌な予感しかしねえぞ!?


俺の脳内ブザーがけたましく鳴り響いた瞬間、闘技場の真ん中から物凄い勢いで土煙が噴出された。


「「「!?」」」


そんな激しい土煙に誰もが唖然としている中、その男(・・・)は地面の中から這い上がる。


「クックック、流石に今のはキツかったぞ………。

よくぞ、この私をここまで追い詰めた。肉壁にしては上出来だ。

が、一歩足りなかったな。私を仕留めるにはもう一手必要だった。」


「ッ!!『最大軽量マックスフェザー』!!」


シュウが素早く『封土の盾(スヴェル)』を戦輪(チャクラム)モードへ変化させ投げつける。

が、


「二度は喰らわん。『ブースト』。」


『地帝』は、それをしっかりと掴んだ。

多分、『グラウンド・ブースト』も同時に使っているのだろう。

凄まじい耐久力だ。


「くっ!『クローズ』!」


「はっ、遂にその盾をしまったな!

残念だが、ここで終わりにさせて貰おう。

詠唱破棄、『クリエイト・ゴーレム』!!!」


『地帝』が手を地面につけると、周りの地面が隆起を始める。

シュウが直様『オープン』で『封土の盾(スヴェル)』を取り出すが、時既に遅し。


「完成だ。」


『地帝』の背後に、2体の巨大なゴーレムが君臨していた。

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