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170話 とあるオタクの大暴走

文章評価が1000ポイントを達成しました!有り難うございます!

約20時間に渡る激闘の末に、それ(・・・)は完成した。


「うへえ、俺の脳みそも完全にショート状態だぞ……。」


「こんなデッケエ仕事をしたのは久しぶりだぜ………。」


工房の地面に横たわり、ほぼ死にかけな俺達の眼の前に転がっているのは、一つの大盾だ。

勿論、ただの盾じゃあない。

特殊ギミックがいくつも収録されているようなハイスペック大盾だ。

俺達の安心と信頼のパイルバンカーもしっかり収録されている。


「さて、決闘まであと7時間しかねえ訳だが………。

肝心の使用者のほうがこの大盾を使いこなせるか、だな。」


「あ?うちのシュウを舐めてんのか。この程度のピンチ、日常茶飯事だ。

アイツならどうにかしてくれるウンソウダソウニチガイナイ。」


「冷や汗流しながら言うなよ………。」


ぶっちゃけ、やり過ぎた感は多少ある。

機能を付けすぎてシュウが使いこなせない可能性だってある。

が、しかたがないのだ。


「そう、それほどまでに『地帝』という壁は厚いのだ………。

だから、別に俺等が例えやり過ぎていたとしても大丈夫だ、モンダイナイ!」


「だから冷や汗流しながら言うなよ…………。」


「嫌だって実際そうじゃん!?」


「作った本人が言うなよ!?」


「あ!?てめえだって作った本人の一人じゃねえか!」


「大体お前があんなにアイディアをポンポン出さなけりゃあこんな風にはならなかっただろうがよぉ!」


「そのアイディアにノリノリだったのは何処の誰だよ!」


「喧嘩売ってんのか?」


「こっちのセリフだボケ。」


「よっしゃ死ねえええええ!!!!!!」


「だーれがそんなへなちょこパンチを食らうかバーカ!」


小学生並みの煽り合いの末に発生した肉弾戦。

そんな俺らの熱いファイッ!も、一人の少年が一言によって中断されることとなった。


「二人共、さっきまでぶっ倒れてたのによくそんな飛び回れるね………。」


「「!?」」


シュウ………だと!?

因みに、シュウとギルはさっきまで盾に囲まれて寝ていた。

何処かの宿で寝てこいといったのだが、出来上がった盾をすぐに触りたい、ということでここで寝ていたのだが………。


「ちょ、ちょっと待て、おめえさん、何時から起きていた?」


「い、今だよな?今起きたんだよな?さっきまでの俺らの会話なんて聞いてないよな!?」


「『「こんなデッケエ仕事をしたのは久しぶりだぜ………。」』ってこところから、かな?」


「ほとんど最初からだったぜチクショウ!」


「しゅ、シュウ、この盾は真面目に作ったからな、うん。

別に趣味全開でなんか作ってねえし?せいぜい趣味半開程度だし?」


「そ、そんな必死に言わなくても…………。

それより、その趣味半開で作った盾っていうのはどこ?」


「ああ、ソイツならそこの壁に立てかけてあるぞ。」


そう言いながらチビおっさんが指さしたのは、円状で真ん中に突起のある大盾だ。

元となったのは『破岩の盾』という大盾で、名前からお察しかもしれないが、土属性に対して有利に戦えるよう設計されている。

具体的に言うと岩を飛ばす魔法などに対抗できる物理防御、地面を揺らすみたいな体制を崩す魔法に対抗できる安定感を持っている。


これに、特殊ギミック各種とアダマンチウムによる魔力中和が合体することで圧倒的土属性メタになる………………筈。


「って、重っ!?なにこれ、こんなのを持って戦える訳がないよ!」


「ま、大量に特殊ギミックをつぎ込んだからな。そりゃ重くなるだろ。」


「何でそんな誇らしげにいうのさ!困るのは僕なんだけど!?」


「まあまあ、落ち着けって。俺らがその程度の対策をしてないとでもいうのか?」


そう言って、俺はこの盾、『封土の盾(スヴェル)』の特殊ギミックを説明し始めた。















翌朝。


俺達は、『マジックガード』の上にシュウを乗せて、闘技場へ向かうため、王都の朝市の中を駆け抜けていた。

因みに、シュウを『マジックガード』の上に乗せているのは、『封土の盾(スヴェル)』の特殊ギミックの一つと関係している。


ただ、俺が『白濁拳(ヴァイス・ファウスト)』を『マジックガード』につけながら走っているせいで、傍らから見ると変なふうに見えるようだ。


そりゃ、そうだろうな。なんたって傍らから見れば俺が片手でシュウを持ち上げて走っているようにしか見えない。

間違いなく俺はマッチョかなんかに思われるだろう。嬉しい誤算だぜ。

例え、「ねーねーあの人ダーレ?」「み、見ちゃダメよ!」って言われてたとしても嬉しい誤算だ。ウンソウダソウニチガイナイ。


と、若干心を傷つけながら賑わっていた朝市を抜けると、人気の少ない道に入った。

よし、もう少しで闘技場に着くな。


そう考えながら走っていた俺の視界に、急に雷光が飛んできた。


「!?」


「『ブースト』!」


が、それはギルによって叩き落とされた。

大方あの予知じみた勘で察知したのだろう。それにしてもジャストミートだった。


俺の視界を遮っていた『重力魔剣』をギルが手元に戻すとそこには5人の少年少女が居た。


「チッ、流石はお父様の対戦相手か。」


「けど、少しでもお父様を有利にするために!」


「くらえ!

我が水の力集いてその身を穿て!『アクア・アロー』!」


「ファッ!?」


(『マジックガード』!)


ちょ、待てい。

なにこれ、『地帝』って他にも子供居たの!?

しかも全員シュウより年上っぽいし。

てかこれ反則だろ。ふざけてる。


「ハハッ、『マジックガード』対策はお父様のお陰で完璧なんだよ!

我が火の力集いて彼の者の守護を撃ち抜け『マジッククラッシュ』!」


「ヤベッ、シュウ、一回あれを解除すっぞ!」


「え、ちょ!?」


ドスッとシュウが落ちる音を聞くと同時に、『ウィンド・ブースト』と『魔手装甲』を発動する。


そして、加速した体でこっちに向かって走ってくる『マジッククラッシュ』少年(俺命名)に向かって、拳を突き出した。


「うおお、魔法特化じゃなかったのかよ!『フレイム・ブースト』を掛けておいてよかったッ!」


そう言いながら、『マジッククラッシュ』少年は拳を合わせてきた。

おい、魔法特化じゃねえのはお前も同じじゃねえか。『魔力装甲』に拳を合わせて防ぐとかどんな神経してんだ。


「ちょっと待ちなさい、追撃をしかけるわ!

我が雷の力集いt「へっ、俺の存在を忘れんなよ!」キャッ!?」


うおお、危ねえ。ギル、ナイスプレーだ。

雷魔法って速いから躱しにくいんだよな。発現されると厄介だった。

今のみたいな追撃を避けるため、俺は『マジックサーチャー』を展開する。

おお、皆魔力量凄えな。

てか、まさか『地帝』の一族って全員加護だけじゃなくて魔力持ちだったりすんのか?

うへえ、なんてチート一族だ。


そんなことを考えながら、目の前の『マジッククラッシュ』少年の頭に手刀を入れて、気絶させた。

よし、ギルも一人K.O.してんな。

シュウは自分の身を守ることに専念しているようだ。

まあ、なんか間違えて怪我したら目も当てられないし、その方がいい。


二人の状況を確認した俺は、さっき『アクア・アロー』を撃ってきた奴に向かって急接近した。


「!!我が水の力集いて彼の者を押し流せ『タイダルウェーブ』!」


『アクア・アロー』少年が水魔法によって俺を押し流そうとしたが、俺はそれをジャンプすることによって避ける。

おお、流石は『魔力装甲』で強化された脚力。俺の身長と同じくらい跳べるぜ。


「って、俺の身長を馬鹿にしてんのかあああああ!!!」


「何か理不尽!?」


腹いせにそのままドロップキックを決めてやった。

うん。我ながらどうかと思う。

まあいいや、残り二人になったし。


着地したばっかの足を動かし、そのままシュウに攻撃しようとしている風属性少女に向かって俺は魔手を伸ばした。


「いったあ!!誰!?」


「私だ。」


俺は暇を持て余した神々のA☆SO☆BI的な感じ(適当)で、魔手でぶん殴り、風属性少女を無力化した。

あ、言いたかっただけです本当にすみません。


「おーい!最後の一人、終わったぞ―!」


「よし、ナイス!

けど、今ので大分時間を食っちまったから急ぐぞ!」


「「了解!」」


「まあ、僕は運ばれるだけなんだけどね……………。」


「反応に困るぜ…………」


そう言いながらシュウを『マジックガード』に乗せて、俺等は闘技場へと向かった。




定期終わってハイテンションで書いたので字数がいつもの1,5倍になりました。(尚それでも3300字しかない模様)


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