表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
157/407

152話 勝てない勝てない、マ・ジ・で

あの後、俺達は校長室に向かい、賞を受け取った。

2位の報酬はよく切れるナイフだった。

解体、料理、捌く、なんでもござれってのがウリらしい。

いやあ、良い物を貰った。

カナルからも結構金貰えたし、いい日だったな。


まあ、その後校長の勧誘を受けて断るのには苦労したが。

もう俺は学校には行きたくないんだ。前世でたっぷりと行ったし。

どうせ行ったって攻撃魔法の使えない俺が学べることなんて少ないだろうし。

女子いるし。女子怖いし。


そうだ、女子怖いといえば学園一位のあの人もちゃんと校長室に来ていた。

怖かった。

前世から数えて22年間生きてきたが、あんな目で人を見る奴は初めてだ。

絶対慣れないんだろうな。


そんでもって、学園一位が気になった俺は、いろんな人に少し聞き込みをしてみた。

わかったことは、

・戦闘スタイルはアサシン風。

・膨大な魔力を持っている。ただし、水属性しか使えない。

・基本的には無口で、常にぼっち。

・戦闘力は化け物。元Sランクの校長と対等にやりあえるらしい。


ヤバイ奴に目をつけられたものだ。

ドコかのツンツン頭並みに不幸だ。

警戒は崩さないようにしておこう。


こんな聞きこみをしていたせいで、俺は家に帰るのが大分遅くなってしまった。

ついさっき帰ってきたばかりだ。疲れた。


因みに、今はもう夜の1時。もうそろそろ寝ないとな。

俺は、自分のベッドに入って瞼を閉じた。















「おお!!やっと来たか!待ちくたびれたぜ………。」


「「「?」」」


俺達がギルドに来ると、グランさんがほっとしたように溜息を付いた。

どうした。『イレギュラーオルフェン』依存症にでもなってたのか。


……………………。

想像して吐きそうになった。

ホモはお断りだ。断固として拒否する。

俺が愛せるのは二次元の女子だけだ。

末期ですね本当にありがとうございましたッ!


「お前ら、実はCランク昇格試験が受けられるようになってんだ。

どうする?受けるか?」


ああ、そういうことか。

確かに俺等は3日間位ギルドに行ってなかったしな。

そりゃ待ちくたびれるわ。


「どうする?受けるか?」


「勿論だ!さっさとCランクに上がって沢山依頼を受けようぜ!」


「受けて損はないんじゃない?」


「わかった。受けるよ、昇格試験。何処でやるんだ?」


「前回と同じだ。闘技場に行くぞ。」


「あれ、ちょっと待てよ、まさか前みたいに沢山観客がいるなんてことはないよな?」


「安心しろ。たっくさんいるぜ。」


「安心できる要素が一つもねえ!?」


「前回はお前の知名度もそこそこ程度だったから闘技場もそこまで埋まらなかったが、お前らの知名度は今や結構高くなってるからな。

あんな狭い闘技場じゃ収まらないかもしれん。

おかげでこっちは金がガッポリでウハウハよ。」


「ちゃっかり金を稼ぐ辺りが冒険者らしいな………。」


「貰えるものは全て貰うのが冒険者だからな。

じゃ、行くか。広告組が今頃客を集めまくっているだろう。

あいつらは無駄に優秀だし。」


広告組って、なんじゃそりゃ。初めて聞いたぞ。

客引きみたいなもんかな。

冒険者の客引きか。乱暴なイメージしかねえな、酒場での殴り合いを見てる限り。


「そういえば、戦う相手は誰だ?」


俺がなんとはなしに聞くと、グランさんは楽しそうに口角を上げた。


「そいつぁ後でわかるだろうさ。

多分ビックリするだろうな。」


「そ、そうか。

じゃ、闘技場、先に言ってていいか?」


「いいぜ。俺は足を怪我してるからそんな速く走れねえし。

客も速く闘いを見たいだろうしな。」


あ………。忘れてた。グランさん足ケガしてたんだよな。

本当なら治したいところだけど、もう既に傷が定着してしまっている。

こうなると俺にはどうにも出来ない。『ヘイレン』も効かないし。


「何かスマンな。じゃ、行かせて貰うぞ。」


(魔手装甲、『ウィンド・ブースト』!!)


「『ブースト』『弾壁』『跳躍』。」


「『ブースト』『ダッシュ・アクセル』。」


俺達は、全速力で闘技場に向かった。


「あれ、そういえば闘技場って何処だっけ?

ロイド、さきに行ってくんねえ?」


おい。














――――――――ワアアアアァァァァァァァァァ!!!!!


「さあさあさあ!これから始まるのは最近巷で噂される天才児の集団、『イレギュラーオルフェン』とぉぉぉぉぉ!!!!」



――――――――嘘だろ。



「『節約魔術師(エコノミーマジシャン)』で有名な『終わりなき惨劇インフィニティトラジェディ』による熱ゥゥゥイ闘いだアァァァァァァ!!!」



「ハハ、ロイド。申し訳ないけど、今日は全力で行かせてもらうよ。」


「シュウとギルだったか。ギルマス譲りのその体術、しかと見させてもらおうじゃないか。」



この二人(先生・シオンさん)が相手とか、キツすぎんだろ。


俺達の昇格試験は、案外厳しい物になりそうだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ