13話 上目遣いって強すぎwwww
ポケモンXが終わったのでひとまず更新します。
次はポケモンYをプレイするので更新送れるかもしれませんm(__)m
ドアを開けた先では血まみれになっている一人少年が倒れていた。
思わず顔を背けてしまう。前世ではしょっちゅうゲームで血を見ていたが、
リアルだとさすがにグロい。
「もう大丈夫だ、ウィルが来てくれたぞ!」
俺たちを呼んだ少年が血まみれの少年―――――ザックというらしい―――――に話しかける。
が、俺の見た感じではもう彼は駄目だ。
胸をナイフで刺されてる。これでも医者を目指していたので彼の様子から
死が遠くないことがわかった。
ここまで考えて俺は寒気がした。
気づいたのだ。人が死にかけているのに淡々とした自分がいることに。
今度は吐き気がする。
今目の前にいる少年がこれから一年前俺が感じた絶望感、無力感、後悔を感じるかも知れないのに何を淡々としているのだ。
助けねばならない。
俺は決心し、血まみれの少年へと一歩を踏み込んだ。
が、その前を先生が通る。
先生は少年に近づくと、傷口を見始めた。
「コイツは誰にやられたんだ?ナイフに毒が塗ってあるぞ?」
「何だと?ああ、すまない。びっくりしちまった。
そいつは肉屋の親父から肉を盗ろうとしたところでナイフを投げられたんだ。」
「アイツから盗ろうとしたのか?あの親父は結構危ないもんを持ってるって有名じゃねえか!」
「好奇心が湧いちまったんだろうなぁ。それより傷はどうだ?」
「深く刺さっている。余程の至近距離で投げられたんだろう。
まずは解毒からか。
我が水の力集いて彼の者を蝕む毒を治せ『アンチポイズン』!」
「続いて
我が水の力集いて彼の者を癒やせ『ヘイレン』!」
ダメ元でも治療しよう、そう考えていた俺はびっくりした。
あまりにも回復魔法が凄すぎる。
今やもう傷口のあとすら無い。
「あれ?気絶しちゃったか。
我が水の力集いて彼の者を蝕む気絶を打ち消せ『アンチスタン』!」
少年が目を開いた。と同時に彼は
「ゴホンッ!」
胸を掴みながら咳き込んだ。
この様子を見て俺はピンときた。
恐らく彼は肺を傷つけたのだ。胸に深々と刺さっていたらしいし。
肺を傷つけた場合、肺気胸になったりして胸部の痛み、呼吸が弱くなる、
咳が止まらない症状等が発生する。
が、彼の胸に追い打ちがかかる。
胸の傷が又開いたのだ。
「どうした、ザック!」
「すみません、ちょっと通してください!」
ウィンドブーストを自分にかけて最速で少年の傍らまで行き、
ヘイレンを使う。
成功したようで、少年の周りに光が集る。よし、後は
「凝縮!」
胸を中心にヘイレンを凝縮させる。
すると今まで咳き込んでいた少年の咳が徐々に止んでいった。
「…………。」
「………………。」
「す、」
「「スンゲエエエエエエ!」」
「のわっ!?」
何だ!?びっくりしてふりかえると、そこは十数人の仲間がいた。
っていつの間に!?
俺がビックリしていると、先生が俺の肩を叩いた。笑みを浮かべて。
何か本能が逃亡することを最善策としているのでとりあえず逃げようとしたら、肩に入る力が増えた。
「どうしたんですか!?」
「説明して欲しいんだけど。」
ちょっと待て、俺は何もしてないぞ!ただ一人の少年を治しただけだ!
だからその何かを喰うような笑みをやめてくれ!
「な、何をですか?」
「君ね。」
「なんで無詠唱できんの!?」
………………………アアーーーーーッ。
「な、なんででしょう?」
「無詠唱が出来る人がこの世に何人いると思ってる!?」
「5000人くらいですか?」
「違う!約500人だ!しかも全員どこかの宮廷魔術師になっている!」
俺は唖然とした。無意識でやってしまったものがそんなに高度のものだったとは。
多分これはチートの一つだろう。
「てことで説明してみろ!」
いや、無理です。チートのおかげだZE☆なんて言えるはずがない。
が、答えなければ先生の一撃を回避はできない。
その瞬間、俺の脳みそが天才的な案を出した。
まさか…………この技をまた使うことになるとは……………。
若干の後悔を抱えながら俺は先生への重い一撃繰り出す。
「ウッ…………………!」
決まった。俺は確信した。
これで彼は俺に対して攻撃できない。
横で震えている先生を置いといて俺はチートの考察を始めた。
現状でわかっているチートの能力は
メリット
・記憶の引き継ぎ
・クアトロ
・光属性
・無詠唱
・魔力持ち
デメリット
・生活環境
・魔力の少なさ
凄いな。
回復量半端無くて色々魔法が使えてスピーディな魔法使い。やばい。
ネトゲだったら最強かもしれないな。
それにしても無詠唱はいい。これから攻撃魔法を教えてもらえるし、
戦略の幅が広がる。
ま、今は俺の一撃に叩きのめされた先生の復活を待つとしますか。
そう考えて後ろを見ると、後ろにいた十数人の仲間も倒れていた。
そんなに強いのか、この一撃。
ただ、2次元にありげなズギューンとくる上目遣いをしただけなんだけど。
―――――アンチスタン、使ってみるか。