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12話 支援魔法の巻

遅れました(_ _;)

「じゃあ、まずは魔法とは何かについて説明しよう。」


「魔法っていうのは前にも言った通り、魔力を使って起きる現象なんだ。

でも魔法を使うには強いイメージが必要なんだよ。で、この魔法を手っ取り早く使う方法が呪文というものなんだ。この呪文にはその言葉によってそれぞれ魔法を起こす。いわば魔法を発生させるキーワードだね。」


「呪文無しで魔法を使った場合どうなるんですか?」


「より強いイメージが必要になるね。世間では呪文無しで発動する魔法を

「無詠唱」て呼んでいるよ。」


「じゃあ実際に魔法を使うよ。

我が水の力集いて仇敵を討て『アクア・ブリット』。」


うおお!?水の玉が出た!いや玉というよりは銃弾か?


「発射。」


ヒュッ。ドゴーン。


「!?」


ええ!?壁壊しちゃったよ!?ただ威力がやばいことだけは解った。

これからは絶対に怒らせない。あんなの撃たれたら死ぬ。


「壁壊しちゃっていいんですか?」


「あれ?クルト教えてくれなかったの?ここは地下だから。

壊れても大丈夫だしむしろここを広げる時に掘る暇が短縮されて良いんだ。

魔法の練習ができて掘る暇が省ける!最高じゃないか!」


あ、そういえばクルトがそんなこと言ってたな。

忘れてたわ。


「つまり僕も練習すればこんな悲劇を起こせるんですか?」


「ひ、悲劇って………。ええい、気にしたら負けだ。

うん。出来るようになるよ。ただ先に支援魔法を覚えてもらうけど。」


俺でも出来るようになるのか。魔法使いのほうが圧倒的に強いじゃん。


「て事でまずは自分の魔力の流れを感じてみよう。ここに座って。」


魔力の流れてあれか?黙想する時に感じるアレか?


「多分もうわかってると思います。体の中を川のように流れているやつですよね?」


「え!?もう感じているの!?何でもありだな君は…………。」


「じゃあ次。その魔力を動かしてみて。」


「それも出来ますよ?はい。」


「え、ちょっと待って!我が水の力集いて彼の者を探れ『マジックサーチャー』。凝縮!」


へー。マジックサーチャーてこんなのも見えるんだな。

じゃあちょっと変な形にするか。


「嘘!?なんで蟻の形になってんの!?」


蟻はダメか。じゃあ小鳥で。


「形を変えた!?あと小鳥だったらいいとかそういう問題じゃないから!」


小鳥でもダメか。じゃあ次は………。


「いや、もういい。ていうか勘弁してくれ。」


「わかりました。」


「もうそんなに魔力の扱いに長けているならいきなり呪文を教えても大丈夫かなぁ。まあいっか。

じゃあまずは唱えてみて。

我が土の力集いて彼の者を助けよ『グラウンド・ブースト』。

唱える時に誰に支援魔法掛けるかイメージすると出来るよ。」


「え、ちょっと待って下さい。呪文を唱える時に魔力の扱いに長けてないと

ダメってどういうことですか?」


「あ、言うの忘れてた。魔力に慣れてない状態で魔法使うと魔力切れ起こすから。他の人に教える時気をつけてね。」


「わかりました。

じゃあ早速魔法を使ってみます。

我が土の力集いて彼の者を助けよ『グラウンド・ブースト』。」


先生に掛けるイメージで使ってみる。

呪文を唱え終わった途端、小さな流れの一つから魔力が強引に引っ張りだされた。慌てて引き止める。魔力切れを起こす理由は多分この魔力の放出を

止められないことが原因なのだろう。


「よし、成功だ。」


「わかるんですか?」


「『グラウンド・ブースト』は体を固くするんだ。今頬をつねられなかったから成功だと思う。」


「あ、すみません。まだ支援魔法の効果聞いてないんですけど…………。」


「そうだったね。じゃあ説明するよ。

まず1つ目。火魔法で筋力を上げる。呪文は

我が火の力集いて彼の者を助けよ『フレイム・ブースト』。

2つ目は水魔法で集中力と魔力を上げる。呪文は

我が水の力集いて彼の者を助けよ『アクア・ブースト』。

3つ目は雷魔法で瞬発力と思考力を上げる。呪文は

我が雷の力集いて彼の者を助けよ『ボルト・ブースト』。

4つ目はさっき使った土魔法で頑丈さと落ち着きを上げる。

呪文はさっきも使ったしわかるよね?

5つ目は風魔法で速さと視力を上げる。呪文は

我が風の力集いて彼の者を助けよ『ウィンド・ブースト』。

ちなみに支援魔法は魔力さえ尽きなければ重複も可能だよ。覚えといて。」


え!?ちょ、支援魔法って


「光と闇はないんですか!?」


「光と闇は珍しいからねぇ。ただでさえ少ない魔力持ちの中でも希少なのが

光と闇なんだ。さすがに発見できないらしいよ。」


ガチョーン。絶対光魔法の支援魔法とか神ってると思ったんだけどなぁ。


「そういえばなんで先生はそんなに魔法に詳しいんですか?」


その瞬間、先生の顔がひきつった。

あ、聞かないほうが良かったことを聞いちゃったたかもしれない。

そう考えて俺が「やっぱりいいです。」と言おうとした時、先生が口を開いた。


「僕はね、元々魔力はなかったんだ。だけど5歳の時村の外で魔物に襲われてそれ以来魔力を持っちゃったんだ。だから捨てられた。

今ある知識は魔力が発現してから捨てられるまでに必死で蓄えた物だよ。」


マジかよ……途中まで親の愛情を受けておきながら捨てられたのか………。


「すみません。暗い話をさせてしまって。」


「いいんだ。それより支援魔法の練習をしよう。」


俺は気づいた。この世界の人は強いのだと。多分日本人でこの現実を受け止められる人は少ないと思う。俺も強くならなくちゃな。


「わかりました!」

















支援魔法を全て試した所で、先生に声をかけられた。

全てって言っても水と土と風だけだが。


「全て試したみたいだね。じゃあ次は治癒魔法に入ろうか。」


な、なんだってー。治癒魔法って魔王が俺にかけてくれた奴じゃないのか?

確か『ヒネトヘイレン』つったっけ。


「治癒魔法ってどんなものですか?」


「治癒魔法は水、土、光属性の支援魔法の一つで、毒を治したり、怪我を治したり、凄いものは魔力も回復できる魔法だよ。」


「全部僕の属性じゃないですか!」


「そうなんだ。しかも君は光属性の割合が大きい。」


「と、いうことはまさか………。」


「その通り。君はこの国、大陸、いやこの世界で超一流の治療師(ヒーラー)になれる素質がある!」


「おおお!」


「というわけで早速いくよ。

我が水の力集いて彼の者を癒やせ『ヘイレン』!」


俺の周りを水色の色の粒子が包む。怪我をしてないからわからないけど、

癒やされてる感がきた。。風呂に似てるな。



「さあ、やってみて。ちなみに君の場合、我が光の力と唱えてね。」


「我が光の力集いて彼の者を癒やせ『ヘイレン』!」


魔法の対象は俺だ。

光の粒子が俺を包む。なんかさっきよりも癒やされてる感がある。

光属性ってマジパネェ。


「す、凄い!これが光属性の力か!やっぱり君には尋常じゃない治療師(ヒーラー)の才能がある!」


やっぱり凄いみたいだな。

そういえばさっきから治療師(ヒーラー)ばっかり言ってるけどなんだろう?


治療師(ヒーラー)てなんかの仕事なんですか?」


「いや、仕事じゃない。冒険者や教会で人を癒やすことを専門にしてる人のことを治療師(ヒーラー)とよんでいるだけだ。ちなみに攻撃魔法に特化した人は魔術師(メイジ)、支援魔法に特化してる人は付与師(エンチャンター)て呼ばれている。」


あ、教会あるんだ!?でもなんで孤児を引き取らないんだよ。


「教会では孤児は引き取らないんですか?」


「一応引きとるけどね。金を払った人だけなんだ。」


ああ。この世界の教会は金の亡者の住み場的な場所か。嫌だな。


「まあそれはさておき次は解毒系だね。まずは解毒からいこう。」


「何種類もあるんですか?」


「うん。解毒系は4種類ある。

1つ目は解毒。呪文は

我が〇〇の力集いて彼の者を蝕む毒を治せ『アンチポイズン』。

2つ目は麻痺抜き。呪文は

我が〇〇の力集いて彼の者を蝕む痺れを治せ『アンチパラライズ』。

3つ目は眠気ざまし。呪文は

我が〇〇の力集いて彼の者を蝕む眠気を払え『アンチスリープ』。

4つ目は気絶を治す。呪文は

我が〇〇の力集いて彼の者を蝕む気絶を打ち消せ『アンチスタン』。

君の場合治癒魔法同様光の力と唱えてね。」


「わかりました。」


「じゃあ、全部試してみよう!」














「全部成功だ。やっぱり光属性はすごいね。僕は結構時間かかったのに………。」


なんかこう言われるとすごく自分が情けなく感じる。この力は魔王に貰ったもので自分の力ではないからなぁ。


「あの………なんかすみません。」


「謝る必要はないよ。

それより支援魔法の最終段階に入ろう。」


「まだあったんですか!?」


「君、『マジックサーチャー』を忘れてない?」


「あ………。」


「まああんな感じの魔法が僕の知っている範囲では3つある。

まずは何回も使っている『マジックサーチャー』。

呪文はもう覚えているよね?」


「はい。」


「次に火魔法、『マジッククラッシュ』。物を破損させやすくするんだ。

といっても君は火魔法が使えないし呪文は教えないでおくよ?

最後に土魔法、『マジックガード』。剣、魔法、あらゆる攻撃を防げる。

限度があるけど。呪文は

我が土の力集いて彼の者を守れ『マジックガード』。

他にも色々あるらしいけど、僕が調べられたのはこれだけだ。」


「いえ、十分ですよ。有り難うございます。」


「そうかい。じゃあ、今までどおり全部試してみて。」


「わかりまし―――――――



バタン!



ん?何だ?人が入ってきたぞ?ひどく慌てているな。



「大変だ!ウィル!ザックがナイフで刺された!至急治療を頼む!」


先生の顔色が変わる。


「なんだって!?」


「説明する時間が惜しい!早く来てくれ!」


「わかった!ロイド、君も来るんだ!」


なんで俺も?足手まといにしかならないような気がするぞ?


「なんでですか!?」


「いいから来てくれ!ああっ!もうっ!」


のわっ!俺は担ぎあげられた。

いや、どんな羞恥プレイだよ!絶対顔真っ赤だな、俺!


「よし、案内してくれ!」


「大丈夫だ!広場に運んである!」


「OK!いくぞ!」


先生が走りだした。


ちょっと待ってほしい。

俺あんまし状況がつかめてないんだけど…………。



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