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128話 んんwwww漢解除以外ありえませんなwwwww

蚊の魔物を何とか撃退しきった俺達は、現在『アンチポイズン』で刺された所を解毒していた。

まさか蚊の痒みまで消せるとは。流石光属性『アンチポイズン』だぜ。


「はぁぁぁ。疲れたー。」


「俺も。ちょっと休ませてくれ。」


シュウとギルは先程の戦闘に疲れたようで、その場で休み始めた。

俺は基本的に魔手だけ動かして戦っていたので、体はあまり疲れていない。

精神的には瀕死状態だけど。ここ色々と面倒すぎる。


さて、二人共休んるし、やることないから地図にここまでのトラップを書いていこう。次来る時に役立つはずだ。


えっと、現在地点がここだとすると………。

あれ?意外と入口から中の方に入ってた。

良かった良かった。

資料によるとインドゴムノキやアブラヤシなどは奥地にあるから、これからの道のりとトラップの量を想像して頭が痛くなっていたのだ。


で、まずはツルとトレントの罠っと。

次に、泥沼。

更にトレントの群生地に、蚊の巣。

あと走ってる最中に胞子っぽいのばらまいてるキノコの群生地も見つけたな。

危険そうだし、あれもトラップリストに入れておこう。


次に、これから通る道の確認だ。

トラップのせいで元々通る予定だったルートから大幅に外れちゃったし。

えーと、やっぱ最短ルートがいいよな。

途中に川があるけど、ここから右に行くルートが一番いいかな。

川とかトラップの臭いしかしないけど、仕方がない。
















――――――――ズブズブズブ。


「あ、この先泥沼があるぞ。」


「了解。じゃあ『マジックガード』頼む。」



攻略を再開した俺達は、遂にラクラクとトラップを解除する方法を閃いた。

それは、魔手を使った漢解除である。

まあ、ただ単に魔手を先に這わせてるだけなんだけど。

これが中々使えるのである。

というか、これなかったら死んでた。

さっきから『ドッグイーター』と呼ばれる食人植物が一斉に魔手を攻撃してきたり、カエンタケという超危険なキノコの群生地が有ったり、なんかでっかい木の実が落ちてきて地震を起こしたりしてるからなぁ。


真面目にどうやったらこれがDランクダンジョンになるんだよ。

大量の殺人級トラップとか凶悪すぎるだろ。

空でも飛べってのか。無理がある。


俺は内心で愚痴りながら、『マジックガード』を橋のように展開した。

因みに、これによって俺は危険地域を文字通り乗り越えてきた。

白濁拳(ヴァイス・ファウスト)』による消費魔力減少がなければこういう芸当も出来なかっただろう。

おっさん、マジ感謝。

そしてこのダンジョンをDランク指定したギルドよ、あとで詳細を聞かせてもらおう。


「落ちるなよー。」


「大丈夫だって!」


「それより、『マジックガード』が透明なせいで恐怖を感じてしまうのは僕だけ?」


「しゃあない。『セイクリッドガード』でやったら橋が異常に短くなっちまうからな。」


いくら『白濁拳(ヴァイス・ファウスト)』の『光属性強化』『支援魔法強化』、消費魔力減少があっても『セイクリッドガード』はそこまで大きく展開できない。

難儀なことだ。

まあ、落ちても直に拾えるよう魔手を二本俺の周りに待機させてるけど。


シュウがガクブル震えながら橋を渡り終わった所で『マジックガード』を解除した。


「さて、次は川だ。これも橋で突破しよう。」


川は危険だからな。ピラニアとか、ワニとか、カンディルとか。


「まあ、それが懸命な判断だね。」


「なんか冒険感が足りなくてつまんないぜ…………。」


「一番大切なものは命だし、我慢してくれ。」


よし、川を越えれば奥地はもう目の前。余裕余裕。















なんて思っていた時期が俺にありました。


「何だこりゃあ!?」


「確かダツって魚だ!超速で突き刺さってくるから気をつけろ!」


「まるで矢なんだけど!?」


ここの生態系おかしいだろ!熱帯の生物ならなんでも居るじゃねえかコンチクショウ!!!

しかもダツとか時速70kmで水面上にも飛んでくる超危険生物だし!


「おっと!」


マズイ!ギルが体勢を崩した!


(『マジックガード』!!!!!)


何とか間に合った。ふぅ。


「すまねえ、ロイド!」


「落ちんなよ!落ちたら一瞬で食われると思え!」


クソ、ずっと『マジックガード』を展開してるてのも結構キツイな。

しかも『白濁拳(ヴァイス・ファウスト)』の制約のせいで俺は拳を『マジックガード』から離すことが出来ない。

このままだと誰かが落ちる。


なにか案はないか!?

煙玉 しかし、なにもおこらなかった!が発生するため却下。

魔手で撃ち落とす 時速70kmを撃ち落とすとかそれなんて無理ゲー?


「うわあああ!!!なんにも思いつかない!」


そうだ!フラッシュだフラッシュ!

いや、こんな密集した状態でやれば皆で仲良く目をやられるだけだ!


あれ、そういえばダツって確か光に――――――――


「仕方がない!僕が注意を惹きつけて全部受け止めるよ!『タウ「待て!」

え?」


「確か、こいつらは光に反応する魚だ!

俺が全く別の場所に小さなフラッシュを起こす!その間に駆け抜けるぞ!」


そう、ダツは光に反応した突進する魚なのだ。

多分、俺等の鎧が太陽光を反射して光ったから襲いかかってきたのだろう。

なら、俺が光を他の場所に生み出してやれば万事解決する。


「うおおおおおおお!!!!!!駆け抜けるぞっ!!!」


マズイ。『マジックガード』、魔手8本、魔力球の圧縮と解放、状況打破のための思考、2人への指示、拳を『マジックガード』に付けながらの走行を同時進行させてるせいで集中が切れそうだ!

間に合え!


「二人共!集中力の限界だ!橋が壊れる前にジャンプして渡りきれ!」


遂に、俺の集中力の限界が来た。

『マジックガード』が段々崩れていく。

俺は、全力で跳躍した。


しかし、目の前に現れた物を見て絶望する。


トレント。

その腕が、俺目掛けて振るわれようとしている。

さっきまでフラッシュを保つので精一杯だったために気づけなかった!


マズイ、ここで叩き落とされれば川にボチャンするっ………………!!


「『空中跳躍』!『ドラゴンスマッシュ』ゥゥゥゥ!!!!!」


俺が目を瞑ろうとした瞬間、俺の横をギルが横切った。


――――――――ズザアアアッッ!!!!!


木を何かが強く切断する音が俺の耳に届き、その直後、ドシンという音と共に俺は川岸に打ち付けられた。

更に、2つの物体が川岸に打ち付けられる。


言わずもがな、シュウとギルである。

良かった、五体満足だ。


「ハハハ、」


思わず笑い声が漏れる。


「「「俺は(僕は)、やったぞおおおおおおおお!!!」



因みに、喜びの叫びを聞いて今度は鳥の魔物が飛んできた。

空気読めよこの野郎、折角喜びに浸ろうとしたのに。



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