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114話 対上級悪魔 7

「お前ら、落ち着いて対処しろ!

基本的には相手は傷つけるなよ!防御に専念しろ!

数ではこちらが優っている!クソギルマスが来て術者(上級悪魔)を殺してくれるのを待つか、ショックで魅了状態を解除しろ!!!」


『紅槍』さんが大声で指示を飛ばす。

いや、相手を傷つけないでどうやってショック与えるんだよ。

内心でツッコみながら操られた援軍たちの動向を観察することにした。


援軍達は、魔力切れでぶっ倒れた人達を介抱するD、Eランク組の方(因みに俺もここにいる)に5人向かい、残りの15人が前線組の交戦する感じになった。


のだが。

なんとこちらに向かってきた5人のうち3人が明らかに俺目掛けて走ってきたのだ。


(『ヘイレン』使いまくってるせいで目をつけられたとかそんな感じか…………。)


本当に困る。

つか、本当にヤバイ。

Cランクの『ヘカトンケイル』の方々すら捌き切れないってのにBランクの人3人を相手にするとかどんな無理ゲーだよ。


けど俺がこれで逃げちまうとこの3人はD、Eランクの集団に間違いなく突っ込むだろう。

それは、嫌だ。

何とか光魔法で捌き切ってやる。

『セイクリッド・ガード』なら一気に攻撃食らっても防げそうだ。


よし、まずは戦力分析。

片手剣が一人、ハルバード使いが一人、メイス使いが一人。

そしてメイス使いの人はかなりの火属性魔力持ちだった。


キツイな。

これで盾使いがいたら俺の体の小ささを利用して俺の盾にできたんだが。


とりあえず、自分に『ウィンド・ブースト』を全力で掛けておく。

『アクア・ブースト』はあまり効果がなさそうだし、『グラウンド・ブースト』で防御力を上げても意味が無さそうだからだ。


更に魔手を8本展開。

合成はしないで手数を増やすことにした。

ここまで準備が終わった所で、片手剣持ちが襲い掛かる。

流石にこれに当たるほど俺もショボくない。

サイドステップで躱し、上から降ってきたハルバードをバックステップで躱す。


「一応聞いてみるけど、意識、ないよな?」


これでもし反応してくれたら苦労しないんだが。


「……………。」


が、帰ってきたのはメイスの一振り。

返事がない。ただの屍のようだ。

デスヨネー。まあ、俺も流石にそこまで期待してなかった。


とりあえず、メイスは前転で回避しておく。

更に懐に潜り込み、魔手を3本合成。

その魔手を『ウィンド・ブースト』で加速させ、メイス使いの鳩尾にぶちかましてみた。

ショックは与えたぞ!さあ、さっさと治ってくれ!


「………………。」


「マジかよ!?これでもダメkーーゴフッ!?」


いってえ!?メイス強すぎだろ!?10mくらいぶっ飛んだんだが。

おっさんに作った貰った防具がなかったら今頃肉塊だった。

冷や汗を流しながらも即座に『ヘイレン』で自分を癒やし、横から迫ってきた片手剣を『マジックガード』を何重にも重ねることで防ぐ。


そのまま『リフレクトハイド』を使い、一旦姿を消す。

標的を見失った3人は辺りをキョロキョロ見渡し始める。


(危なかったー。)


多分このまま放置すると皆の方にこの3人は行ってしまうだろうからそんなに長い時間は隠れられない。

今の内に状況を整理しよう。


まず、基本的に豪気と魔法は使って来ないようだ。

だからこそ俺でも避けきることが出来た。

いや、一発食らったけど。

実質ノーダメージだったのでそういうことにしておく。


結論から言えば、相手の攻撃能力は低い。

ただ、こちらも相手に対する有効な攻撃手段を持っていない。


あのニート(ギルマス)さえ来れば上級悪魔潰してハイ終わり、てなるんだが。

さて、無い物ねだりしても仕方がないので俺ができることを考えよう。

まず、あちらは相当強力なチャームにかかったようで、ちょっとやそっとのショックじゃ目を覚まさ無さそうだ。

前線の方で誰もチャームから抜け出せてないことからもそれは判る。

だからといって超強力な刺激を与えてしまえば死んでしまう可能性もある。

強力なショックじゃないと目を覚まさないけど、強力すぎると後遺症が残ってしまう。

何だこのジレンマ。


とりあえず、物理的にショックを与える方法は無理そうだな。

かといって上級悪魔をこの状況で殺すってのも論外。

ヤバイ、詰んでる。


結局俺の思考はしっかり纏まらなかった。

しかも、その状態で俺をさっきまで狙っていた3人が皆の方に向かい始めたせいで『リフレクトハイド』を解除せざるを得なくなった。


「「「……………………!!!!!」」」


又もや無言で3人が迫ってくる。

マジでどうすんだよ、この状況。

とりあえずシーフの兄ちゃんがやってたみたいに円状に鬼ごっこをしてみよう。

そしてそこから解決策を考えるしかない。


やると決めたからには即実行。

早速進路方向をゆるやかに右向きに変えていく。

しかし、ここでかなりマズイことが起きた。


3人が分散して俺を追いかけ始めたのだ。

くそ、ぜってー捕まる。

なにかしら手を打たねえと…………。

ここは時間稼ぎに目眩ましだ。

フラッシュは失明される可能性があるから煙玉で。


「『マジッククラッシュ』!!」



導火線に火をつけると同時に俺を中心として煙が立ち込める。


しかし、ここで俺は気づいた。



(俺の視界まで潰されちゃ意味ねええええ!!!!)



俺は、自分のミスで身動きがとれなくなってしまった。

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有り難うございます!

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