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109話 対上級悪魔 2

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有り難うございます!

「orz。」



モンスターの軍勢を見るなり、俺はそう呟いた。

別に、モンスターの数が多すぎるとかそういうので項垂れた訳ではない。


いや、まあ確かにモンスターの数は多い。

あんなに広く感じた草原が今は封鎖された空間に感じるレベルだ。


でも、そんなことよりも大きな問題があったのだ。

それは――――――――



――――――――バッサバッサ。




モンスターが少しだけ浮いている(・・・・・)のだ。


どうでもいいだって?

確かに普通ならどうだっていい話だ。

少ししか浮いていないのだから普通に武器を振っても問題はないし、

魔法を使うのならむしろ『撃ち落とす』という戦法が使える。


しかし、俺達にはその『浮いている』という事実は致命的だった。


何故かって?


「先生の改造魔法の6個中3個が地下水を使った陥没とか圧死なんだよなぁ…………。」


「浮いてたら効かないんだよねぇ……………。

サキュバスが浮いてるのは元から知ってたけど、ゴーストと悪魔達まで浮いてるなんて思わなかったよ………………。」



「フッフッフ、俺の改造魔法が火を噴くぜ……………。」とか言ってたのにこのザマ。

もう笑うしかないね、アッハッハ。

さてと。


「先生、結局残りの3つで殺りますか?」


「そうだね。ただ、全部魔力のこもっていない一撃だからゴーストには効かないだろうけど。」


「サキュバスを全滅させるのが目的なので大丈夫でしょう。

それより、『紫刀』さんと『紅槍』さんに改造魔法のために皆に突撃させないよう指示してもらいますか。」


「そうだね。ちょっと許可取ってくる。

僕の一撃で戦いが始まるのか、緊張してきたなぁ。」


「大丈夫ですよ、上手く行かなかったら俺が本気(火薬)出します。」


流石にそんな場面で黒色火薬出さない程俺は自殺願望者じゃない。

人に使わなければいいんだ、うん。

本当は他の人に黒色火薬を見られる事自体が怖いけど。


「なんかちょっと不穏な響きがあったような…………………?

まあいいや、交渉してくる。」


「了解です。

あ、『阿鼻叫喚の箱庭(ドライ・スクリーム)』の為にリーユさんにお願いをしておきますね。」


「そうだった、あれは『エア・コントロール』が必要だったね。頼んだよ。

じゃ、お互い後で合流てことで。」



俺は、リーユさんのいる部隊へ向かった。















「そんな大役を私が!?大丈夫なのか!?」



俺は、リーユさんに説明するなり肩を掴まれて揺さぶられた。


「大丈夫~~。」

だからとりあえず揺さぶるのをやめて~~。」


「む、すまない。

で、もう一度聞くが何で私なんだ?」


「まず、一つ目。

リーユさんが風魔法に特化していること。

『エア・コントロール』を広範囲かつ強力に発現して欲しいんだ。」


「それなら私じゃ無くてもいいんじゃないか?

他にも風魔法が得意な人はいるし。」


「いや、他にも理由があるんだ。

次に、リーユさんの概念魔法。

できるだけ早く発動して貰いたいから詠唱省略てのは必須なんだ。

ほら、概念魔法以外で詠唱省略すると威力がちょっと下がるからさ。」


「成る程。理解した。

なら私はどこかで待機していればいいんだろう?

何処で待機するんだ。」


「前線で。

この戦いの最初に三人で改造魔法を3つぶちかますから。

あ、そのうちリーユさんに協力して貰うのは二つ目の改造魔法、

阿鼻叫喚の箱庭(ドライ・スクリーム)』。

一応理論上はサキュバスを40体くらい殺せる魔法だから。」


「か、かなりすごい魔法だな………………。

というかそんな危険な魔法を私が協力するのか。

なんかグッと来るものがあるな。」


お、これは乗り気だな。

あまり怖気づかれても困るし、いい感じだ。


「てことで、どのタイミングでどのくらいの威力で放つとか説明するから

ちょっと聞いて欲しい。」


「わかった。ならここで話すよりも前線で話してもらったほうがいいだろう?前線まで案内してくれ。」


「了解。」


俺はリーユさんを連れて前線に戻った。


戦闘開始まで、あと15分。

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