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105話 【悲報】スライムが(特定の人にとっては)最弱に戻ったったwwww

休憩を始めてから30分が経ち、俺達はボス部屋に入ることにした。


因みにもう『ウィンド・ブースト』と『グラウンド・ブースト』は掛けてある。

魔手も8本合体させて待機中。


あとはボス部屋に入るなり魔手で魔石を引っこ抜いて勝利だ。

先手必勝。

これに限る。


「お前ら、3秒後に突撃だ。3、2、1、行くぞ!」


「「おう(うん)!」」



俺は勢い良く扉を開き、一歩踏み出した!

そんな俺の目の前に、『キングスライム』が…………。


………………………。


「現れて………来ない!?」


「おい、何にも居ねえぞ!」



おかしい。『エリートホブゴブリン』のように、

ボスってのは部屋に入るなりいきなり目の前に出てくる筈なんだが。

シュウはなにか気づいただろうか。


「おい、シュウ。何が起きて―――!?

『キングスライム』!?」


「くそ、不意打ちか!」


「――――――――!!!」



『キングスライム』がシュウを取り込んでいた。

幸い、この世界のスライムは酸性ではない。

が、ネバネバしている液体(・・)である。

これが意味することはただひとつ。


「ギル、シュウが窒息する前にシュウを引っ張りだすか

『キングスライム』を倒すぞ!」


「了解!『ブースト』『翔閃』!!!」


『キングスライム』は確かに物理攻撃に強いが、その理由はその再生能力と

液状の体にある。

叩き潰されてもコアさえに残っていればすぐに再生できるし、切られても

すぐ体同士でくっついてに再生できる。

ただ、魔法は別なようで喰らったところは再生速度が落ちる。


要するに、ギルは切断の必殺技である『翔閃』でシュウを取り囲む

『キングスライム』の体を一時的に切り離し、シュウがむき出しになった隙に俺の魔手で救い出す、と言う作戦だ。

確認してないから確証は得られないが。

今までのギルの思考回路ならそう考えるはずだ。



「うらああっ!!!」



――――――――ズサッ。


「よし来た!」



俺の考え通りに動いたギルは、見事にシュウの周りだけを切った。

俺はそこに魔手をねじ込み、シュウを捕まえる。


「もう3回位やってるような気がするが…………………。


フィィィィィィィッッッッッッッシュ!!!!!!」



「うわああああああ!!!!!!」


俺がシュウを引き上げた後、勢い余ってシュウは俺の魔手から飛んで行ってしまった。

まあ、盾を使って衝撃を和らげてたけど。


「よし、後は魔石を引っこ抜くだけだ!

フッフッフ、お命頂戴いたす!」


くーっ、これ1回行ってみたかったんだよなぁ、なんて考えながら『キングスライム』の方へ振り返った俺はポカンとした。


…………………………。



「ギル、何で『キングスライム』が魔石を残して消滅してるんだ?」


「いやあ、『餓狼牙』を突き刺したら面白いことになるかなぁって勘で思ったから突き刺してみたらこのザマだぜ。

どうやら『キングスライム』の体ってほとんど血液だったみてえだな!」



「「は?」」


「いや、だからさ。『餓狼牙』って血ィ吸って切れ味増すじゃん?

それを『キングスライム』の中に突っ込んだら見事に血ィ吸って切れ味が増したんだよ。

いやー、ホント買ってよかったぜ、これ!」



「「なんか理不尽だぁーーーー!!!!」」


つーか俺の決め台詞を返せ!

あれじゃあ俺ってただのイタイ子だぜ!?


「んじゃ、帰ろうぜ。

お、転移魔法陣だ。これ乗りゃあいいんだよな。

よいしょ、と。」


「ああ、僕はあの気持ち悪い液体に閉じ込められたり散々だったのに……………。」



ホント、バラバラなんだか仲が良いんだかわからねえな、と苦笑しながら

俺も転移魔法陣に乗った。

















「まぁーたトンデモ素材持ってきやがったな!?

なんだよ『キングスライムの魔石』って!?

あいつ、メッチャ魔石取りにくいじゃねえか!」



いつもどおりグランさんは叫んでた。

最早他人ごとっぽくなってきてるのは気にしないでくれ。

それにしても、今の口調ってまるでグランさんが昔実体験したみたいな

口調だったな。まあ、気のせいか。


「いやー、ギルの装備が無駄に相性良くってさ。

ビビったぜ、『キングスライム』の体って血液だったんだな。」


「マジか!?そりゃあ面白い発見だな!

えーとなんだっけ、お前の大剣って血を吸うんだっけか?

まさに『スライムキラー』だな!」


「おお、なんかかっけえ!!」


スマン、ギル。

ドラ◯エのせいでどうしてもその二つ名が弱そうに聞こえる。


「まあ、この情報はありがたく使わせてもらうぜ。

血液かぁ、『ブラッドクロー』使いが泣いて喜ぶ情報だな。

まーた生存率が上がりそうで何よりだ。」


「僕達、なんか凄いことをやったんだね。

だったら『キングスライム』に喰われたかいが有ったよ。」


「お、おう。それはドンマイだったな………………………。

あれか、不意打ちに引っ掛かったみてぇだな。」


「あれは俺達の勉強不足だったな。

これからはもっと準備をしてからダンジョンに潜るようにする。」


「そうだな。学習しねえ奴はすぐ死ぬのがこの職業だ。

図書館にでも行って勉強でもしておいた方がいい。

ほれ、コイツが今回の報酬だ。」



図書館か。

勉強のついでにイグニスに会う、てのも面白そうだな。

俺は報酬を分配しながら、図書館に行くことを決めた。

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