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101話 爺=最強

一度落ちた意識だったが、肩から伝わる痛みで直に起こされる羽目になった。


痛え。

本当に肩が脱臼するとは思わなかった。

因みに、俺が『カラドボルグ』を出してた時間は一秒にも満たない。

こんな短時間で肩が脱臼するのだから、どれだけ重いかはわかるだろう。

その分火力が物凄いことになってるが。


俺は目の前の残状を見て溜息をついた。


真っ二つになったエリートホブゴブリン、地面に残る縦長のクレーター。

俺の『カラドボルグ』がこれを生み出したのだから、本当に恐ろしい。


なんか光属性って強力すぎて「俺が使っている」ていう感覚が無い。

借り物の力を使っているような気分だ。


さて、こんな贅沢なことを愚痴っていても仕方がない。

さっさと肩を治そう。


(『ヘイレン』。)


急速に痛みが引いていく。

まだちょっと痛むが、だいぶマシになった。


さて、俺以外の皆は疲れて寝てしまっている。

まあ、あんな激闘をして疲れないほうが可怪しい。

俺も『カラドボルグ』の反動でだるいし。

だがしかし、睡眠障害のせいで俺は全然眠くならない。


要するに、暇なのだ。

話し相手がいない、体がダルイから動きたくない、と言うか動いても未だボス部屋の中だからエリートホブゴブリンの剥ぎ取りくらいしかやることがない。


「あー、暇だ。すっげえ暇だ。」


とりあえず声に出してみたが、帰ってきたのはボス部屋の壁で反響した俺の声だけ。

虚しすぎる。


ああ、今だけでいいから俺のス◯ホが欲しい。

あれは最高の暇つぶしアイテムだ。



…………………………。



とりあえず、魔力でもいじってよう。

うん、そうしよう。
















「よっこらせ。おお、小僧、起きておったのか。

若いもんはいいのう。爺になると長い間休んでないとキツいのじゃ。」


いやいや、貴方このメンバーで2番目に起きてるじゃないですかやだー。


「とか言っときながら2番目に起きるとか、爺さんって何者?

というか正直皮肉の域に達してるような………………。」


「そうじゃな、確かに皮肉は入っとるかもしれん。

最近の若者はちと軟弱なように感じてな。思わず言いたくなってしまうのじゃ。

まあ、爺に負けるな、と発破をかけてもおるのじゃが。」


出ました、「最近の若者は(ry」。

因みに、これを実の祖父とかに言われるとヲタクとして結構来るものがある。

勿論俺は経験済みだ。

具体的な例を出すと、こんな感じだ。


祖父「最近の若者は軟弱すぎる。」

俺「体育の授業で2回に1回は足が痙攣するような人間ですみません。」


祖父「最近の若者は精神が弱すぎる。」

俺「ネトゲで自分の戦闘スタイルがディスられただけで1ヶ月凍結するような

豆腐メンタルでごめんなさい。」


祖父「最近の若者はすぐ浮気をする。」

俺「お気に入りの2次ロリが4人位います本当にすみません。」



……………………。

最後がちょっとおかしかったような気がするが、こんな感じだ。


まあ、確かに最近の若者は昔の若者に比べたらショボイかもしれない。

でもさ、


「でも、最近の若者が軟弱っていうのはそれだけ世界が平和になった、

ていう証拠だと思うけどな。

だからといって全員が軟弱じゃあそのうち別の物に淘汰されちまうけど。」


「ふぉふぉふぉ、確かにそうじゃな。

今は昔に比べたら平和になってきとる。」


そう言って爺さんは何かを懐かしむ目をした。微妙に涙目。

ドワーフって人間よりは長寿だし、その長い人生の中でショッキングなことが結構あったのかもしれない。

俺には想像はつかん……、いや、フィルが死んだ時俺はかなり絶望したな。あれ位ショッキングなことが何回もあったのかもしれない。

吐き気してきた。



「すまんの、辛気臭い雰囲気になってしもうた。

ほれ、若いもんはそんな暗い顔をするでない!」


爺さんはそう言いながら背中を叩いてきた。


「爺さん、痛えって!つか戦闘後なのに元気が有り余ってんじゃねえか!」


「ふぉふぉふぉ、あまり爺を馬鹿にしてはイカンぞ。

年寄りになると睡眠時間はあまり要らなくなるのじゃ。

「年寄りは朝が早い」というじゃろ?」


「さっきと言ってることが矛盾してねえか!?

いや、でも確かに一番早く起きてたな…………。


おい、ちょっと待て、その「ほれ見ろ」みたいな表情止めろ!

うわあああ!!!凄えムカつく!!」



因みに、この俺の叫びで皆が起きたことは言うまでもない。

今気づいたんですけど、この話100話超えてました。


はたしてひきこもりの何処にこんな根性があったのだろうか(2回目)

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