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99話 俺と会うパーティがだいたい強い件www

転移魔法陣に乗った俺達は、そのまま目的地である『御武凛洞窟』の3層まで転移した。

なんか凄かった。

突然目隠しをされたように目の前が真っ暗になった後、いきなり視界が開けた途端目の前にちょっとでかいゴブリン2体と鉢合わせになったのだ。


爺さんとメイリンさんが一瞬で片付けてたけど。

あれ、さっきの確かホブゴブリンだよな?

いくらCランクでも2体を瞬殺とはいかない筈。


…………………。

もしかして『ソニッカーズ』て結構強いのか?

運が良いのかしらんが俺が関わるパーティてだいたい強いな。

ありがたや。


つーか何でここの奴らを瞬殺出来るのにこの層に来てんだろ。

一個下の層でいいじゃん。


「リーユさん、なんでこの層に来たんだ?

見た感じ瞬殺してるから戦力的には一個下でも大丈夫そうなんだけど。」


「ああ、今日の目標は3層の雑魚じゃないんだ。

この3層のボスである『エリートホブゴブリン』を狩ろうと思っていてね。」


あ、今の会話でわかるかもしれないけどダンジョンの層にはそれぞれボスが居る。

案の定素材や魔石も質がいいらしいから稼げるそうだ。


「成る程、どうりでシーフの兄ちゃんが忙しなくマップと現在地点を確認してるわけだ。」


「最短距離で着きたいからな、彼にはいつも助かっている。」



戦闘力が低いからってしょぼい冒険者とは限らない、てか。

確かにここは異常に広くて入り組んでるからマッピング技術が必要だな。

まさかマッピング技術で俺が負けるとは。

シーフの兄ちゃん、凄え。


ちょっと背伸びして兄ちゃんの持っている地図を見たが、どうやらもうすぐ

ボス部屋に着きそうだ。


因みに、現在のパーティの役割分担としては


爺さん、雑魚殺し

メイリンさん、爺さんの補助

シーフの兄ちゃん、マッピング

リーユさん、『ウィンド・ブースト』

俺、治療。


が、ほとんど爺さんは怪我しねえし、メイリンさんが怪我するにしても

かすり傷程度なので俺の出番は少ない。

このままではなんか俺が寄生してるみたいなのでボス戦で頑張ろう。

引きこもりとは誰かに必要されていないと死んでしまう繊細な生き物なのだよ。


「よし!ボス部屋発見!1回休憩するぞ。」


お、ホントだ。黒い扉が見える。

あれがボス部屋の入り口か。


「あら、今日は早く見つかったわね。それじゃ遠慮なく休ませて貰うわ。」


「ワシも腰が重くなってきたしのぉ。」


「私も魔力回復しないとな。」


3人は結構疲労が溜まっていたみたいですぐに寝始めた。


「兄ちゃんは休まなくていいのか?あんなに動きまわってたのに。」


「俺は大丈夫だ。いつもこんなことしてるせいで足腰ばっか鍛えられちまってな。」


「あ、じゃあ戦闘でキックを使ってみる、ていうのは?」


「確かにそれは面白そうだな。豪気で強化したら威力も出るだろうし。

けどなあ、肝心の武器がねえんだよ。」


「逆に装備すると走るのが阻害されるのか。

わかった、とりあえず『サイクロプスの巣窟』に何かないか聞いておく。」


「『サイクロプスの巣窟』!?あの偏屈鍛冶屋か!?

お前、あそこのやつに認められたってのか。凄えな。」


「あそこの人はただ単に自分の命を懸けている物に共感できるか出来ないかで判断してるだけだと思うぜ?」


「そうだったのか………。確かに自分の装備を大事にしてる奴ほど『サイクロプスの巣窟』に認められてるな。

いい情報を有難う。

ところで、その防具も『サイクロプスの巣窟』に作って貰った物か?」


「勿論。

これはマスタースライムの素材と……………………。」



俺達の会話は皆が起きるまで途切れることなく続いていった。














「WRYYYYYYYYYYY!!!!!!!!!!」


ボス部屋に入った途端、デカイゴブリンが吠えた。

おい、貴様デ◯オか。


「ホブゴブリン合計6体!俺が惹きつける!」


シーフの兄ちゃんはエリートホブゴブリンの咆哮に負けじと叫ぶ。

なら、俺は結局補助か。

隙あらば魔手を叩き込んでやるが。


「『ウィンド・ブースト』。」


リーユさんは概念魔法を使い、詠唱省略して全員に『ウィンド・ブースト』を掛ける。


(『アクア・ブースト』、『ウィンド・ブースト』、『グラウンド・ブースト』。)


俺も『アクア・ブースト』はリーユさんに、他2種のブーストは全員に掛けた

こうすると俺の魔力回復はほぼ相殺される。

ちょっとだけ俺の魔力回復が高くなるように調整したが。


「ふぉふぉふぉ、『グラウンド・ブースト』を掛けて貰うのは久しぶりじゃなあ!『強打』!」


爺さんはそのハルバードをエリートホブゴブリンに叩きつける。

が、ついた傷はそこまで大きくはなかった。

爺さんもそれを理解してたのだろうか反撃される前にバックステップで距離をとっていた。


お陰でエリートホブゴブリンの振り下ろした棍棒は空振りする。

体勢をすぐ立て直そうとしたエリートホブゴブリンだったが、ここで鞭が足を襲う。


「『クラウンウィップ』。さっさと転んでくれないかしら。」


足に絡みついた鞭はまるで蛇のように動き、エリートホブゴブリンを転ばせようとする。

しかし、エリートホブゴブリンもその重さを活かし踏ん張ろうとする。

そうやって生まれた隙に爺さんがハルバードを振る。

勿論エリートホブゴブリンは踏ん張るのに急がしくて防ぐことが出来ない。

顔面にその一撃を喰らう。


「GYAAAAAAAAA!!!!!!!!!」


ほんっと五月蠅えな。

それより中々こいつも転ばない。

よし、ちょっと俺も手伝おうか。


俺に掛けていたブーストを全て消して、魔手を八本展開する。

いつも通り八本の魔手を合体させた。

さて、ここで新技術を試すとするか。


「『フレイム・ブースト』。」


「な、ロイド君、どうやって!?」


ごめん、リーユさん。

後で説明するわ。あまりペラペラ話しても良さそうな話じゃないし。


『フレイム・ブースト』で強化された合成魔手でエリートホブゴブリンの

踏ん張っている方の足を掴む。


「フィィィィィッシュ!!!!!!!!」


また例のかけ声とともに俺は魔手を全力で引いた。



――――――――ドッシーン!!!!!



エリートホブゴブリンは無様に転ぶ。よっしゃ!!!


ここから一気に攻撃態勢に移る!

そう考えた瞬間。


「スマねえ!!!!しくった!!!!

ホブゴブリンがそっちに行くぜ!!!!」


腹からでる血を抑えながら叫ぶ兄ちゃんがいた。


くそ、こんな時にホブゴブリン6体かよ!?

おさむらいさんのメドレーが作業用BGMすぎる……………!

まらしぃさんよりも音が優しいし、落ち着く。

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