星空に輝く地球儀
遥かなる昔 小さな星たちが輝いていた頃
見上げた空には 宇宙と呼ばれる暗闇が広がっていました
ピッピッピッ ピッピッピッ
ピーッ
自分が何者であるか
とうとう そんなことも知らずに
残り少ない時間が 終わろうとしています
地球なんて そう呼ばれてるけど
僕らは 自分たちが居る地上しか知りません
それも本当に 知っているのか どうだか
……
海と呼ばれる 夜の暗闇から
巨大なチェーンに巻かれた 光る物体が
深い 深い
遥かな深淵から 巻き上げられて
引き揚げられて来ました
ピッピッピッ ピッピッピッ
ピーッ
誘導係りの人が 笛の音を吹いています
僕らは いっせいに退避します
それは ゴーグルをつけないと見れないほど
眩しく光り
赤く 赤く 輝いています
迂闊に触ったら
蒸発して溶けてしまうそうです
それは 僕らが と言う意味合いだそうです
……
赤々と光り輝く 眩しい光
夜の海面から 引き揚げられて来たそれは
凄まじい熱と蒸気を
何もないはずの 暗闇の宇宙へと
立ち昇らせています
他の星たちが 落っこちて来ちゃいそうです
ピッピッピッ ピッピッピッ
ピーッ
また 誘導係りの人が 笛の音を鳴らしています
こないだも一人 巻き込まれて
蒸発して
今 見上げている 夜空へと還って行きました
とても危険な仕事です
どうして 僕らは こんな仕事をしているのでしょうか
誰も知りません
考えたら 眠くなって 二度と目覚めないからです
……
夜の海面が光るたび
物凄い大きな音が鳴って
僕らは ハッとして
海と呼ばれる 暗闇の彼方を見つめます
こんな風にして 生まれたのかなって
ピッピッピッ ピッピッピッ
ピーッ
ぐるぐる回る
巨大なクレーンの警告ランプ
夜の海面が赤く光る
この地上が宇宙と繋がる頃
見習い工夫の僕は
大きなチェーンを解かないといけません
教えてもらったとおり 上手く出来るでしょうか
ピッピッピッ ピッピッピッ
ピーッ
24時間 365日
どこかの星を模した 地球儀が周る
理由も知らされずに
誰にも知らされずに
……
星空に輝く 地球儀が周ります
今日からも
明日からも




