表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

足手まといは いらん、とか言われてもイミフです! 何か して欲しいなら、お代は いかほd 

作者: 尾生 礼人

アドニア・トーマは、男爵 令嬢である。


顔ヨシ!

()(アタマ)ヨシ!

基礎 身体 能力 ヨシ!

魔法 素養アリ!


父は実力 主義で急成長の只中(タダナカ)にある お隣の帝国の、母は 由緒正しき我らが皇国の、それぞれ尊き血筋である。

(もっとも、父の実家は とうに零落。先祖が貴族と分かったのは、頭角を現した後であり、全くの偶然である)


人 呼んで、美女と野獣 カップル。

周囲の反対を押しきり、世紀の大恋愛の末に結ばれたとあっては、一時、社交界の話題となったと云うのも無理からぬ話ではある……。


しかし、そこで驚いたのは '遺伝子' サンである。


'なんや?!

こない離れた血筋がゴッツンコ!って、天変(テンペン)地異(チイ)でも起きた(スエ)の 民族 大移動か!?

それとも大戦でも起きたんかぁ~ッ?!!

アカン! そない荒れ果てた世界で この子が生き抜くにゃ、貯めこんできた分 放出して、ありったけ の才能、詰め込んでやらんとッッ!!!'


と頑張った。


そりゃあ、もう頑張ったのだ──。


そして、ご先祖様の才能の数々を うなる ほど、あふれる ほど に受け継いだサラブレッドがアドニアである。


ご先祖様の中には国宝級の芸術家、歴史に名を残した名将、大魔法使い、大商人、大神官、大聖女、世紀の歌姫など など……世に才を あらわしたメンツが目白押しである。

(ちな、家系図は買ったり偽造したりのパチもん ではなく、信頼できる資料を元に作らせたマジもん である。)


こうして天が二物も千物も与えた結果、いずれは何らかの才を発揮して、世に名を とどろかすと思われた。


しかし───


・・・


ぐうたら令嬢アドニアの朝は遅い。

毎晩、本を読んでは夜更かしするからである。

誰かが叩き起こさないと……なのだが、努力も無しに専属の使用人を付けてくれる ほど 、トーマ男爵は甘くない──もとい、 '甘えを許さない' 。


男爵は、スラム育ちでありながら 一代で財を成し、最下級とはいえ我らが皇国の爵位を手にした豪傑。

裏 稼業の者すら恐れて手出しを控えたとゆー、荒れた少年 時代を送りながらも、己にムチ打ち、ひたすら努力、成り上がった男爵は、使用人には勿論、我が子にも厳しかった。


起こすのは毎度 見目 麗しい弟君、男爵 令息アドニスである。

文武 両道のモテ少年で ありながら実態はシスコンとゆー、残念ショタである。


仕方ないなぁ、姉様は……とか言いつつも、毎朝 起こしに来てくれてる時点で、ダダ甘である。

だが、それでも なかなか 起きないのも毎度のこと……。


使用人たちは、仕事の一環として 見守りはするものの、

(アレじゃ 尊敬 出来ないなぁ……)

(頼りないよねぇ……)

(お仕えする気にゃあ、なれないぜ……)

と、遠巻きに様子を伺うのみである。


( ´-`)顔? 素材は良いのに台なし ね!

(-_- )成績? 昔は良かったけど過去の栄光ね!

( ´,_ゝ`)身体 能力? 才能あっても鍛練しなきゃw

( ´_ゝ`)魔法? 才能あっても(ry


(* ´ ▽ ` * ; )「……姉様。今朝はパンケーキですよ?」


(*>∇<)ノ「! サー、イエッサー!」


ガバッ!と、跳ね起きるアドニア。基本、欲望には忠実である。


・・・


(^_^)「おはようございます、父上、母上。」

( ´д`)「おひゃよぅごじゃいましゅぅ~……。」


毎度、おめかしの『お』の字もなく、やっつけ仕事な身だしなみ、半分 寝てると おぼしきフラフラ歩きのアドニアに、ハァ~……と溜め息をつくトーマ男爵。


( ´д`)「こんなことでは、先が思いやられるな……。

我らが祖先の悲願 達成は、夢のまた夢か……。」


( ´,_ゝ`)「ひあん? はん の ことぇしゅか?」


会話の流れから恐らく、いや、間違いなく自分に向けられたであろう発言に、もぐもぐ しながら尋ねるアドニア。


( ;`Д´)「──足手まといは、いらんッ!」


"ガタッ!"


毎度せっかちな父 男爵は、いつもの早食いで すでに朝食を終わらせており、立ち上がるや いなや、食堂を出ていってしまった。


・・・



男爵家の家訓は、

"自分の事は自分で!"

である。


突き放されてるようにも聞こえるが、その実は、

"みんな 余裕がないから、お前を助けてやれるとは限らない……。お前も自分の出来る範囲では頑張ろうな?"

と言う意味である。


だが、当代 男爵のソレは違った。

"俺は何でも自力で やってきた! 皆も そうすべき! 俺が出来た! ヲマイも出来る!"

とゆー、イキッてる(アン)ちゃん系の哲学……もとい、'美学' である。


───


男爵は、アドニアが いずれは何かしら やる気になるのを(それこそ、てぐすね引いて)待ち構えていたが、当の本人は本を読んでばかりで全く動く気配が ない……。


(`ロ´;)「いい加減、何かを成そうとは思わんのか?!」


と、痺れを切らした男爵に、


( ・3・)「余程の大義 名分があるか、人情から嘆願されるか、莫大な恩賞を提示されたら別ですが……」


(; `Д´)/「人から言われるのを待つような指示 待ち人間はいらんッ! 言われなくても自分から動くヤツでないと使い物にならんわッ!」


┐(´∀`)┌「ヤレヤレ……

父上、世の中の大半は一般人ですよ?

私は 素材はともかく、中身は一般人と変わりません。

分かりやすぅ~いビジョンなり、一里塚なり、切り紙なり、提示されませんと やる気が続かないのですよ?

( ´,_ゝ`)……まぁ、'この先に 梅の林があるぞ?' でも動きますが、そう何度も騙されては あげられませんがね?」


(#゜Д゜)「──お前には、人情がないのか!?」


( -_・)?「……相変わらず、イミフな仰りようですが、'コチラに合わせろ!' など仰っらず、私に合わせて頂いた方が効率が良いですよ?

(* ´ ▽ ` *) ──そう! 世の中が、私に合わせるべき! 私に理解できる、イコール、人類の大半にも理解 出来る!」


( ´Д`;)「ああ言えば、こう言う……!

母さんの言う通り、お前は口から生まれた子だよ……。」


( ´ー`)「いえ、口ですら(カナ)わないってことは、道理から外れてるって ことでわ?

(  ̄▽ ̄)いにしえより、世界は一握りの天才が動かしてきたのです!

つまり、皆は私に従うべき!」


(; `Å´)「頭でっかちな だけの天才は、いらぬわッ! 第一、お前みたいのが指導者になったら、一日で国が滅ぶわさッ!」


( ´,_ゝ`)「何を仰いますのやら……

世の中、皆で協力しあわなければ 生きていけないのですよ?

( ̄▽ ̄)天才も人類の一部!

仲間はずれ は、いけません!」


( ´Д`;)「……もし本当に、皆で やっていく とゆー気概があると言うのなら……

もうちょっと、身だしなみでも 立ち居ふるまいでも、がんばってみたら どうだ……?」


(  ̄▽ ̄)「お言葉ですが、一人に頼る集団は(モロ)いものですよ?

私は、皆に頼らせないため、あえて自堕落に ふるまって いるのです!!!」


(; `_ゝ´) (なッ……?! なんとォーッ!? これは存外、傑物ッ……?!

(`ロ´;)──っと、いかん、いかん!!! 一瞬、本気に してしまったでわないかッ!

( ´△`;) コヤツ…… なんだかんだ言って、面倒だから やりたくないだけ だな……)


───


(; ´ー`)「……アドニア、父様の仰ることも、たまには聞いて上げては、どう?

ほら、アドニアは、やれば出来る子なんだし……。」


(-_- )「……母様。申し訳ありませんが、大義か人情かエサがないと、やる気が持続しないのです。

あと、なまじっか期待されたりすると、『やらないとダメ!』なプレッシャーが強烈すぎて、全てを ぶち壊したく なるのですよ……。」 


(; ・3・)「……た、大義や人情は、ともかく……エサ?」


(* ´ ▽ ` *)「そうですね……

不老不死、あるいは不滅になれる霊薬とか?

あとは、世界を作り変えられる、あるいは神になれる秘宝……みたいな?」


( ゜д゜)ポカーン


───


ヽ(ill゜д゜)ノ 「──たっ、大変だーッ! 共和国が攻めてきたぞぉ~ッ!」


(゜〇゜;)「アイエッ? 共和国?! 共和国、ナンデ!?」


~御前 会議~


(-_- ;)「して……どのように防ぐか、諸卿に考えは あるか?」


(`ロ´;)「目下、辺境伯が国境沿いの最終 防衛ラインにて奮戦しておりますが、突破されるのは時間の問題かと……

かくなる上は、共和国に花を持たせる形での和平を模索するしか──」


(; `_ゝ´)「……そ、それはッ!? 最悪、領土の割譲も やむなし、ということ ですかッ?!」


( ;`д´)「こと、ここに至っては 他にやりようも あるまい!

国境でわが軍と交戦中の陸軍とは別に、ワイバーンなど空 飛ぶモンスター 数百体からなる共和国 空軍が、大砲を多数 搭載する巨大 軍船 数十隻からなる共和国 海軍が、それぞれ すでに動き始めているとの報告が入っておるのだぞ!?」


(; `_ゝ´)「──て、帝国はッ?!

我ら同様、共和国と敵対している彼らも他人事ではないはず──!」


(; ´_ゝ`)「それが……

'陸海空 いずれの軍も、動かせば帝国 本土が ガラ空きとなる' とのことで、援軍 要請を断られました……。」


(-_- ;)(-_- ;)(-_- ;)(-_- ;)(-_- ;) 「………………」


───


(`ロ´;)「物見の塔から緊急 連絡!

共和国 空軍の進路に、カイザー ドラゴン 出現!

同 空軍を瓦解させたとのこと!」


(; `д´)「共和国 海軍の動向を伺っていた偵察の飛竜から急電!

敵 船団の浮かぶ海域に、急な悪天候で巨大 竜巻と巨大 渦潮が多数 発生! 激しい雷雨も観測されています!

おそらく 敵 船団は、無事には済まないかと──」


(; `_ゝ´)「辺境伯から早馬です!

共和国 陸軍の陣地に巨大アリ地獄、突如 発生!

敵 司令部もろとも敵陣を地中 深くに沈めたそうです!」


───


戦争は終わった──。


今回、戦果を上げるどころか、大損害を こうむっただけに終わった共和国では、選挙民のウケ狙いで侵攻を指示した現職の大統領が、解任 選挙で落選。


今後の共和国は、新 大統領の元、真の共和制を目指して ゆくらしい。


一方、皇国では 辺境伯と配下が救国の英雄として受勲。1ヶ月間、全土が祝勝ムードで湧いた。


───


結論から言うと、アドニアは とっくに召喚 魔法士として覚醒していた。

( '遺伝子' サンの お手柄である。)


これまでも、何か あるごとに本人には自覚の ないまま、ご先祖様がコッソリ がんばって くれていたのだ。


今回のことも自覚がないゆえ、当然、賞賛も恩賞もナシであるが、当の本人は何も知らないため、

( ´-`)(今夜は いつもよりも、からだ ダル……)

とボヤきながら、その日は珍しく本も読まずに寝台に寝転ぶや、早々と夢の世界の住人と なった。


───


~共和国で大統領選が終わった2週間後~


共和国 沿岸に幽霊船と化した共和国軍の軍船が続々 漂着……。

早々に ご遺体の収容 作業が開始されるも、あの大時化(オオシケ)の中、船体はズタボロになりながらも、乗組員たちは奇跡的に生存。悪運の強い水兵たちであったと云ふ……。


両国の国境沿い、共和国 陸軍 陣地が あった地下には巨大な空洞があったらしく、そこからの帰還兵が続々と共和国 本土に たどり着いては騒ぎとなっている。

悪運の(ry


共和国 空軍に所属していた空 飛ぶモンスターたちは、今はカイザー ドラゴンの住まう皇竜山と その麓の森で 野生に返っていると云う……。


~fin~

ドアマット

アドトッマ

????・???


───


( >Д<;) ドアマット ちゃうやん!?


( ´_ゝ`) 世の中、計算通りに いかないことも あるのだよ……。


───


( ; ̄▽ ̄)え?

男爵の野望?

そ……そんなもの、ありましたっけ……?

(すっとぼke

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ