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同居人たち 11

 促されるままにルーチェの隣に腰を下ろしたオリチェ。マスターは立ちっぱなしのアナリズの方にも座るように手で示していた。アナリズもそれに素直に従った。ただ、座ったのは、ルーチェの隣。アナリズは二人から少しだけ距離をあけて座った。その視線はどこか定まらず、ルーチェやマスターへと何度も動かされていた。


「ただ、ルーチェちゃぁんの言ってることも間違ってないと思うのよぉ」


「マスター、オリチェわからないんですけど、何で()()なんですか?」


 ピンと手を伸ばして質問をしたオリチェ。座ったままでしている動作に、まるで学校の授業でも受けているようにもルーチェには見えていた。


 視線をマスターに戻したルーチェはマスターもまたルーチェを見ていたことに気付く。


「ルーチェちゃぁんなら、わかるわよねぇ。パートツーぅ」


 言いながら、指を二本立ててルーチェに向けてきたマスター。明らかにふざけているとしか思えないほど、ニヤついた表情を見せていた。それを見たルーチェはため息を一つハッキリわかるようにもらしてから答える。ただ、その声は少し強くなった。


「それっ、いりますか?」


「まぁ、ちょっとしたお楽しみぃってことで、ねぇ」


「…………」


 明らかにふざけていたマスターを細い目で見るルーチェ。そのまま、同意を求めてくるマスターを完全に無視する。マスターの立てられた二本の指先が虚しく動いていた。


「ルーチェさん。報復って何ですか?」


 しびれを切らしたのか、オリチェがくるりとルーチェの方に向き直って尋ねてきた。


 ルーチェの方も、マスターを睨むことを止めて、オリチェを見る。オリチェの真剣な瞳を真っ向から受け止める。ルーチェはテーブルに手を置きながら口を開いた。


「あの赤い髪の男の足がアルテファットだってことはわかってるわよね?」


「……はい。オリチェ、あの足でマスターが蹴られたのを見て、すっごく怖かったです」


 答えながら、オリチェの左手が小刻みに震えていた。ルーチェが左手を見ていることに気づいたのか、オリチェは右手で左手を被せてギュッと押さえた。目を閉じて、数回深呼吸を始めた。それから、目をあけ、ルーチェを見た。


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